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公開番号2024061629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2023151914
出願日2023-09-20
発明の名称グラフェン分散液、組成物およびそれを用いた形成物
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C01B 32/194 20170101AFI20240425BHJP(無機化学)
要約【課題】塗布性に優れたグラフェン分散液および耐腐食特性に優れた組成物を提供すること。
【解決手段】グラフェン、標準電極電位が-2.0V以上-0.3V以下である金属粒子、および有機溶媒を含有するグラフェン分散液であって、前記グラフェン分散液の固形分濃度が4重量%以上9重量%以下であり、B型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が1,000mPa・s以上10,000mPa・s以下であるグラフェン分散液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
グラフェン、標準電極電位が-2.0V以上-0.3V以下である金属粒子、および有機溶媒を含有するグラフェン分散液であって、前記グラフェン分散液における前記グラフェンおよび前記金属粒子の合計固形分濃度が4重量%以上9重量%以下であり、B型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が1,000mPa・s以上10,000mPa・s以下であるグラフェン分散液。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記金属粒子の含有量が、グラフェン重量比50重量%以上800重量%以下である、請求項1記載のグラフェン分散液。
【請求項3】
前記グラフェンの平均アスペクト比が、100以上50,000以下である請求項2記載のグラフェン分散液。
【請求項4】
前記金属粒子の平均粒径が、2μm以上30μm以下である請求項3記載のグラフェン分散液。
【請求項5】
前記金属粒子が、亜鉛、アルミニウム、鉄のうちいずれかを含む、請求項4記載のグラフェン分散液。
【請求項6】
前記グラフェンが、窒素を含む表面処理剤で修飾されている請求項5記載のグラフェン分散液。
【請求項7】
前記グラフェンのX線光電子分光法により測定される炭素に対する窒素の元素の比(N/C比)が、0.005以上0.200以下である請求項6記載のグラフェン分散液。
【請求項8】
前記有機溶媒が、芳香族炭化水素系溶媒および/またはアルコール系溶媒を含む請求項7記載のグラフェン分散液。
【請求項9】
前記グラフェン分散液の、B型粘度計で測定した回転数3rpmでの粘度値を回転数10rpmでの粘度値で除した値が、1.1以上3.0以下である請求項8記載のグラフェン分散液。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のグラフェン分散液と、硬化性樹脂および/またはその前駆体とを含む組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフェン分散液およびそれを用いた組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
グラフェンは、炭素原子からなる二次元結晶であり、2004年に発見されて以来、非常に注目されている素材である。グラフェンの薄層シート構造は、金属腐食原因物質である酸素や水の透過を抑制することができる。かかるグラフェンの機能を活用した用途の一例として耐腐食性塗料が挙げられ、グラフェンを用いることにより、耐腐食性のさらなる向上が期待されている。
【0003】
グラフェンを工業的に利用するために、電気抵抗が低く、塗布性および分散性に優れるグラフェンの分散液が用いられている。グラフェンの分散液としては、例えば、グラフェンがN-メチルピロリドンを50質量%以上含む溶媒に分散した分散液であって、N-メチルピロリドンでグラフェン重量分率0.000013に調整した希釈液の、波長270nmにおける重量吸光係数が25000cm
-1
以上200000cm
-1
以下であるグラフェン分散液(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、グラフェン分散液の製造方法としては、例えば、還元工程、微細化工程、有機溶媒混合工程、強撹拌工程、水分除去工程を有するグラフェン分散液の製造方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2017/047521号
国際公開第2017/047523号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グラフェンの応用範囲を広げる上では、グラフェン分散液から、グラフェンを様々な形状に成形する技術が求められており、そのために、グラフェンを単層または複数層の薄層状態に分散させた分散液とすることが有効である。しかし、分散液中において、薄層状態のグラフェンは積層凝集しやすく、さらに凝集したシート状のグラフェン同士は絡まり合いやすい傾向にある。特許文献1や特許文献2に記載された技術に対しても、様々な組成物中へのさらなる分散性の向上が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、分散性に優れたグラフェン分散液、および耐腐食性に優れる硬化物を得ることのできる組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、グラフェン、標準電極電位が-2.0V以上-0.3V以下である金属粒子、および有機溶媒を含有するグラフェン分散液であって、前記グラフェン分散液における前記グラフェンおよび前記金属粒子の合計固形分濃度が4重量%以上9重量%以下であり、B型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が1,000mPa・s以上10,000mPa・s以下であるグラフェン分散液である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のグラフェン分散液は分散性が高く、耐腐食性に優れる組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<グラフェン分散液>
本発明のグラフェン分散液は、グラフェン、標準電極電位が-2.0V以上-0.3V以下である金属粒子、および有機溶媒を含有する。グラフェン分散液におけるグラフェンおよび金属粒子の固形分濃度は、後述する測定例1に記載する方法により測定することができる。グラフェン分散液におけるグラフェンおよび金属粒子の固形分濃度は、塗工に適する粘度を確保するため4重量%以上である。一方、流動性を確保するため、9重量%以下である。
本発明のグラフェン分散液のグラフェンは分散性が高く、グラフェン分散液中のグラフェン単独の固形分濃度が2.5重量%以上で流動性がなくなり、半固形状となる。そのため、グラフェン単独の固形分濃度は、2.5重量%未満であることが好ましい。一方、塗工に適する粘度を確保する観点から、0.5重量%以上であることが好ましい。
グラフェン分散液が流動性を有し、塗布性を高める観点から、グラフェン分散液中の金属粒子の含有量は、グラフェン重量比50重量%以上が好ましく、150重量%以上がより好ましく、300重量%以上がさらに好ましい。一方、800重量%以下が好ましく、600重量%以下がより好ましく、500重量%以下がさらに好ましい。
【0010】
本発明のグラフェン分散液は、固形分濃度が4重量%以上9重量%以下であり、B型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が1,000mPa・s以上10,000mPa・s以下であることを特徴とする。本発明においては、グラフェン分散液の分散性を評価する指標として、粘度に着目した。
本発明におけるグラフェン分散液の粘度は、グラフェンの剥離状態および分散状態によって変化する。十分に分散された単層のグラフェンであれば、グラフェン表面間の相互作用によりグラフェン同士がネットワークを形成しやすくなり、粘度は高くなる。一方、分散が不十分な場合、積層数の増加や凝集の形成によって、分散液の粘度は低くなる。グラフェン分散液のB型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が1,000mPa・sより低い場合、グラフェンの剥離度が低く、グラフェンの多くが積層凝集した状態であり、グラフェンの分散性が低く、塗布性が低下し、塗膜抵抗が高くなる。2,000mPa・s以上が好ましく、3,000mPa・s以上がより好ましく、4,000mPa・s以上がさらに好ましい。グラフェン分散液のB型粘度計で測定した回転数における3rpmでの粘度が10,000mPa・sより高い場合、グラフェン同士のネットワークが強固であり、溶媒への再分散が困難になる。8,000mPa・s以下が好ましく、6,000mPa・s以下がさらに好ましい。本発明のグラフェン分散液の粘度は、後述する測定例2に記載する方法により測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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