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公開番号2024035963
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-15
出願番号2022140621
出願日2022-09-05
発明の名称状態量推定装置、状態量推定方法、及び状態量推定プログラム
出願人東レ株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G05B 23/02 20060101AFI20240308BHJP(制御;調整)
要約【課題】運用コストが大きくなることがなく、学習済みモデルの更新に有用なデータであるか否かを高精度に判定し、状態量の推定に有効なデータの除去を回避すること。
【解決手段】状態量推定装置2は、対象装置で観測された観測値と、対象装置の実際の状態量とを取得するデータ取得部22と、データ取得部22にて取得された観測値を入力パラメータとして、ガウス過程回帰によって生成された学習済みモデルに基づく演算を行うことにより、状態量を推定した推定値と当該推定値の標準偏差とを出力する推定部23と、推定値と標準偏差とに基づいて、入力パラメータとした観測値と当該観測値が観測された時刻における対象装置の実際の状態量とが正常な値であるか否かを判定する判定部24と、判定部24にて判定された観測値と状態量との組合せを少なくとも用いて学習済みモデルを更新するモデル更新部25と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
状態量の推定対象である対象装置で観測された観測値と、前記対象装置の実際の前記状態量とをそれぞれ取得するデータ取得部と、
前記データ取得部にて取得された前記観測値を入力パラメータとして、前記対象装置で過去に観測された前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量との組合せを複数用いたガウス過程回帰によって生成された学習済みモデルに基づく演算を行うことにより、前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の前記状態量を推定した推定値と当該推定値の標準偏差とを出力する推定部と、
前記推定部から出力された前記推定値と前記標準偏差とに基づいて、前記データ取得部にてそれぞれ取得され、前記入力パラメータとした前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量とがそれぞれ正常な値であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するモデル更新部と、を備える状態量推定装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記判定部による判定結果と前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量とを報知部から報知させるとともに、前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するか否かの選択を促す報知制御部と、
前記学習済みモデルを更新する選択操作を受け付ける入力部と、をさらに備え、
前記モデル更新部は、
前記入力部が前記選択操作を受け付けた場合に、前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する請求項1に記載の状態量推定装置。
【請求項3】
前記モデル更新部は、
前記判定部にて正常な値であるとそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する請求項1に記載の状態量推定装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記推定部から出力された前記標準偏差が所定の閾値以下である場合に、前記入力パラメータとした前記観測値が正常な値であると判定し、
前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量が、前記推定部から出力された前記推定値と前記標準偏差とから算出される所定の数値範囲内である場合に、当該対象装置の実際の状態量が正常な値であると判定する請求項1~3のいずれか1つに記載の状態量推定装置。
【請求項5】
状態量推定装置が実行する状態量推定方法であって、
状態量の推定対象である対象装置で観測された観測値と、前記対象装置の実際の前記状態量とをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された前記観測値を入力パラメータとして、前記対象装置で過去に観測された前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量との組合せを複数用いたガウス過程回帰によって生成された学習済みモデルに基づく演算を行うことにより、前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の前記状態量を推定した推定値と当該推定値の標準偏差とを出力する推定ステップと、
前記推定値と前記標準偏差とに基づいて、前記データ取得ステップでそれぞれ取得され、前記入力パラメータとした前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量とがそれぞれ正常な値であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップでそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するモデル更新ステップと、を含む状態量推定方法。
【請求項6】
前記判定ステップでの判定結果と前記判定ステップでそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量とを報知部から報知させるとともに、前記判定ステップでそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するか否かの選択を促す報知制御ステップをさらに含み、
前記モデル更新ステップでは、
入力部が前記学習済みモデルを更新する選択操作を受け付けた場合に、前記判定ステップでそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する請求項5に記載の状態量推定方法。
【請求項7】
前記モデル更新ステップでは、
前記判定ステップで正常な値であるとそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する請求項5に記載の状態量推定方法。
【請求項8】
前記判定ステップでは、
前記推定ステップで出力された前記標準偏差が所定の閾値以下である場合に、前記入力パラメータとした前記観測値が正常な値であると判定し、
前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量が、前記推定ステップで出力された前記推定値と前記標準偏差とから算出される所定の数値範囲内である場合に、当該対象装置の実際の状態量が正常な値であると判定する請求項5~7のいずれか1つに記載の状態量推定方法。
