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公開番号2023158781
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-31
出願番号2022068763
出願日2022-04-19
発明の名称船舶推進機および船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人個人
主分類B63H 21/21 20060101AFI20231024BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることが可能な船舶推進機および船舶を提供する。
【解決手段】この船外機101は、エンジン1と、エンジン回転数の吹け上がりを検出する回転数検出部4と、エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部5と、を備え、制御部5は、回転数検出部4の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく回転数検出部4の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する後続失火制御を行う。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンと、
エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、
前記エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバレブとなる最初の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記エンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、前記最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いて前記オーバレブとなる後続の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている、船舶推進機。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記エンジン回転数が前記エンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から前記第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、前記最初失火制御を開始するように構成されている、請求項1に記載の船舶推進機。
【請求項3】
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記吹け上がり検出部の検出結果に基づいて、前記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、前記オーバレブとなる前記最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったとして、前記気筒を失火するように構成されている、請求項1に記載の船舶推進機。
【請求項4】
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、前記最初失火制御を終了して、前記後続失火制御を開始するように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。
【請求項5】
前記制御部は、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。
【請求項6】
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が所定の変化率以下に変化した場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。
【請求項7】
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が0以下に変化した場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項6に記載の船舶推進機。
【請求項8】
前記エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数が第2回転数を超えた場合に、または、前記エンジン回転数が前記第2回転数よりも大きくなった後に前記第2回転数以下となった場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。
【請求項9】
前記エンジンは、複数の前記気筒を含み、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であると判断した場合に、すべての前記気筒を失火するように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。
【請求項10】
前記エンジンは、複数の前記気筒を含み、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であると判断した場合に、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が大きい程、失火する前記気筒の数を増加させるように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジン回転数を失火により抑制する制御を行う制御部を備える船舶推進機および船舶に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、エンジン回転数を失火により抑制する制御を行う制御部を備える船舶推進機および船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、4気筒のエンジンと、エンジン回転速度を検出する回転速度検出部と、エンジン回転速度を失火により抑制する制御を行う制御部とを備える船舶推進機が開示されている。上記制御部は、プロペラが気中に現れた場合などにおいて、エンジン回転速度が急に上昇するオーバーレブの吹け上がりを抑制するために、エンジン回転速度の変化率を考慮した制御と、エンジン回転速度の変化率に関わらずエンジン回転速度を考慮した制御とを行うように構成されている。
【0004】
詳細には、上記制御部は、オーバーレブの際に、エンジン回転速度(エンジン回転数)の変化率が所定値以上になったことに基づいてすべての気筒を失火させてエンジン回転速度を抑制する制御と、エンジン回転速度に応じて失火する気筒数を変化させてエンジン回転速度を抑制する制御との2つの制御を行うように構成されている。上記制御部は、オーバーレブが継続する間において、上記2つの制御の両方を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-86559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の船外機では、制御部がエンジン回転速度(エンジン回転数)の変化率を考慮して失火を行うように構成されていることから、特にエンジン回転速度の変化率が大きくなりやすくエンジン回転速度が急に上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりを抑制することができたとしても、オーバーレブの最初の吹け上がり以降のオーバーレブの後続の吹け上がりにおいても、エンジン回転速度の変化率に基づいて不要な失火を行う場合がある。すなわち、オーバーレブの後続の吹け上がりでは、最初の吹け上がりと比較して、エンジン回転速度の変化率が小さくなりやすいが、一時的にエンジン回転速度の変化率が大きくなる場合があり、このような場合にもすべての気筒を失火させる制御が行われることによって、一時的にエンジン回転速度が大きく低下してエンジン回転速度の変動が不安定になる(変動幅が大きくなる)ことがある。このため、従来より、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転速度を安定させることが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることが可能な船舶推進機および船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船舶推進機は、エンジンと、エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を備え、制御部は、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている。
【0009】
この第1の局面による船舶推進機では、上記のように、制御部を、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成する。これによって、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がり、および、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりを、互いに異なる制御である最初失火制御および後続失火制御により抑制することができる。すなわち、特にエンジン回転数の変化率が急に大きくなりやすくエンジン回転数が上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりに向けた失火制御と、後続の吹け上がりに向けた失火制御とを明確に切り分けることができる。また、後続失火制御ではエンジン回転数の変化率を考慮した気筒の失火が行われることがないため、後続のエンジン回転数の吹け上がりを抑制する際に、従来のような不要な失火が行われるのを抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることができる。
【0010】
上記第1の局面による船舶推進機において、好ましくは、エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、制御部は、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、最初失火制御を開始するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったことにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりの発生を容易に予測して、最初失火制御を開始することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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