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公開番号2024032526
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022136214
出願日2022-08-29
発明の名称浮体式基礎の製作方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類B63B 73/30 20200101AFI20240305BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】重量のあるコンクリート製のセミサブマージブル型基礎を安定的かつスムーズに台船に搬送できる、浮体式基礎の製作方法を提供する。
【解決手段】洋上風車のタワーを支持するセミサブマージブル型基礎70である、浮体式基礎の製作方法であり、少なくとも、センターカラム基礎71とサイドカラム基礎73とポンツーン70Cをそれぞれ分割体としてそれぞれの製作ヤードにおける架台40の上で製作する分割体製作工程、それぞれの分割体を搭載したそれぞれの架台40を多軸台車により接続ヤードに搬送する分割体搬送工程、分割体同士を相互に接続して浮体式基礎70を製作する接続工程を有し、それぞれの多軸台車の車体軸方向を、3方向もしくは4方向のポンツーン軸方向の少なくともいずれか一つの方向に平行もしくは直交するようにして各多軸台車を配設し、全ての車輪を同一方向もしくは略同一方向に制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリート製のセンターカラムと、該センターカラムを中心として3方向又は4方向に間隔を置いて配設されている、複数のコンクリート製のサイドカラムと、該センターカラムと各サイドカラムを繋ぐ複数のコンクリート製のポンツーンとを有し、該センターカラムは、センターカラム基礎と、該センターカラム基礎から立ち上がるセンタータワーとを備え、該サイドカラムは、サイドカラム基礎と、該サイドカラム基礎から立ち上がるサイドタワーとを備え、洋上風車のタワーを支持するセミサブマージブル型基礎である、浮体式基礎の製作方法であって、
少なくとも、前記センターカラム基礎と、前記サイドカラム基礎と、前記ポンツーンをそれぞれ分割体として、各分割体をそれぞれの製作ヤードにおける架台の上で製作する、分割体製作工程と、
それぞれの前記分割体を搭載したそれぞれの前記架台の下に、それぞれに固有の多軸台車を配設し、該多軸台車の荷台を上げることで該架台の地切りを行い、該多軸台車により接続ヤードに搬送する、分割体搬送工程と、
前記接続ヤードにおいて、それぞれの前記分割体が前記架台に搭載された状態で該分割体同士を相互に接続して前記浮体式基礎を製作する、接続工程とを有し、
前記多軸台車は、長尺の車体に対して左右一対の車輪を車体軸方向に複数対備え、全ての該車輪が該車体に対して回動自在に装着され、該車体の上にある前記荷台が揚重機構により昇降自在に装着されており、
前記接続工程では、それぞれの前記多軸台車の車体軸方向を、前記3方向もしくは前記4方向のポンツーン軸方向の少なくともいずれか一つの方向に平行もしくは直交するようにして各多軸台車を配設し、全ての前記多軸台車の全ての車輪を同一方向もしくは略同一方向に制御することを特徴とする、浮体式基礎の製作方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
コンクリート製のセンターカラムと、該センターカラムを中心として3方向又は4方向に間隔を置いて配設されている、複数のコンクリート製のサイドカラムと、該センターカラムと各サイドカラムを繋ぐ複数のコンクリート製のポンツーンとを有し、該センターカラムは、センターカラム基礎と、該センターカラム基礎から立ち上がるセンタータワーとを備え、該サイドカラムは、サイドカラム基礎と、該サイドカラム基礎から立ち上がるサイドタワーとを備え、洋上風車のタワーを支持するセミサブマージブル型基礎である、浮体式基礎の製作方法であって、
少なくとも、前記センターカラム基礎と、前記サイドカラム基礎と、前記ポンツーンをそれぞれ分割体として、各分割体をそれぞれの製作ヤードにおける架台の上で製作する、分割体製作工程と、
それぞれの前記分割体を搭載したそれぞれの前記架台の下に、それぞれに固有の多軸台車を配設し、該多軸台車の荷台を上げることで該架台の地切りを行い、該多軸台車により接続ヤードに搬送する、分割体搬送工程と、
前記接続ヤードにおいて、それぞれの前記分割体が前記架台に搭載された状態で該分割体同士を相互に接続して前記浮体式基礎を製作する、接続工程とを有し、
