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公開番号
2024166089
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024068131
出願日
2024-04-19
発明の名称
震度推定システム
出願人
大成建設株式会社
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
G01V
1/01 20240101AFI20241121BHJP(測定;試験)
要約
【課題】任意の地点における震度を、精度よく推定する。
【解決手段】震度推定システム1は、加速度センサ11及び磁気センサ12が内蔵されたスマートデバイス10を用いた震度推定システム1であって、磁気センサ12による計測結果を基に、スマートデバイス10が地震により静止した状態から移動したか否かを判定し、移動したと判定した場合には、移動した時間区間である移動区間を特定する、移動判定部24と、スマートデバイス10が移動したと判定された場合に、加速度センサ11で観測された加速度波形の、移動区間における部分を補正し、補正加速度波形を生成する、加速度波形補正部25と、補正加速度波形を基に震度階級を推定する、震度階級推定部26と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
加速度センサ及び磁気センサが内蔵されたスマートデバイスを用いた震度推定システムであって、
前記磁気センサによる計測結果を基に、前記スマートデバイスが地震により静止した状態から移動したか否かを判定し、移動したと判定した場合には、移動した時間区間である移動区間を特定する、移動判定部と、
前記スマートデバイスが移動したと判定された場合に、前記加速度センサで観測された加速度波形の、前記移動区間における部分を補正し、補正加速度波形を生成する、加速度波形補正部と、
前記補正加速度波形を基に震度階級を推定する、震度階級推定部と、
を備えることを特徴とする震度推定システム。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記移動判定部は、
前記磁気センサによる前記計測結果である磁束密度の時刻歴波形において、前記磁束密度の平均値の地震の前後における変化量が移動判定閾値以上である場合に、前記スマートデバイスが移動したと判定し、
前記スマートデバイスが移動したと判定した場合には、前記磁束密度の前記時刻歴波形において、時刻を進めつつ当該時刻を基点として所定の時間間隔内における標準偏差を計算し、前記標準偏差が移動区間判定閾値以上となった場合に、当該時刻を基点とした前記時間間隔の終了時刻を、前記移動区間の開始時刻として設定し、前記標準偏差が前記移動区間判定閾値より小さくなった場合に、当該時刻を基点とした前記時間間隔の開始時刻を、前記移動区間の終了時刻として設定することを特徴とする、請求項1に記載の震度推定システム。
【請求項3】
前記移動判定部は、
前記磁気センサによる、前記スマートデバイスの画面と平行な面内で互いに直交する第1方向及び第2方向の各々における成分の前記計測結果を基に、前記スマートデバイスが水平方向に移動したか否かを判定し、水平方向に移動したと判定した場合には、水平方向における前記移動区間である水平移動区間を特定し、
前記磁気センサによる、前記画面に直交する直交方向における成分の前記計測結果を基に、前記スマートデバイスが上下方向に移動したか否かを判定し、上下方向に移動したと判定した場合には、上下方向における前記移動区間である上下移動区間を特定することを特徴とする、請求項1または2に記載の震度推定システム。
【請求項4】
前記加速度波形補正部は、前記スマートデバイスが水平方向に移動したと判定された場合に、前記水平移動区間において、前記加速度波形の、前記第1方向及び前記第2方向の各々における成分の、振幅が一定となる部分を、正弦波による曲線あてはめ処理によって補完して、前記第1方向及び前記第2方向における前記補正加速度波形を生成し、
前記加速度波形補正部は、前記補正加速度波形を基にした波形の、各時刻において、
前記第1方向、前記第2方向、及び前記直交方向の各々における成分を合成して成分合成加速度を計算し、
当該時刻が前記上下移動区間内であり、前記成分合成加速度が落下判定閾値以上であれば、当該時刻においては前記スマートデバイスが落下状態にあると見做して、前記補正加速度波形を基にした波形の、前記第1方向、前記第2方向、及び前記直交方向の各々における成分を0として、前記成分合成加速度を再度計算し、
