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公開番号
2024021469
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-02-16
出願番号
2022124304
出願日
2022-08-03
発明の名称
蓄電装置
出願人
株式会社GSユアサ
代理人
個人
主分類
H01M
50/35 20210101AFI20240208BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】簡易な構成で安全性が向上された蓄電装置を提供すること。
【解決手段】蓄電装置1は、蓄電素子100と、排気ダクト350と、排気ダクト350及び蓄電素子100の間に配置された絶縁部材320と、を備える。蓄電素子100は、ガス排出弁131がZ軸プラス方向に向けられた姿勢で配置されている。排気ダクト350は、ガス排出弁131に対向する位置に貫通孔362が形成された金属製の対向面部361を有する。絶縁部材320は、絶縁本体部321と第一筒部323とを有する。絶縁本体部321は、排気ダクト350の対向面部361と蓄電素子100との間に位置する。絶縁本体部321の、ガス排出弁131と貫通孔362との間の位置に、開口部322が形成されている。第一筒部323は、開口部322に連通する空間を形成し、排気ダクト350の貫通孔362を貫通して排気ダクト350の内部に突出する。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
内部のガスを排出可能なガス排出弁が第一方向に向けられた姿勢で配置された蓄電素子と、
前記蓄電素子の前記第一方向側に配置され、前記ガス排出弁から排出されるガスの流路を形成する排気ダクトと、
前記排気ダクトと前記蓄電素子との間に配置された絶縁部材と、を備え、
前記排気ダクトは、
前記蓄電素子と対向する面を形成する金属製の対向面部であって、前記ガス排出弁に対向する位置に貫通孔が形成された対向面部を有し、
前記絶縁部材は、
前記対向面部と前記蓄電素子との間に位置し、前記ガス排出弁と前記貫通孔との間の位置に開口部が形成された絶縁本体部と、
前記開口部に連通する空間を形成する第一筒部であって、前記貫通孔を貫通して前記排気ダクトの内部に突出する第一筒部と、を有する、
蓄電装置。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記排気ダクトは、
前記対向面部を含む金属製の第一ダクト部材と、
前記第一方向において前記対向面部に対向する上壁部を形成する金属製の第二ダクト部材と、を有する、
請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第一ダクト部材は、前記対向面部と、前記対向面部の、前記第一方向に直交する第二方向の両端部のそれぞれから前記第二ダクト部材に向けて立設された側壁部とを有し、
前記第二ダクト部材は、一対の前記側壁部と接続された平板状の部材である、
請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第二ダクト部材は、前記第一方向側から、前記蓄電素子、前記絶縁部材及び前記第一ダクト部材を覆うように配置されたカバー部材の一部である、
請求項3記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記絶縁部材はさらに、前記絶縁本体部の前記開口部から前記ガス排出弁に向けて突設された第二筒部であって、前記第一筒部と連通するガスの流路を形成する第二筒部を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記蓄電素子は、複数並んで配置されており、
前記排気ダクトは、複数の前記蓄電素子の並び方向に沿って延在する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子を備える蓄電装置において、蓄電素子から排出されるガスを蓄電装置の外部に導くためのダクト(排気ダクト)が配置される場合がある。例えば、特許文献1には、複数の電池セルとガスダクトとを有する電源装置が開示されている。ガスダクトは、電池セルの積層方向に延長された中空の角柱状の部材である。ガスダクトの底面側には、各電池セルのガス排出弁と対応する位置に、連結開口が設けられている。連結開口はそれぞれ、ガス排出弁が開弁された状態でガス排出口と連通され、電池セルから排出される高圧のガスが、ガスダクト内に案内されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6151254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電源装置(蓄電装置)において、ガスダクト(排気ダクト)は、樹脂で形成されているため、加工性に優れ、設計上の制約が少ないという利点がある。しかしながら、樹脂製の排気ダクトの場合、例えば、電池セル(蓄電素子)のガス排出弁が開放(開弁)した場合の熱による損傷(溶融または変形など)の問題が生じやすい。排気ダクトに損傷が生じた場合、ガスが予期せぬ位置から漏れ出すこととなり、このことは、蓄電素子からガスが排出された場合における悪影響の波及の要因となる。特に、近年では蓄電素子が大容量化しており、これに伴い、開弁時における蓄電素子の熱による問題が生じやすくなっている。そこで、例えば、排気ダクトに、金属部材などの、樹脂製部材よりも耐熱性の高い部材を配置することが考えられる。しかしながら、この場合は、例えば部品点数の増加または製造コストの増加の問題が生じる。さらに、蓄電素子の近傍に金属部材を配置した場合は、蓄電素子との電気的な絶縁をどのように行うか、という問題も生じる。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、簡易な構成で安全性が向上された蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、内部のガスを排出可能なガス排出弁が第一方向に向けられた姿勢で配置された蓄電素子と、前記蓄電素子の前記第一方向側に配置され、前記ガス排出弁から排出されるガスの流路を形成する排気ダクトと、前記排気ダクトと前記蓄電素子との間に配置された絶縁部材と、を備え、前記排気ダクトは、前記蓄電素子と対向する面を形成する金属製の対向面部であって、前記ガス排出弁に対向する位置に貫通孔が形成された対向面部を有し、前記絶縁部材は、前記対向面部と前記蓄電素子との間に位置し、前記ガス排出弁と前記貫通孔との間の位置に開口部が形成された絶縁本体部と、前記開口部に連通する空間を形成する第一筒部であって、前記貫通孔を貫通して前記排気ダクトの内部に突出する第一筒部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る蓄電装置によれば、簡易な構成で安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
実施の形態に係る蓄電装置におけるガス排出口が設けられた端部を示す斜視図である。
実施の形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
実施の形態に係る排気ダクト、絶縁部材及び複数の蓄電素子の位置関係を示す斜視図である。
実施の形態に係る第一ダクト部材及び絶縁部材の一部を示す拡大斜視図である。
実施の形態に係る排気ダクト及びその周辺の構成を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明の一態様に係る蓄電装置は、内部のガスを排出可能なガス排出弁が第一方向に向けられた姿勢で配置された蓄電素子と、前記蓄電素子の前記第一方向側に配置され、前記ガス排出弁から排出されるガスの流路を形成する排気ダクトと、前記排気ダクトと前記蓄電素子との間に配置された絶縁部材と、を備え、前記排気ダクトは、前記蓄電素子と対向する面を形成する金属製の対向面部であって、前記ガス排出弁に対向する位置に貫通孔が形成された対向面部を有し、前記絶縁部材は、前記対向面部と前記蓄電素子との間に位置し、前記ガス排出弁と前記貫通孔との間の位置に開口部が形成された絶縁本体部と、前記開口部に連通する空間を形成する第一筒部であって、前記貫通孔を貫通して前記排気ダクトの内部に突出する第一筒部と、を有する。
【0010】
この構成によれば、第一筒部が排気ダクトの内部まで突出していることで、蓄電素子から排出されたガスは排気ダクトの内部に効率よく流入する。さらに、排気ダクトの少なくとも対向面部は金属製であるため、熱による溶解または変形等が生じる可能性が低い。さらに、金属製の対向面部は、排気ダクトにおける蓄電素子に最も近い部分であるが、絶縁本体部によって蓄電素子との電気的な絶縁性は確保される。さらに、第一筒部が排気ダクトの内部に突出するサイズに形成されていることで、蓄電素子と対向面部との間の、絶縁本体部の開口部を介した沿面距離も比較的に長くなる。このように、本態様に係る蓄電装置は、簡易な構成で安全性が向上された蓄電装置である。
(【0011】以降は省略されています)
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