前記多軸台車は、長尺の車体に対して左右一対の車輪を車体軸方向に複数対備え、全ての該車輪が該車体に対して回動自在に装着され、該車体の上にある前記荷台が揚重機構により昇降自在に装着されており、
前記接続工程では、全ての前記多軸台車の車体軸方向を同一方向もしくは略同一方向に設定することを特徴とする、浮体式基礎の製作方法。
【請求項3】
前記接続工程が、
前記センターカラム基礎に対して前記センタータワーを接続する、センタータワー接続工程と、
前記サイドカラム基礎に対して前記サイドタワーを接続する、サイドタワー接続工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の製作方法。
【請求項4】
前記分割体製作工程が、
前記センターカラム基礎に対して前記センタータワーを接続する、センタータワー接続工程と、
前記サイドカラム基礎に対して前記サイドタワーを接続する、サイドタワー接続工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の浮体式基礎の製作方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式基礎の製作方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出量削減を目的として、再生可能エネルギーの需要が高まっている。再生可能エネルギーには、例えば、太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス等がある。風力発電施設は、風車による騒音や振動が生活環境に影響を及ぼす場合があり、居住空間等への影響を十分に考慮する必要があることから、居住区域から離れた山間部などに設置されることが多い。
しかしながら、大型の風車を設置する用地を山間部に確保することは難しく、また、風力発電施設までの交通路の確保や、送電線等の設置等も困難であることから、風力発電施設を構成する洋上風車を海上(水上や湖上を含む)に設置するための技術開発が進められている。
海上に洋上風車を構築する場合、その基礎として浮体式基礎を採用する場合があり、この浮体式基礎には、セミサブマージブル型やスパー型、パージ型、TLP(Tension Leg Platform:緊張係留式プラットフォーム)型等が存在する。この中でも、セミサブマージブル型基礎(半潜水浮体式基礎)は、風車のタワー(支柱)を支持するセンターカラムと、センターカラムの周囲に間隔を置いて配設されている複数(3基もしくは4基)のサイドカラムと、センターカラムとサイドカラムとを連結するポンツーンとを有し、波浪や海風に対して優れた安定性を奏し得ることから、比較的実績の多い基礎である。
【0003】
従来の浮体式基礎は、鋼材により製作されている形態が一般的であるため、製作コストの高騰が課題の一つとなっており、浮体式基礎の規模が大きくなるに従い、この課題は一層顕著になる。
そこで、コンクリート製のセミサブマージブル型基礎をドックにて製作し、海上へ曳航して設置することにより、製作コストの低減を図ることができるものの、現状、ドックにおけるコンクリート製のセミサブマージブル型基礎の効率的な製作方法が確立されていないことから、効率的な製作を実現できる浮体式基礎の製作方法が望まれる。
さらに、ドックにて製作された重量のあるコンクリート製のセミサブマージブル型基礎を、例えば岸壁に係留されている台船に搬送するロードアウトの際に、安定的かつスムーズに搬送する技術も望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を、地盤上に設置された台座を基礎として台座上に構築されたジャッキ付き架台にて組み立てる、タワー組立方法が提案されている。
一方、特許文献2には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を洋上で組み立てて据え付ける、洋上風車の据付方法が提案されており、この据付方法は、洋上風車の基礎となるケーソンを洋上風車の設置位置に設置するケーソン設置工程と、ケーソンにて複数のタワー部材を組み立てる組立工程と、最上段のタワー部材に取り付けられたナセルに、ケーソンにてブレードを取り付けるブレード取付工程とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-80852号公報
特開2021-76043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2には、効率的なタワーの組立方法に関する記載はあるものの、上記するように、ドックにおいてコンクリート製のセミサブマージブル型の浮体式基礎を効率的に製作する技術や、重量のあるコンクリート製のセミサブマージブル型基礎を、台船に搬送するロードアウトの際に、安定的かつスムーズに搬送する技術に関する記載はない。
