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公開番号2024052793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-12
出願番号2024023420,2022021972
出願日2024-02-20,2020-08-07
発明の名称透明熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、透明熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品および成形品の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 51/04 20060101AFI20240405BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い全光線透過率、良好な色調を兼ね備え、さらにγ線照射後の全光線透過率の低下率及びその回復率が良好な透明熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、ゴム質重合体(R)存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a2)を含む単量体混合物(a)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)10~60質量部、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b2)を含む単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)40~90質量部からなる透明熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、フェノール系化合物 (C)を100~1000ppm含み、さらにジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(D)を含み、フェノール系化合物(C)の水酸基(OH)とジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(D)のリン原子(P)のモル比(P/OH)が0.2~5.0であることを本旨とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゴム質重合体(R)存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a2)を含む単量体混合物(a)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)を10~60質量部、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b2)を含む単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)を40~90質量部含んでなる透明熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、フェノール系化合物 (C)を100~1000ppm含み、さらにジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(D)を含み、フェノール系化合物(C)の水酸基(OH)とジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(D)のリン原子(P)のモル比(P/OH)が0.2~5.0であることを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
単量体混合物(a)は、単量体混合物(a)を100質量%とした場合、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)を20~40質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a2)を60~80質量%を含み、ゴム質重合体(R)はポリブタジエンゴム(R1)であり、前記グラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体(R1)と単量体混合物(a)の総量を100質量%とした場合に、ゴム質重合体(R1)が40~60質量%存在下、前記単量体混合物(a)60~40質量%でグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A1)であり、前記ビニル系共重合体(B)は、単量体混合物(b)を100質量%とした場合、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)を20~40質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b2)を60~80質量%含む単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B1)であり、前記グラフト共重合体(A1)および前記ビニル系共重合体(B1)の合計を100質量部とした場合に、前記グラフト共重合体(A1)を10~60質量部、前記ビニル系共重合体(B1)を40~90質量部含んでなる請求項1に記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
ゴム質重合体(R)は、ジエン系単量体(r1)および芳香族ビニル系単量体(r2)の合計100質量%とした場合に、65質量%より多く80質量%未満のジエン系単量体(r1)と、20質量%より多く35質量%未満の芳香族ビニル系単量体(r2)からなるゴム質重合体(R2)であり、ゴム質重合体(R2)の存在下、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a2)および芳香族ビニル系単量体(a1)を含有する単量体混合物(a)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A2)と、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b2)および芳香族ビニル系単量体(b1)を含有する単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B2)とを配合してなる透明熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(A2)粒子の数平均粒子径が0.15~0.30μmである請求項1に記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
前記透明熱可塑性樹脂組成物に含まれるジエン系単量体由来単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来単位、芳香族ビニル系単量体由来単位、シアン化ビニル系単量体由来単位、およびその他ビニル系単量体由来単位の合計100質量%に対し、(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来単位の含有量が75質量%以下、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量が5質量%以下である請求項1~3のいずれかに記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
前記グラフト共重合体(A)が、シアン化ビニル系単量体由来単位を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂組成物のジメチルスルホキシド可溶分が、シアン化ビニル系単量体由来単位を含有し、かつ、ジメチルスルホキシド可溶分において、3連子の全てがシアン化ビニル系単量体由来単位である割合が、3連子の中央がシアン化ビニル系単量体由来単位である総数に対し、1モル%未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂組成物において、γ線照射後のラジカル発生量が1.3×10
18
個/g未満である請求項1~6のいずれかに記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
前記透明熱可塑性樹脂組成物に、さらにヒンダードアミン系化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】
