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公開番号2024008378
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-19
出願番号2022110210
出願日2022-07-08
発明の名称鉛直免震支承用ばね要素
出願人個人
代理人個人
主分類F16F 15/04 20060101AFI20240112BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】点検・維持管理が容易である鉛直免震支承用ばね要素を提供する。
【解決手段】円筒ばね1は、内側部材2、内側部材に対して外側に在る外側部材4及び内側部材と外側部材の間に形成される格納空間の中に隙間なく格納される圧縮部材3を備え、内側部材と外側部材に一対の圧縮力が作用する。内側部材と外側部材は、圧縮力の方向に互いに容易に相対摺動することにより格納空間の高さと容積が変化する格納容器、圧縮力を利用して格納容器内の圧縮部材を3軸圧縮状態に圧縮する圧縮容器、3軸圧縮状態の圧縮部材を格納空間に閉じ込める圧力容器であり、圧縮部材は、格納空間の中に在って、圧縮力を3軸圧縮状態の内力に変換し、且つ内力を面圧として格納空間の大径圧力面と小径圧力面に作用させ、且つ大径圧力面及び小径圧力面と滑りながら格納空間の変形に追随して変形する、液体の如き、弾性を有する部材である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上部構造物を下から支持し、地震動が作用する下部構造物の上に在って、前記上部構造物の重さにより生じる鉛直方向の圧縮変形量が前記地震動に応じて増減し、
少なくとも、内側部材と、
前記内側部材に対して外側に配置される外側部材と、
前記内側部材と前記外側部材との間に形成される格納空間の中に隙間無く格納される圧縮部材とを備える鉛直免震支承用ばね要素であって、
前記内側部材は、下記それぞれの円形状の中心が前記内側部材の中心軸上に在る、
前記上部構造物を下から支持する位置に配置される又は前記下部構造物によって下から支持される位置に配置される円環状の内側座面と、
前記内側座面の外縁円周から前記内側座面の内向き法線ベクトルの向きに延伸する円柱面状の大径案内面と、
前記大径案内面と角部を成し且つ前記内側座面の裏側に延伸する円環状の内側支持面と、
前記内側支持面の内縁円周で隅角部を成し且つ前記内側座面の内向き法線ベクトルの向きに延伸する円柱面状の小径圧力面とを備え、
前記小径圧力面に作用する面圧によって前記小径圧力面の半径は減少し且つ前記小径圧力面に作用する面圧が無くなると前記小径圧力面の半径は元に戻るものであり、
前記外側部材は、下記それぞれの円形状の中心が前記外側部材の中心軸上に在る、
前記下部構造物によって下から支持される位置に配置される又は前記上部構造物を下から支持する位置に配置される円環状の外側座面と、
前記外側座面の内縁円周から前記外側座面の内向き法線ベクトルの向きに延伸し且つ前記小径圧力面に摺動嵌合する円孔面状の小径案内面と、
前記小径案内面と角部を成し且つ前記外側座面の裏側に延伸する円環状の外側支持面と、
前記外側支持面の外縁円周で隅角部を成し且つ前記外側座面の内向き法線ベクトルの向きに延伸し且つ前記大径案内面に摺動嵌合する円孔面状の大径圧力面とを備え、
前記大径圧力面に作用する面圧によって前記大径圧力面の半径は増加し且つ前記大径圧力面に作用する面圧が無くなると前記大径圧力面の半径は元に戻るものであり、
前記格納空間は、
前記内側支持面と前記外側支持面が対向し、前記大径案内面と前記大径圧力面が摺動嵌合し、且つ前記小径圧力面と前記小径案内面が摺動嵌合する状態に前記内側部材と前記外側部材を組み立てることにより、前記内側支持面、前記小径圧力面、前記外側支持面及び前記大径圧力面によって囲まれて構成され、
前記圧縮部材は、
前記内側支持面、前記小径圧力面、前記外側支持面及び前記大径圧力面を形成する材料に比べて、弾性係数が小さい材料を主要材料として用いて形成され、且つ前記内側支持面、前記小径圧力面、前記外側支持面及び前記大径圧力面とに摺接した状態で前記格納空間の中に前記隙間なく格納され、
前記圧縮変形量は、前記小径圧力面と前記圧縮部材の滑り、前記大径圧力面と前記圧縮部材の滑り、前記小径圧力面の半径の減少及び前記大径圧力面の半径の増加によって発現する主圧縮変形量を含む、又は、前記主圧縮変形量に加えて前記圧縮部材の体積の減少によって発現する副圧縮変形量を含むことを特徴とする、鉛直免震支承用ばね要素。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記圧縮部材は、
前記格納空間内に配置され、前記内側支持面と前記大径圧力面に摺接し、前記大径圧力面と前記大径案内面の摺動嵌合部に生じる外側隙間を塞ぎ、前記主要材料に当接し、且つ前記小径圧力面に接せず、前記外側隙間からの前記主要材料の膨出を防ぐ短中空円筒状の外側摺動部材と、
前記格納空間内に配置され、前記外側支持面と前記小径圧力面に摺接し、前記小径圧力面と前記小径案内面の摺動嵌合部に生じる内側隙間を塞ぎ、前記主要材料に当接し、且つ前記大径圧力面に接せず、前記内側隙間からの前記主要材料の膨出を防ぐ短中空円筒状の内側摺動部材とを備え、
前記外側摺動部材と前記内側摺動部材は、断面形状が異形断面であり且つ全体形状が円環状又は不連続な円環状である摺動材を、前記円環状の半径と直交する方向に重ねて前記短中空円筒状に形成したものである、請求項1記載の鉛直免震支承用ばね要素。
【請求項3】
前記圧縮部材は、
前記小径圧力面と前記内側支持面が形成する隅角部側の前記格納空間内に配置され、前記小径圧力面、前記内側支持面、及び前記外側摺動部材に摺接し、前記主要材料に当接し、前記外側摺動部材を前記大径圧力面に押し当てる環状の外側押圧部材と、
