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公開番号2024032522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022136210
出願日2022-08-29
発明の名称浮体式基礎の進水方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類B63C 3/06 20060101AFI20240305BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】ドックにて製作されたコンクリート製の浮体式基礎の安定的かつ効率的な台船への搬送と水中への進水を実現できる、浮体式基礎の進水方法を提供する。
【解決手段】洋上風車80のタワー82を支持する、浮体式基礎の進水方法であり、浮体式基礎70を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の架台40の上で製作し、複数の分割体を複数の架台40の上で接続して製作した浮体式基礎70を、複数の架台40とともに搬送手段30によって水上の台船90に搬送する搬送工程と、台船90を潜水させ、浮体式基礎70を水中に進水させる進水工程とを有する。
【選択図】図13
特許請求の範囲【請求項1】
洋上風車のタワーを支持する、浮体式基礎の進水方法であって、
前記浮体式基礎を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の架台の上で製作し、複数の該分割体を複数の該架台の上で接続して製作した前記浮体式基礎を、複数の該架台とともに搬送手段によって水上の台船に搬送する、搬送工程と、
前記台船を潜水させ、前記浮体式基礎を水中に進水させる、進水工程とを有することを特徴とする、浮体式基礎の進水方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記搬送手段が、前記架台を持ち上げて地切りする揚重機構を備えた、自走式台車である場合に、前記搬送工程に続いて、該搬送手段を前記台船から岸壁へ回収する、回収工程をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の浮体式基礎の進水方法。
【請求項3】
前記搬送工程では、複数の前記架台を一体に連結した後に前記台船に搬送することを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の進水方法。
【請求項4】
前記搬送工程では、複数の前記架台を前記台船に固定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の進水方法。
【請求項5】
前記搬送工程に続いて、前記台船に搭載されている前記浮体式基礎に対して前記タワーを接続して洋上風車を製作する、洋上風車製作工程をさらに有することを特徴とする、請求項4に記載の浮体式基礎の進水方法。
【請求項6】
前記台船は、バラスト室を備えており、
前記台船の潜水は、前記バラスト室への注水により行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の進水方法。
【請求項7】
前記台船は、昇降機構を備えた支持脚を有しており、
前記台船の潜水は、前記支持脚の降下により行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の進水方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式基礎の進水方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出量削減を目的として、再生可能エネルギーの需要が高まっている。再生可能エネルギーには、例えば、太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス等がある。風力発電施設は、風車による騒音や振動が生活環境に影響を及ぼす場合があり、居住空間等への影響を十分に考慮する必要があることから、居住区域から離れた山間部などに設置されることが多い。
しかしながら、大型の風車を設置する用地を山間部に確保することは難しく、また、風力発電施設までの交通路の確保や、送電線等の設置等も困難であることから、風力発電施設を構成する洋上風車を海上(水上や湖上を含む)に設置するための技術開発が進められている。
海上に洋上風車を構築する場合、その基礎として浮体式基礎を採用する場合があり、この浮体式基礎には、セミサブマージブル型やスパー型、パージ型、TLP(Tension Leg Platform:緊張係留式プラットフォーム)型等が存在する。この中でも、セミサブマージブル型基礎(半潜水浮体式基礎)は、風車のタワー(支柱)を支持するセンターカラムと、センターカラムの周囲に間隔を置いて配設されている複数(3基もしくは4基)のサイドカラムと、センターカラムとサイドカラムとを連結するポンツーンとを有し、波浪や海風に対して優れた安定性を奏し得ることから、比較的実績の多い基礎である。
【0003】
従来の浮体式基礎は、鋼材により製作されている形態が一般的であるため、製作コストの高騰が課題の一つとなっており、浮体式基礎の規模が大きくなるに従い、この課題は一層顕著になる。