当該時刻が前記上下移動区間内であり、前記成分合成加速度が落下判定閾値より小さければ、当該時刻においては前記スマートデバイスが上下に細かく弾んでいる状態にあると見做して、前記補正加速度波形を基にした波形の前記直交方向における成分を0として、前記成分合成加速度を再計算し、
前記震度階級推定部は、前記成分合成加速度を基に、前記震度階級を推定する
ことを特徴とする、請求項3に記載の震度推定システム。
【請求項5】
前記加速度センサで観測された前記加速度波形を基に、
地震時に前記スマートデバイスが水平に載置されているほど良好な結果となる、載置状況評価指標と、
地震時に前記スマートデバイスが落下していなければ良好な結果となる、落下有無評価指標と、
地震時における前記スマートデバイスの変位量が小さいほど良好な結果となる、変位量評価指標と、
の各々を評価し、前記載置状況評価指標、前記落下有無評価指標、及び前記変位量評価指標の各々の評価結果を基に、前記震度階級推定部により推定された前記震度階級の信頼性を評価する、震度階級信頼性評価部を更に備えている
ことを特徴とする、請求項1に記載の震度推定システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサ及び磁気センサが内蔵されたスマートデバイスを用いた震度推定システムに関する。
続きを表示(約 5,000 文字)
【背景技術】
【0002】
地震が生じた際に、広い範囲内に位置する複数の地点の各々における、震度を推定することが行われている。
例えば、特許文献1には、複数のタイル画像ファイルを記憶する記憶部と、地震ID種別符号と地震基本データとタイル画像ファイルの記憶位置とを格納する地震情報テーブルと、地震ID種別符号と計測震度と当該計測震度が推計される区画を表すデータとを格納する推計震度分布テーブルと、地震ID種別符号と計測震度と当該計測震度の観測点を表すデータとを格納する観測点震度テーブルとを含むデータベースと、推計震度分布テーブルまたは観測点震度テーブルが更新された場合に、タイル画像ファイルを複数生成して記憶部に展開するタイル画像ファイル生成部と、地震ID種別符号と記憶位置を表すデータを出力する地震検索部と、地震ID種別符号と計測震度とを表すデータを出力する震度検索部とを備える、震度情報提供装置が開示されている。
特許文献1において、タイル画像は、各タイル画像の範囲に対して推定された震度の値を表す色で色づけされている。タイル画像には、当該タイル画像の範囲に震度を観測した観測点が含まれている場合に、当該観測点に対応する位置に、震度の値を表す数字を含んだ図形が描かれている。震度を表すタイル画像は、ユーザ端末に、地図画像と重ねて表示される。
【0003】
地震が生じた際に、例えば建物の被害状況を推定しようとする場合には、当該建物が設けられた地点の震度が、より正確に、取得されるのが望ましい。これに関し、特許文献1の構成においては、建物が設けられた地点を入力したとしても、当該地点ではなく、当該地点を含む大きなメッシュ全体の震度が取得される。このため、特許文献1の構成においては、建物の被害状況の推定のために使用する震度として、精度が十分に高い値は得られない。
これに対し、任意の地点における震度を精度よく推定するためには、多くの地震計を高密度に設置することが考えられる。しかし、地震計を多く設置するにはコストが嵩む。そこで、多くの人間が所有する、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスに備えられる加速度センサを地震計の代替とし、スマートデバイスを用いて地震を検知する構成とすることで、地震の観測密度を高めることが検討されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、評価対象における地震の揺れに関する評価を行う評価システムが開示されている。当該評価システムは、評価対象に設けられている端末装置で特定した、評価対象における地震の揺れを示す第1情報と、評価対象の周囲に設けられている端末装置で特定した評価対象の周囲における地震の揺れを示す第2情報とを取得する取得手段と、取得手段が取得した第1情報及び第2情報に基づいて、評価対象における前記地震の揺れに関する評価を行う評価手段と、を備えている。端末装置は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。
【0005】