【請求項9】
状態量の推定対象である対象装置で観測された観測値と、前記対象装置の実際の前記状態量とをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された前記観測値を入力パラメータとして、前記対象装置で過去に観測された前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量との組合せを複数用いたガウス過程回帰によって生成された学習済みモデルに基づく演算を行うことにより、前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の前記状態量を推定した推定値と当該推定値の標準偏差とを出力する推定ステップと、
前記推定値と前記標準偏差とに基づいて、前記データ取得ステップでそれぞれ取得され、前記入力パラメータとした前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量とがそれぞれ正常な値であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップでそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するモデル更新ステップと、をコンピュータに実行させるための状態量推定プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、状態量推定装置、状態量推定方法、及び状態量推定プログラムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、プロセス産業の分野等で広く活用され、オンライン計測が困難な状態量をオンラインセンサデータから推定するソフトセンサが知られている。通常、ソフトセンサでは、過去のオフラインで計測された状態量とオンラインセンサデータを基に、それらの関係を表す関数や式を導出することで、現在のオンラインセンサデータから、現在の状態量を推定する。一般的に、これら関数や式を導出する過程を学習と呼び、導出された関数や式は学習済みモデルと呼ばれる。
【0003】
ここで、ソフトセンサを長期間運用していくと、設備や計測機器の劣化等、プロセスの経時変化が原因で状態量の推定精度が低下することがある。そして、このような推定精度の低下を防ぐため、定期的に学習済みモデルを再学習させる適応型センサという技術が知られている。この適応型ソフトセンサでは、オフラインで状態量が計測される度に、当該状態量とオンラインセンサデータとを学習データに追加して学習済みモデルを再学習させることが多い。しかし、オフラインで計測された状態量やオンラインセンサデータには、機器の測定誤差による計測ノイズと測定ミスによる外れ値(異常値)とが含まれる可能性がある。このような計測ノイズや外れ値に対応する手法を採用していないと、適切な学習済みモデルを作成することができず、高精度の推定が不可能になる。
【0004】
そして、従来、外れ値を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、学習データで複数回SVR(Support Vector Regression)モデルを構築してデータ毎に回帰誤差を求めるとともに、当該回帰誤差が閾値εを超えた回数をカウントする。そして、当該閾値εを超えた回数が統計的に有意な場合に、当該データを外れ値と見なす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-276967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ソフトセンサの学習済みモデルとは別に外れ値検出用のモデルを構築する必要があり、運用コストが大きくなってしまう。また、特許文献1に記載の技術では、単純に学習データの分布の中心から外れているデータを外れ値として除くため、本来、推定に有効なデータを除去してしまう可能性がある。
そこで、運用コストが大きくなることがなく、学習済みモデルの更新に有用なデータであるか否かを高精度に判定し、状態量の推定に有効なデータの除去を回避することができる技術が要望されている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運用コストが大きくなることがなく、学習済みモデルの更新に有用なデータであるか否かを高精度に判定し、状態量の推定に有効なデータの除去を回避することができる状態量推定装置、状態量推定方法、及び状態量推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る状態量推定装置は、状態量の推定対象である対象装置で観測された観測値と、前記対象装置の実際の前記状態量とをそれぞれ取得するデータ取得部と、前記データ取得部にて取得された前記観測値を入力パラメータとして、前記対象装置で過去に観測された前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量との組合せを複数用いたガウス過程回帰によって生成された学習済みモデルに基づく演算を行うことにより、前記入力パラメータとした前記観測値が観測された時刻における前記対象装置の前記状態量を推定した推定値と当該推定値の標準偏差とを出力する推定部と、前記推定部から出力された前記推定値と前記標準偏差とに基づいて、前記データ取得部にてそれぞれ取得され、前記入力パラメータとした前記観測値と当該観測値が観測された時刻における前記対象装置の実際の前記状態量とがそれぞれ正常な値であるか否かを判定する判定部と、前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するモデル更新部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る状態量推定装置では、上記発明において、前記判定部による判定結果と前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量とを報知部から報知させるとともに、前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新するか否かの選択を促す報知制御部と、前記学習済みモデルを更新する選択操作を受け付ける入力部と、をさらに備え、前記モデル更新部は、前記入力部が前記選択操作を受け付けた場合に、前記判定部にてそれぞれ判定された前記観測値及び前記状態量の組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する。
【0010】
また、本発明に係る状態量推定装置では、上記発明において、前記モデル更新部は、前記判定部にて正常な値であるとそれぞれ判定された前記観測値と前記状態量との組合せを少なくとも用いて前記学習済みモデルを更新する。
(【0011】以降は省略されています)

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