そこで、コンクリート製の浮体式基礎をドックにて製作し、海上へ曳航して設置することにより、製作コストの低減を図ることができるものの、現状、ドックにて製作されたコンクリート製の浮体式基礎の安定的かつ効率的な台船への搬送と水中への進水方法が確立されていないことから、安定的かつ効率的な台船への搬送と水中への進水を実現できる、浮体式基礎の進水方法が望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を、地盤上に設置された台座を基礎として台座上に構築されたジャッキ付き架台にて組み立てる、タワー組立方法が提案されている。
一方、特許文献2には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を洋上で組み立てて据え付ける、洋上風車の据付方法が提案されており、この据付方法は、洋上風車の基礎となるケーソンを洋上風車の設置位置に設置するケーソン設置工程と、ケーソンにて複数のタワー部材を組み立てる組立工程と、最上段のタワー部材に取り付けられたナセルに、ケーソンにてブレードを取り付けるブレード取付工程とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-80852号公報
特開2021-76043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2には、効率的なタワーの組立方法に関する記載はあるものの、上記するように、ドックにて製作されたコンクリート製の浮体式基礎を安定的かつ効率的に台船に搬送して水中へ進水させる技術に関する記載はない。
【0007】
本発明は、ドックにて製作されたコンクリート製の浮体式基礎の安定的かつ効率的な台船への搬送と水中への進水を実現できる、浮体式基礎の進水方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による浮体式基礎の進水方法の一態様は、
洋上風車のタワーを支持する、浮体式基礎の進水方法であって、
前記浮体式基礎を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の架台の上で製作し、複数の該分割体を複数の該架台の上で接続して製作した前記浮体式基礎を、複数の該架台とともに搬送手段によって水上の台船に搬送する、搬送工程と、
前記台船を潜水させ、前記浮体式基礎を水中に進水させる、進水工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、浮体式基礎を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の製作ヤードにある架台の上で製作し、複数の分割体を架台とともに搬送手段にて接続ヤードに搬送し、接続ヤードにて各分割体を架台の上で接続して浮体式基礎を製作した後、複数の架台とともに浮体式基礎を搬送手段によって水上の台船に搬送することにより、浮体式基礎の台船への効率的な搬送を実現でき、台船への搬送後は、洋上の所定位置まで浮体式基礎を曳航して水中に進水させることにより、浮体式基礎の安定的かつスムーズな進水を実現できる。
また、浮体式基礎を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の製作ヤードにある架台の上で製作した後、複数の分割体を架台とともに搬送手段にて接続ヤードに搬送し、接続ヤードにて各分割体を架台の上で接続して浮体式基礎を製作することにより、ドックにおけるコンクリート製の浮体式基礎の効率的な製作も同時に実現できる。
【0010】
ここで、コンクリート製の分割体とは、鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)製のセンターカラムやサイドカラム、ポンツーンのことを意味しており、より詳細には、センターカラムの構成要素やサイドカラムの構成要素、ポンツーンの構成要素のことを意味している。尚、RC構造を主たる構造形式とした上で、鋼材(S:Steel)が含まれるSRC(Steel Reinforced Concrete)構造も、本明細書では「コンクリート製」に含まれるものとする。
これらの分割体を固有の架台の上で製作することにより、製作された分割体を架台とともに搬送手段にて接続ヤードへ搬送する際の搬送性が良好になる。さらに、接続ヤードでは、各分割体がそれぞれに固有の架台の上に搭載された状態で、分割体同士の接続を行い、さらに複数の架台とともに浮体式基礎を台船へ搬送することから、接続ヤードにおける接続性と台船への搬送性がともに良好になり、各製作ヤードから製作ヤードへの良好な搬送性と、接続ヤードにおける良好な接続性、台船への良好な搬送性が相俟って、浮体式基礎の効率的な製作及び台船への搬送と、台船を利用した浮体式基礎の進水に繋がる。
接続ヤードでは、各分割体同士をPC(Prestressed Concrete)鋼棒やPC鋼線等の緊張材にて緊張することにより、浮体式基礎が製作される。すなわち、各製作ヤードにて、架台の上でコンクリート製の分割体がPCa(Precast Concrete)体として製作され、接続ヤードでは架台に搭載された各PCa体(分割体)が緊張材にて緊張されることにより、PCaPC(Precast Prestressed Concrete)製の浮体式基礎が製作される。
(【0011】以降は省略されています)

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