【0007】
本発明は、ドックにおけるコンクリート製のセミサブマージブル型の浮体式基礎の効率的な製作を実現でき、重量のあるコンクリート製のセミサブマージブル型基礎を安定的かつスムーズに台船に搬送できる、浮体式基礎の製作方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による浮体式基礎の製作方法の一態様は、
コンクリート製のセンターカラムと、該センターカラムを中心として3方向又は4方向に間隔を置いて配設されている、複数のコンクリート製のサイドカラムと、該センターカラムと各サイドカラムを繋ぐ複数のコンクリート製のポンツーンとを有し、該センターカラムは、センターカラム基礎と、該センターカラム基礎から立ち上がるセンタータワーとを備え、該サイドカラムは、サイドカラム基礎と、該サイドカラム基礎から立ち上がるサイドタワーとを備え、洋上風車のタワーを支持するセミサブマージブル型基礎である、浮体式基礎の製作方法であって、
少なくとも、前記センターカラム基礎と、前記サイドカラム基礎と、前記ポンツーンをそれぞれ分割体として、各分割体をそれぞれの製作ヤードにおける架台の上で製作する、分割体製作工程と、
それぞれの前記分割体を搭載したそれぞれの前記架台の下に、それぞれに固有の多軸台車を配設し、該多軸台車の荷台を上げることで該架台の地切りを行い、該多軸台車により接続ヤードに搬送する、分割体搬送工程と、
前記接続ヤードにおいて、それぞれの前記分割体が前記架台に搭載された状態で該分割体同士を相互に接続して前記浮体式基礎を製作する、接続工程とを有し、
前記多軸台車は、長尺の車体に対して左右一対の車輪を車体軸方向に複数対備え、全ての該車輪が該車体に対して回動自在に装着され、該車体の上にある前記荷台が揚重機構により昇降自在に装着されており、
前記接続工程では、それぞれの前記多軸台車の車体軸方向を、前記3方向もしくは前記4方向のポンツーン軸方向の少なくともいずれか一つの方向に平行もしくは直交するようにして各多軸台車を配設し、全ての前記多軸台車の全ての車輪を同一方向もしくは略同一方向に制御することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、浮体式基礎を形成する複数のコンクリート製の分割体を、それぞれに固有の製作ヤードにある架台の上で製作した後、分割体を搭載したそれぞれの架台の下に多軸台車を配設し(入り込ませ)、多軸台車の荷台を上げることで架台の地切りを行い、多軸台車により分割体を架台とともに接続ヤードに搬送し、接続ヤードにて各分割体を複数の架台の上で接続して浮体式基礎を製作することにより、ドックにおけるコンクリート製の浮体式基礎の効率的な製作を実現できる。
さらに、接続ヤードにおける分割体同士の接続に際して、それぞれの多軸台車の車体軸方向を、3方向もしくは4方向のポンツーン軸方向の少なくともいずれか一つの方向に平行もしくは直交するようにして各多軸台車を配設した上で、全ての多軸台車の全ての車輪を同一方向もしくは略同一方向に制御することにより、各多軸台車の車体軸方向を一定の方向に規制することなく、スムーズに所望のロードアウト方向へ移動させることができ、架台を含む浮体式基礎を安定的かつスムーズに台船へ搬送し、積載することができる。
【0010】
ここで、コンクリート製の分割体とは、鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)製のセンターカラムやサイドカラム、ポンツーンのことを意味しており、より詳細には、センターカラムの構成要素やサイドカラムの構成要素、ポンツーンの構成要素のことを意味している。尚、RC構造を主たる構造形式とした上で、鋼材(S:Steel)が含まれるSRC(Steel Reinforced Concrete)構造も、本明細書では「コンクリート製」に含まれるものとする。
これらの分割体を固有の架台の上で製作することにより、製作された分割体を架台とともに搬送手段にて接続ヤードへ搬送する際の搬送性が良好になる。さらに、接続ヤードでは、各分割体がそれぞれに固有の架台の上に搭載された状態で、分割体同士の接続を行うことにより、接続ヤードにおける接続性も良好になり、各製作ヤードから接続ヤードへの良好な搬送性と、接続ヤードにおける良好な接続性が相俟って、浮体式基礎の効率的な製作に繋がる。
(【0011】以降は省略されています)

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