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公開番号2023176312
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-13
出願番号2022088528
出願日2022-05-31
発明の名称過硫酸アンモニウムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類C25B 1/29 20210101AFI20231206BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電流効率の低下を抑制でき、効率よく過硫酸アンモニウムを製造できる方法を提供する。
【解決手段】電解槽の陽極側に硫酸アンモニウム水溶液を、陰極側に硫酸アンモニウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、及び硫酸水溶液から選ばれる少なくとも1種を供給し、陽極側に分極剤が存在する状態で電解することにより陽極側に過硫酸アンモニウムを生成する方法であって、陽極側電解液中の分極剤濃度が0.003重量%以上、0.020重量%以下となるように運転する過硫酸アンモニウムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
隔膜で隔てられた電解槽の陽極側に硫酸アンモニウム水溶液を陽極側原料として供給し、陰極側に硫酸アンモニウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、及び硫酸水溶液から選ばれる少なくとも1種を陰極側原料として供給し、陽極側に分極剤が存在する状態で電解することにより陽極側に過硫酸アンモニウムを生成する過硫酸アンモニウムの製造方法であって、陽極側電解液中の分極剤濃度が0.003重量%以上、0.020重量%以下となるように運転する過硫酸アンモニウムの製造方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記陽極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30-45重量%の範囲にある、請求項1に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項3】
前記分極剤がグアニジン、グアニジン塩、チオシアン及びチオシアン酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項4】
前記分極剤がスルファミン酸グアニジンである、請求項3に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項5】
前記陰極側原料が、硫酸アンモニウム水溶液である、請求項1~4のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項6】
前記陰極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30-45重量%の範囲にある、請求項5に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項7】
陽極側生成液を晶析し、晶析後のスラリーを固液分離して得られる母液を陽極側原料としてリサイクルする、請求項1~6のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項8】
前記母液の一部を陽極側原料としてリサイクルする、請求項7に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項9】
過硫酸アンモニウムの製造が連続方式で行われる、請求項1~8のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【請求項10】
陽極電極が白金族または導電ダイヤモンドである、請求項1~9のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸アンモニウムを原料に過硫酸アンモニウムを製造する方法に関し、とくに、過硫酸アンモニウムを効率的に製造するための製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
硫酸アンモニウムは硫安とも呼ばれ、かつては目的物として合成されていたが、現在は主にカプロラクタムやラウロラクタム、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルといった有機化学工業や石炭乾留によるコークス製造工程で副生されるものが流通している。硫酸アンモニウムはアンモニア態窒素を20%程度含有するので肥料として利用することが可能であり、前述した工程で副生した硫酸アンモニウムの大部分は肥料用として利用されている。従来、硫酸アンモニウムを副生しないカプロラクタムやアクリロニトリル、メタクリル酸メチルの製法が開発されてきた。ところがこれらの製法はプロセスが複雑であることや、既存製法からの転換が容易でないといった課題を有する。そのため、未だに多くの硫酸アンモニウムが副生している。
【0003】
一方、過硫酸アンモニウムは主に乳化重合の重合開始剤や酸化漂白剤、銅エッチング剤等で広く工業的に利用されている。過硫酸アンモニウムのこれまで知られてきた製造方法としては、特許文献1に記載されているように電解槽に隔膜として多孔質中性アルミナ隔膜を用いて、陽極側原料に分極剤としてチオシアン酸アンモニウム0.03重量%含み、陽極側原料の硫酸イオンとして硫酸アンモニウムのみを用いて製造する方法や、特許文献2に記載されているように電解槽に隔膜として陽イオン交換膜を用いて、陽極側原料に分極剤としてスルファミン酸グアニジン0.03重量%含む硫酸アンモニウム水溶液を用いて、陰極側原料の酸解離可能な水素イオン量を制御することにより、アンモニアを併産しつつ製造する方法や、特許文献3に記載されているように電解槽に隔膜として多孔質中性アルミナ隔膜を用いて、陽極側原料に分極剤としてスルファミン酸グアニジンを0.03重量%添加することでシアン化合物の生成を抑制しつつ製造する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11―293484号公報
国際公開2018/131493号
特開2000-38691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者が検討した結果、リサイクル運転を実施する際に高い濃度で分極剤を使用した場合、次第に電流効率が低下する恐れがあることが判明した。そのため、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示された方法では、高い濃度で分極剤を使用しているためリサイクル運転した際に電流効率が低下するという課題があった。
【0006】
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術に鑑み、過硫酸アンモニウムを製造する際の電流効率の低下を抑制でき、効率よく過硫酸アンモニウムを製造できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法は、以下の通りである。
(1)隔膜で隔てられた電解槽の陽極側に硫酸アンモニウム水溶液を陽極側原料として供給し、陰極側に硫酸アンモニウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、及び硫酸水溶液から選ばれる少なくとも1種を陰極側原料として供給し、陽極側に分極剤が存在する状態で電解することにより陽極側に過硫酸アンモニウムを生成する過硫酸アンモニウムの製造方法であって、陽極側電解液中の分極剤濃度が0.003重量%以上、0.020重量%以下となるように運転する過硫酸アンモニウムの製造方法。
(2)前記陽極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30-45重量%の範囲にある、(1)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(3)前記分極剤がグアニジン、グアニジン塩、チオシアン及びチオシアン酸塩から選ばれる少なくとも1種である、(1)または(2)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(4)前記分極剤がスルファミン酸グアニジンである、(3)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(5)前記陰極側原料が、硫酸アンモニウム水溶液である、(1)~(4)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(6)前記陰極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30-45重量%の範囲にある、(5)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(7)陽極側生成液を晶析し、晶析後のスラリーを固液分離して得られる母液を陽極側原料としてリサイクルする、(1)~(6)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(8)前記母液の一部を陽極側原料としてリサイクルする、(7)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(9)過硫酸アンモニウムの製造が連続方式で行われる、(1)~(8)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(10)陽極電極が白金族または導電ダイヤモンドである、(1)~(9)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(11)前記陽極側原料及び陰極側原料に含まれる硫酸アンモニウムがラクタム製造工程で副生されたものを含む、(1)~(10)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(12)陰極側で生成するアンモニアをラクタム製造工程で利用する、(1)~(11)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法によれば、過硫酸アンモニウムを長時間製造する際の電流効率の低下を抑制でき効率よく製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1で行った過硫酸アンモニウム製造プロセスを示す模式図である。
実施例2で行った過硫酸アンモニウム製造プロセスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明について、実施の形態とともにさらに詳細に説明する。
本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法は、硫酸アンモニウムを電解して過硫酸アンモニウムを製造する方法において、陽極側生成液から過硫酸アンモニウムを析出させ、晶析後のスラリーを固液分離して得られる母液を陽極側原料としてリサイクル(以後リサイクル運転)する際に陽極側電解液中の分極剤濃度を一定の範囲内に制御することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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