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公開番号2024055618
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162697
出願日2022-10-07
発明の名称シミ及び色むら評価方法及びこれを用いた美白外用剤有効成分選定方法、美白方法、並びに、美白外用剤
出願人株式会社コーセー
代理人個人,個人,個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20240411BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】表皮細胞における分裂様式の観察結果に基づいて、シミ及び色むらを評価する評価方法を提供する。
【解決手段】評価対象とする表皮細胞における分裂を観察して対称分裂及び非対称分裂を判定し、判定結果に基づき、表皮細胞における対称分裂の減少又は非対称分裂の増加を把握する、シミ及び色むら評価方法である。
【選択図】図3B
特許請求の範囲【請求項1】
評価対象とする表皮細胞における分裂を観察して対称分裂及び非対称分裂を判定し、判定結果に基づき、表皮細胞における対称分裂の減少又は非対称分裂の増加を把握する分裂評価ステップを含む、シミ及び色むら評価方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
請求項1に記載したシミ及び色むら評価方法を用いて、美白外用剤有効成分を選定する美白外用剤有効成分選定方法であり、
前記分裂評価ステップの前段に、前記評価対象とする表皮細胞に対して美白外用剤候補成分を適用するステップを実施し、
前記分裂評価ステップにて得られた評価結果に基づいて、美白外用剤有効成分を選定する、
美白外用剤有効成分選定方法。
【請求項3】
対称分裂が生じた表皮細胞に対して、ナツシロギク抽出物を有効成分とする美白外用剤を塗布することで、前記表皮細胞にて、対称分裂を減少させるか、又は、非対称分裂を増加させる、美白方法。
【請求項4】
表皮細胞における対称分裂を減少させるか、又は、非対称分裂を増加させる、ナツシロギク抽出物を有効成分とする美白外用剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シミ及び色むら評価方法、当該シミ及び色むら評価方法を用いた美白外用剤有効成分選定方法、美白方法、並びに、美白外用剤に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
メラニンはアミノ酸の一種であるチロシンから酵素により生成される褐色ないし黒色の色素である。メラニンは、ヒトにおいては、肌色を決定する因子の1つであるとともに、紫外線の悪影響から体を守る重要な役割を担っているといわれている。しかし、メラニンの過剰生成により、肌において不均一なメラニン分布が生じ、シミ、ソバカス、及び色むらなど美容上の肌悩みが生じる。
【0003】
メラニン生成メカニズムとして以下のプロセス(a)~(d)が解明されている。(a)紫外線やストレスによってケラチノサイトからメラノサイト活性化因子が産生され、これらの因子が、皮膚の基底層に存在するメラノサイトを刺激する。(b)活性化されたメラノサイト内において、メラニン生成酵素であるチロシナーゼが過剰に生成され、細胞内小器官メラノソームにおいてメラニンが生成される。(c)このメラノソームはメラノサイトの樹状突起の末端へ移動し、ケラチノサイト(角化細胞)に渡される。(d)メラノソームがこれらの細胞内に移送され、蓄積されて、最終的に肌を黒く変化させる。
【0004】
従来から、シミ、ソバカス、及び色むらの対策として、メラニンの生成抑制作用を有する物質、及び、メラノソーム分解促進作用を有する物質などの探索が多く行われてきた。また、皮膚の構造に関しても、様々な側面から解析がなされてきた。
【0005】
例えば非特許文献1では、ヒトの皮膚のシミ部位では未分化なケラチノサイトがシミの無い健常部位よりも多く観察されることが報告されている。しかしながら、その詳細メカニズムは研究されておらず、解決する手法も見出されていなかった。
【0006】
ここで、皮膚を構成する表皮と真皮との間には、「基底膜」と称される構造部が存在する。基底膜上で生じるケラチノサイトの分裂には、2種類の方式が存在することが知られている。一つは基底膜に対して横方向に分裂し、2つの未分化なケラチノサイトが生じる対称分裂である。もう一つの分裂は、基底膜に対して縦方向に分裂し、未分化ケラチノサイトと分化ケラチノサイトが1つずつ生じる非対称分裂である。非特許文献2では、テープストリッピングによる角層剥離刺激を皮膚に加えたときにケラチノサイトの対称分裂が生じ、ケラチノサイトに含まれるメラニンが分裂したケラチノサイトに均等に分配されていることを見出している。一方、非対称分裂のケラチノサイトでは、ケラチノサイトに含まれるメラニンは分化ケラチノサイトと未分化ケラチノサイトに不均等に分配されることを報告している。しかし、非特許文献2にも、シミ、そばかすや色ムラにおける分裂方式に関する記述はない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
J Dermatol Sci. (2010) 59(2):91-7
Br JDermatol. (2018) 179(5):1115-1126
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来からのアプローチにもかかわらず、依然として、シミ、ソバカス、及び色むらの悩みを十分に解消することはできなかった。そのため、更なる美白メカニズムの解明、及び美白剤の提供が求められてきた。
【0009】
そこで、本発明は、表皮細胞における分裂様式の観察結果に基づいて、シミ及び色むらを評価する評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、シミ、ソバカス、及び色むらが生じる皮膚に見られる特有の構造に着目し、メラニンが表皮内に過剰蓄積しやすい皮膚構造を作り出す分裂方式に関して検討を行った。ヒト皮膚のシミ部および健常部を用いて、基底膜上のケラチノサイトの分裂方向を解析したところ、シミ部位では基底膜に対して横方向の分裂つまり対称分裂が増加していることを見出した。そして、本発明者は、かかる新たな知見に基づき、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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