グラフト共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)の合計を100質量部とした場合に、ゴム質重合体(R)の存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)および(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a2)を含む単量体混合物(a)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)10~60質量部を得る工程、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)および、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b2)を含む単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)40~90質量部を得る工程、ならびに少なくとも前記グラフト共重合体(A)、前記ビニル系共重合体(B)、フェノール系化合物(C)及びジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(D)を混合する工程、を備える透明熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項10】
前記グラフト共重合体(A)とフェノール系化合物(C)予め混合する工程を備える請求項9に記載の透明熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高い全光線透過率、良好な色調を兼ね備え、さらにγ線照射後の全光線透過率の低下率及びその回復率が良好な透明熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【0002】
ジエン系ゴムなどのゴム質重合体に、(i)スチレン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物と、(ii)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物と、(iii)メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物と、を共重合したグラフト共重合体を含有して得られる透明ABS樹脂が知られている。この透明ABS樹脂は、(i)全光線透過率で表される透明性や、(ii)色調、剛性などの機械強度バランスや、流動性や、コストパフォーマンスなどが優れることから、家電製品、通信関連機器一般雑貨及び医療機器などの用途で幅広く利用されている。なかでも、医療機器用途では、(iii)γ線照射後の全光線透過率の低下率や(iv)その回復率が良好な特性が求められている。
【0003】
添加剤に特徴を有する背景技術として、特許文献1~4の方法が提案されている。
【0004】
透明樹脂のγ線照射による耐黄変特性を付与する手法として、例えば、特許文献1には、ポリカーボネート含有樹脂、チオエーテル系安定化剤及びアミド系安定化剤を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。
【0005】
また、ジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物を用い、耐熱性、難燃性及び成形加工性を発現する手法として、例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂100重量部と、ジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物5~30重量部とを含むことを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
【0006】
さらに、ジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物を用い、耐変色性を発現する手法として、以下の方法が提案されている。例えば、特許文献3には、(A)高分子化合物に、(B)ジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物を含有せしめてなることを特徴とする高分子組成物が提案されている。例えば、特許文献4には、ゴム状重合体(a)35~85重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分(b)65~15重量%をグラフト重合してなるアセトン可溶分の極限粘度[η]が0.1~2.0dl/g、グラフト率が5~120重量%であるグラフト共重合体(A)15~60重量部と、芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を(共)重合してなるメチルエチルケトン可溶分の極限粘度[η]が0.1~2.0dl/gである芳香族ビニル化合物系樹脂(B)85~40重量部からなるゴム強化熱可塑性樹脂(I)100重量部に対し、ジヒドロオキサフォスファフェナントレン系リン化合物(II)0.005~5重量部を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
【0007】
さらに、特定のフェノール系酸化防止剤を用い、成形時の黄変を著しく抑制すると共にその抑制効果を長期間にわたって保持させ、かつ、良好な成形品色調、透明度、衝撃強度、成形性を発現する手法として、例えば、特許文献5には、メタクリル酸メチル50~90重量%、アクリロニトリル0~20重量%、スチレン10~40重量%からなる還元粘度ηsp/cが0.3~0.4dl/gである共重合体(A)40~80重量部、ゲル含有率70~90重量%、重量平均粒子径0.1~0.5μmのポリブタジエン30~60重量部にメタクリル酸メチル50~90重量%、アクリロニトリル0~20重量%、スチレン10~40重量%の組成からなる共重合体40~70重量部がグラフトした還元粘度ηsp/cが0.2~0.4dl/gであるグラフト共重合体(B)20~60重量部からなる透明スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、2,2’-メチレンビス(4-アルキル-6-t-ブチルフェノール)[ここでアルキル基は1または2個の炭素原子を有するものである。]0.05~1重量部及びジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートから選ばれる一種または二種以上のジプロピオン酸エステル化合物0.1~1重量部を配合してなる透明スチレン系樹脂組成物が提案されている。
【0008】
樹脂組成物に特徴を有する背景技術として、特許文献6~10の方法が提案されている。
【0009】
透明熱可塑性樹脂組成物に、耐衝撃性、透明性、良好な色調を発現する手法として、例えば、特許文献6では、屈折率が1.510以上1.520以下のゴム質重合体(r)存在下において、シアン化ビニル系単量体(a3)を実質的に含有しない単量体混合物(a)を、グラフト共重合して得られたグラフト共重合体(A)と、ビニル系共重合体(B)と、を有する熱可塑性樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂組成物のアセトン不溶分(C)が、シアン化ビニル系単量体由来単位を実質的に含有せず、熱可塑性樹脂組成物のアセトン可溶分(D)が、シアン化ビニル系単量体由来単位を含み、かつ、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量が、アセトン可溶分(D)100質量%に対し、2質量%以上20質量%以下であり、熱可塑性樹脂組成物のジメチルスルホキシド可溶分(E)が、シアン化ビニル系単量体由来単位を含有し、かつ、ジメチルスルホキシド可溶分(E)において、3連子のすべてがシアン化ビニル系単量体由来単位をである割合が、3連子の中央がシアン化ビニル系単量体由来単位である総数に対し、1%未満であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
【0010】
透明熱可塑性樹脂組成物に、押出し成形性、引き裂き強度、傷つき性、透明性を発現する手法として、例えば、特許文献7では、ゴム状重合体と芳香族ビニル系単量体またはそれと共重合可能な他のビニル系単量体とから構成されるゴム強化スチレン系樹脂組成物であって、(1)該ゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05~0.20μm、(2)該組成物中のアセトン可溶部の重量平均分子量が10~30万、(3)該組成物中の不溶部と可溶部との屈折率との差が0.02未満であることを特徴とする押出し成形性に優れた透明ゴム強化スチレン系樹脂組成物が提案されている。
(【0011】以降は省略されています)

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