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公開番号2024030271
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022133023
出願日2022-08-24
発明の名称車両
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人中部国際特許事務所
主分類B64G 1/50 20060101AFI20240229BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】 地面との熱交換を促進可能な車両を提供する。
【解決手段】 複数の車輪12f,12rと、それら複数の車輪を駆動する車輪駆動装置とを備えて砂地を走行する車両において、当該車両を停止させつつ複数の車輪のうちの少なくとも1つを回転させることで、その少なくとも1つの車輪の各々の一部を地面に減り込ませる車輪減込作動を実行させる。車輪減込作動により、車輪は、比較的大きな面積で地中と接し、車輪を介した車両と地中との熱交換が促進される。この熱交換によって、高い環境温度の場所に車両が位置している場合には、車両の熱を地中に効果的に逃がすことができ、低い環境温度の場所に車両が位置している場合には、地中の熱を車両が効果的に吸収することができることになる。そのような車輪減込作動は、昼間と夜間との温度差の大きな月面において活動する車両は、好適に利用できる。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
複数の車輪と、それら複数の車輪を駆動する車輪駆動装置とを備えて砂地を走行する車両であって、
当該車両と地面との熱交換を促進させるために、車両を停止させつつ前記複数の車輪のうちの少なくとも1つを回転させることで、その少なくとも1つの車輪の各々の一部を地面に減り込ませる車輪減込作動を実行するように構成された車両。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
車輪の地面への減込量が車輪の直径の15%以上20%以下となる前記車輪減込作動を行うように構成された請求項1に記載の車両。
【請求項3】
車輪の全周の25%以上30%以下の部分が地面に減り込む前記車輪減込作動を行うように構成された請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記車輪減込作動を、前記複数の車輪のうちの一部の回転を禁止しつつ、前記複数の車輪の残りのものを回転させることで、その回転させる車輪を地面に減り込ませるようにして行うように構成された請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記車輪減込作動を、前記回転を禁止する車輪および前記回転させる車輪を交代させることで、前記複数の車輪の全てを地面に減り込ませるようにして行うように構成された請求項4に記載の車両。
【請求項6】
当該車両が傾斜計を有し、その傾斜角計によって検出された車両の傾斜角の変化に基づいて、前記車輪減込作動における車輪の地面への減込量を制御するように構成された請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記車輪減込作動の後、地面に減り込んでいる車輪の減り込んでいる部分を、その車輪の周方向において変更するように構成された請求項1に記載の車両。
【請求項8】
1回の前記車輪減込作動の後、車両を移動させ、別の場所において、さらに前記車輪減込作動を実行するように構成された請求項1に記載の車両。
【請求項9】
当該車両が、月面を活動する車両である請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記複数の車輪の各々の接地面が、金属製である請求項1に記載の車両。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪を地面に積極的に減り込ませるようにされた車両に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
環境温度の変化に比較して、地中(地表から少し入ったところをも含む概念である)の温度の変化は小さく、その変化の幅は、特に、月等、昼(日の当たる状態)と夜(日が当たっていない状態)との温度差の大きな環境では、顕著である。そのことを利用して、下記特許文献に記載の技術では、環境温度の変化の大きな地表に設置される構造物に対して、熱伝導流体を利用した地中との熱交換によってその構造物内の温度を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-190539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の技術は、地表に固定的に設置された構造物に対する技術であり、地中に埋設させる設備が必要なことから、車両のような地表を移動する物に対しては利用できない。温度の変化が大きい環境化で活動する車両に対しても、当該車両を構成する装置等の温度変化に対処するために、地面と当該車両との熱交換を促進することが望まれる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、地面との熱交換を促進可能な車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両は、
複数の車輪と、それら複数の車輪を駆動する車輪駆動装置とを備えて砂地を走行する車両であって、
当該車両と地面との熱交換を促進させるために、車両を停止させつつ前記複数の車輪のうちの少なくとも1つを回転させることで、その少なくとも1つの車輪の各々の一部を地面に減り込ませる車輪減込作動を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0006】
砂地で、車両を移動させない状態で車輪を回転させれば、言い換えれば、車輪を空回りさせれば、その車輪は、砂を掘り出す(掻き出す)ようにして地面に減り込む、つまり、スタックする。車輪が地面に減り込めば、車輪が地面と接している面積(以下、「接地面積」という場合がある)は大きくなるとともに、その車輪は、地面の表層よりも幾分深いところ(以下、便宜的に「地中」という場合がある)と接することになる。端的に言えば、車両は、比較的大きな面積で地中と接することになる。したがって、上記車輪減込作動を行うことにより、車輪を介した車両と地中との熱交換が促進されることになる。この熱交換によって、高い環境温度の場所に車両が停車している場合には、車両の熱を地中に効果的に逃がすことができ、低い環境温度の場所に車両が停車している場合には、地中の熱を車両が効果的に吸収することができることになる。
【発明の概要】
発明の態様
【0007】
本発明は、環境温度の変化が比較的大きい場所で活動する車両に適用されることが望ましい。具体的には、例えば、地球上では、砂漠のような場所で活動するような車両に適用されることが望ましい。典型的には、月面探査車等、月面で活動する車両(以下、「月面活動車」という場合がある)に適用されることが望ましい。月面は、レゴリスと呼ばれる砂で覆われており、昼間の温度は、120℃に、夜間の温度は、-200℃に達し、環境温度の差が相当に大きくなることから、地中との熱交換を行うことの意義が大きい。
【0008】
車輪を介した車両と地中との熱交換の促進という観点からすれば、本発明の車両(以下、「本車両」という場合がある)は、車輪の接地面、つまり、車輪が地面と接することができる車輪の外周面が、比較的熱伝導度が高い金属製であることが望ましい。ちなみに、月面を活動する車両の場合、宇宙線等の影響からゴム製のタイヤが使用できず、専ら、金属製の車輪が用いられる。そのことによっても、本発明は、月面で活動する車両に好適である。
【0009】
本発明は、車輪のリム内に配設された装置(以下、「リム内配設装置」という場合がある)に対する熱交換を目的として、上記車輪減込作動を行う車両に好適である。その装置は、具体的には、例えば、車輪駆動装置がいわゆるインホイールモータと呼ぶことのできる駆動ユニットを含んで構成されている場合におけるその駆動ユニット、車輪転舵装置がリム内に転舵アクチュエータを含んで構成されている場合におけるその転舵アクチュエータ、それらのユニットやアクチュエータのコントローラがリム内に配置されている場合におけるそのコントローラ等である。なお、月面活動車に関して言えば、車輪の外周面と地面との間は熱伝導にて、熱が移動するものの、月面には大気が存在していないため、リム内配設装置と車輪との間は、熱放射(輻射)にて熱が移動することになる。
【0010】
車輪減込作動は、例えば、車両が活動を終えたタイミングで行えばよい。例えば、月面活動車のリム内配設装置に関して説明すれば、環境温度が120℃の昼間に活動を終えた場合、活動中にリム内配設装置は120℃以上になっており、活動を終えたタイミングで車輪を地面に減り込ませれば、そのタイミングで、リム内配設装置の熱を効果的に地面に逃がすことが可能である。また、環境温度が-200℃の夜間において活動を開始する際、リム内配設装置をある程度の温度に昇温させる必要がある場合がある。この場合、車輪を地面に減り込ませてあれば、活動を開始するときに、リム内配設装置は-200℃より高い温度に維持されているため、その昇温のためのエネルギを節約できることになる。
(【0011】以降は省略されています)

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