前記大径圧力面と前記外側支持面が形成する隅角部側の前記格納空間内に配置され、前記大径圧力面、前記外側支持面、及び前記内側摺動部材に摺接し、前記主要材料に当接し、前記内側摺動部材を前記小径圧力面に押し当てる環状の内側押圧部材とを備え、
前記外側押圧部材と前記内側押圧部材は、それぞれ前記内側支持面、前記小径圧力面、前記外側支持面及び前記大径圧力面を形成する材料に比べて、弾性係数が小さく且つポアソン比が大きい材料で形成されるものである、請求項2記載の鉛直免震支承用ばね要素。
【請求項4】
前記外側摺動部材及び前記内側摺動部材を、異形線材をらせん状に巻き重ねたらせん環状の摺動部材に代えたものである、請求項2又は3記載の鉛直免震支承用ばね要素。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、鉛直免震支承に用いるばね要素に関し、重要物流道路の橋梁や原子力発電施設等の重要社会基盤等に適用する、10MNを超える支持力、想定を超える過大鉛直地震動に対する安全性、50年を超える耐用年数及び設置環境への適応性を備えるばね要素に関している。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
新潟県中越地震(2004年)や熊本地震(2016年)では大きな加速度の地震動によって社会基盤等に大きな被害が発生した。これらの地震では重力加速度を超える大きさの鉛直加速度が観測されている。また、地震時において地中深部から地表面に向かう縦波によって構造物に衝撃的鉛直力が作用し、構造物に重大な損傷を与える可能性があることが指摘されている(非特許文献1参照)。地震で被災した社会の早期復旧を支えるため、重要物流道路の橋梁や原子力発電施設等の重要社会基盤はこのような過大鉛直地震動に対しても最低限の機能を維持するのが望ましい。重要社会基盤等の新設・更新に備えて、過大鉛直地震動にも対応できる地震動対策技術等の開発は必要であると考えられる。
【0003】
水平免震支承と鉛直免震支承とを組み合わせた3次元免震は重要社会基盤等の地震時安全性を飛躍的に高めることができる。積層ゴム支承などの水平免震支承は広く普及しているが、重要社会基盤等に適用する鉛直免震支承は開発途上にある。例えば、原子力発電分野では72枚の皿ばねを用いた死荷重反力10MNの鉛直免震支承が研究されている(非特許文献2参照)。この支承では荷重、変形量及び固有振動数に対応するため皿ばねを6直列・3並列に重ね、さらに4組の重ねられた皿ばねを平面的に並べて、鉛直免震支承のばね要素を構成している。この鉛直免震支承のばね要素は部品が多く、部品の多くが露出しているので、屋内環境における設置は可能であるが、防食等に係る維持管理の観点で屋外環境における設置には向いていないと考えられる。
【0004】
なお、10MN以上の力に耐えるものとは言い難いが、ゴムのような弾性体の弾性力を活かしたサスペンション装置のような技術はある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3296909号公報
【非特許文献】
【0006】
平成29、30年度土木学会関西支部調査研究委員会:都市直下地震での鉛直方向の免震構造に関する調査研究委員会-成果報告書-、(公益法人)土木学会関西支部、平成31年3月
宮川高行、他5名:3次元免震装置の研究開発 その2 3次元免震装置仕様、日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)2018年9月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
重要社会基盤等に適用する鉛直免震支承のばね要素としては、50年を超える耐用年数の期間内において稀に発生する地震動及び極稀に発生する大きな加速度を伴う地震動を受けてもばね要素は健全であり、想定を超える過大地震動に対してもばね要素に重大な損傷が生じないばね性能が求められる。ばね性能としては、最大支持力、最大変形量、ばね定数及び耐用年数などが指標である。屋外環境に設置できる等の設置環境への適応性や維持管理の難易度も重要である。常時ばね要素は上部構造物を支えているので、ばね性能に関わる部品等の交換や修理は困難を伴うことを認識する必要がある。
【0008】
鉛直免震支承のばね要素が支持する上部構造物の重さと鉛直固有振動数をそれぞれ10MNと3Hzとすると、必要とするばね定数は363kN/mmとなる。極稀な鉛直地震動に対して最大支持力は重さの1.65倍とするのが一般的であるが、想定を超える過大鉛直地震動を考慮して、最大支持力を重さの2倍として、最大支持力と最大変形量はそれぞれ20MNと55mmとなる。また、耐用年数は50年とする。このようなばね性能を実現することが可能であって、屋外環境に設置が可能であり、非特許文献2に示すような既存技術に比べて、構造が単純であり、部品数が少なく、点検・維持管理が容易であるばね要素があれば、重要社会基盤等に適用する鉛直免震支承に使用できる。ばね要素が必要な減衰性能を備えれば、ばね要素を鉛直免震支承とすることが可能である。減衰性能が不足する場合は、ばね要素と減衰装置を組み合わせて使用する必要がある。
【0009】
本願発明は、復元力と変形量を生成する仕組みが皿ばね等の従来のばね要素の仕組みと異なり、要求ばね性能を満たし、屋外環境に設置が可能であり、構造が単純であり、部品数が少なく、点検・維持管理が容易である鉛直免震支承のばね要素を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の第1の観点では、復元力と変形量を生成するために必要な最少の構成要素、各構成要素が備えるべき特徴及び変形量の特徴を示した。
(【0011】以降は省略されています)

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