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公開番号2024038775
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-21
出願番号2022143043
出願日2022-09-08
発明の名称逆入力防止クラッチ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 41/06 20060101AFI20240313BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】部品点数が少なく、組立性に優れたロック式の逆入力防止クラッチを提供する。
【解決手段】出力側部材を構成する内輪3と固定部材を構成する外輪5との間に楔形空間12を形成し、楔形空間12に組み込まれたころ(転動体)11と周方向で対向する位置に、保持器の柱部9aと環状部材の柱部10aをそれぞれの先端側部分が径方向で重なる状態で挿入して、逆入力トルクが加えられたときに、内輪3は僅かに回転するが、環状部材は外輪5に対する回転抵抗によって回転せず、ころ11が環状部材の柱部10aに当接した状態で停止し、相対的に楔形空間12の狭小部に移動して内輪3および外輪5と係合することにより、出力側部材がロックされ、回転伝達が行われないようにした。この構成では、従来の逆入力防止クラッチに組み込まれている多数の弾性部材を必要としないので、従来よりも部品点数を削減できるし、組立作業を効率よく行うことができる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
同一軸心のまわりに回転する状態で配される入力側部材および出力側部材と、前記入力側部材の回転を前記出力側部材に伝達するトルク伝達手段と、前記出力側部材の径方向外側に配される固定部材と、前記入力側部材と一体回転するように連結された保持器と、前記出力側部材と前記固定部材との間に配される複数の転動体および環状部材とを備え、
前記固定部材は内周に円筒面が設けられ、前記出力側部材の外周面に周方向に複数のカム面が設けられていることにより、前記固定部材の内周円筒面と出力側部材の各カム面との間に周方向の少なくとも一側で狭小となる楔形空間が形成されており、前記各楔形空間に前記転動体が1つずつ組み込まれ、前記各転動体と周方向で対向する位置に、前記保持器の柱部と前記環状部材の柱部が径方向で重なる状態で挿入されており、
前記出力側部材に逆入力トルクが加えられたときは、前記出力側部材の僅かな回転にともない、前記環状部材の前記固定部材に対する回転抵抗によって環状部材の柱部に当接した前記転動体が、相対的に前記楔形空間の狭小部に移動して前記出力側部材および固定部材と係合することにより、前記出力側部材がロックされて前記入力側部材が回転しないようになっている逆入力防止クラッチ。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記環状部材の前記固定部材に対する回転抵抗は、前記環状部材と前記固定部材の内周面との間に入り込んだ潤滑剤の粘性抵抗によって生じるものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項3】
前記潤滑剤は、混和ちょう度が350以下、基油動粘度が100cSt以上のグリースであることを特徴とする請求項2に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項4】
前記潤滑剤が、クラッチ内部空間にその容積の50~100%を占めるように封入されていることを特徴とする請求項2に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項5】
前記固定部材には前記環状部材を軸方向に抜け止めする蓋部が形成されており、前記固定部材の蓋部と環状部材との間に、前記環状部材を軸方向に押圧して前記保持器に押し付ける弾性部材が組み込まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項6】
前記弾性部材がコイルバネであることを特徴とする請求項5に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項7】
前記出力側部材のカム面は、2つの凸曲面または1つの凹曲面で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項8】
前記環状部材が樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力防止クラッチ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、入力トルクが加えられたときは入力側部材の回転を出力側部材に伝達し、逆入力トルクに対しては入力側部材が回転しないようにする逆入力防止クラッチに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
逆入力防止クラッチは、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、その回転を出力側部材に伝達し、出力側部材に逆入力トルクが加えられたときは、入力側部材が回転しないようにするものである。そのうち、逆入力トルクに対して出力側部材をロックさせる方式のものを、以下では「ロック式」と称する。
【0003】
ロック式の逆入力防止クラッチとしては、同一軸心のまわりに回転する状態で配される入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側に円筒面を有する固定部材を出力側部材の径方向外側に配し、出力側部材の外周面に複数のカム面を設けて、固定部材の内周円筒面と出力側部材の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に転動体を1つずつ組み込み、各転動体と周方向で対向する位置に挿入される柱部を有する保持器を入力側部材と一体回転するように連結し、各転動体の周方向両側に、保持器の柱部に支持されて転動体を楔形空間の広大部に保持する一対の弾性部材を組み込んだものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記構成の逆入力防止クラッチは、出力側部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力側部材の僅かな回転にともない、保持器と弾性部材によって静止状態で保持された転動体が、相対的に楔形空間の狭小部に移動して出力側部材および固定部材と係合することにより、出力側部材がロックされて入力側部材も回転しない。
【0005】
一方、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、出力側部材がロック状態にあっても(転動体が楔形空間の狭小部で出力側部材および固定部材と係合していても)、入力側部材と一体に回転する保持器の柱部が弾性部材を介して転動体を楔形空間の広大側へ押し出すことにより、出力側部材がロック状態から解放され、その後、トルク伝達手段によって入力側部材から出力側部材に回転が伝達されるようになる。
【0006】
また、上記構成では各転動体の周方向両側に弾性部材を組み込んでいるが、特許文献2に記載されている逆入力防止クラッチでは、各転動体の周方向両側に配される複数のバネ片を一体に形成した金属製バネ体(転動体を保持する弾性部材)と樹脂製の係止用補助部材とを組み合わせたバネ部材が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第2713601号公報(第7図)
特許第4621156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1のように各転動体の周方向両側に弾性部材を組み込んでいる逆入力防止クラッチでは、転動体数の2倍の数の弾性部材が必要となるので、部品点数が多くなるという難点がある。また、弾性部材として通常想定されるコイルバネを用いる場合には、クラッチ組立時にコイルバネを圧縮変形させて転動体の周方向両側に挿入することになり、組み立てに手間がかかるという問題もある。
【0009】
一方、上記特許文献2の逆入力防止クラッチは、2つのバネ部材ですべての転動体を保持するようにしているので、各転動体の周方向両側に1つずつ弾性部材を組み込んでいるものに比べて部品点数は少ない。
【0010】
しかし、バネ部材のバネ片が板バネであり、変形量に対する応力の変動が大きく、転動体を押圧するストロークを大きく取れないため、クラッチ動作が不安定になるおそれがある。また、バネ部材の金属製バネ体が一体構造であっても、クラッチ組立時に多数のバネ片を圧縮変形させて転動体の周方向両側に挿入する点はコイルバネを用いた場合と同じであり、組立性に課題が残る。
(【0011】以降は省略されています)

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