また、特許文献3には、階層を有する構造物内の高さ方向に配置され近隣の携帯端末機に向けて各々の高さ位置を報知する多数の高度報知器と、自機の振動を検出するセンサを備えるとともに自機の現在地及び高度を取得する位置情報取得部を備えた複数のスマートフォンと、スマートフォンの姿勢を検出しその姿勢の継続時間に基づいてセンサによる振動の検出を開始させる観測制御部と、振動の検出を開始したスマートフォンの数、及びそれぞれの現在位置を取得するとともに、各携帯端末のセンサによる検出結果を収集する情報収集部と、情報収集部が収集した検出結果に基づいて、振動を検出したスマートフォン本体の数が所定数を超えたときに地震による振動であると判定する判定部とを備える構成が開示されている。
【0006】
しかし、地震が生じた際に、スマートデバイスが、精度よく、地震動を観測できるとは限らない。例えばスマートデバイスが机上に置かれている状況において地震が生じた場合に、地震が小さければ、スマートデバイスと机の間の摩擦力によりスマートデバイスは机に追従して動き、机に対して相対移動しないため、地震動を精度よく観測することができる。しかし、スマートデバイスと机の間の摩擦力を越える力がスマートデバイスに作用する程度に、地震が大きければ、スマートデバイスは机に対して相対移動して滑動し、あるいは机から落下することがある。このような場合には、スマートデバイスは、地震動を精度よく観測することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-133996号公報
特開2020-193935号公報
国際公開第2018/174296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、任意の地点における震度を、精度よく推定することができる、震度推定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、加速度センサ及び磁気センサが内蔵されたスマートデバイスを用いた震度推定システムであって、前記磁気センサによる計測結果を基に、前記スマートデバイスが地震により静止した状態から移動したか否かを判定し、移動したと判定した場合には、移動した時間区間である移動区間を特定する、移動判定部と、前記スマートデバイスが移動したと判定された場合に、前記加速度センサで観測された加速度波形の、前記移動区間における部分を補正し、補正加速度波形を生成する、加速度波形補正部と、前記補正加速度波形を基に震度階級を推定する、震度階級推定部と、を備えることを特徴とする震度推定システムを提供する。
机上等に載置されて静止していたスマートデバイスは、地震時において、スマートデバイスと、スマートデバイスが設置された設置表面との間の静止摩擦力を越える力がスマートデバイスに作用する程度に地震が大きければ、設置表面に対して滑動することがある。あるいは、スマートデバイスは、設置表面に対して上下に細かく弾むようにバウンドしたり、設置表面上を滑動した後に、設置表面から下方に落下したりすることがある。このように、スマートデバイスが地震により静止した状態から移動する際には、少なからず、スマートデバイスが置かれた方向すなわち姿勢の変化を伴う。
このような挙動をスマートデバイスが示す際には、スマートデバイスの挙動は設置表面の挙動に追従したものとはなっていないため、スマートデバイスに設けられた加速度センサによって観測された加速度波形は、地震を正常に観測したものとはなっていない。
ここで、上記のような構成においては、スマートデバイスに設けられた磁気センサによる計測結果を使用する。スマートデバイスが地震により静止した状態から移動して姿勢が変化すれば、その挙動は、磁気センサによる計測結果に反映される。このため、スマートデバイスに設けられた磁気センサによる計測結果を用いて、スマートデバイスが移動したか否かを判定し、スマートデバイスが移動した時間区間である移動区間を特定することができる。
このようにして特定された移動区間は、スマートデバイスの挙動が設置表面の挙動に追従していない区間であり、換言すれば、加速度センサによって、地震が正常に観測されなかった時間区間である。上記のような構成においては、加速度波形の、移動区間における部分を補正して、補正加速度波形を生成し、これを基に震度階級を推定する。このように、地震が正常に観測されなかった時間区間の加速度波形が適切に補正されるため、スマートデバイスが設けられた位置における震度階級を、より正確に、推定することができる。
スマートデバイスは、多くの人間に所有されている。このため、震度の推定が求められる地点もしくはその近傍に、スマートデバイスを所有している人間が位置している可能性は極めて高い。したがって、何らかの地点が指定されたときに、当該地点に位置するスマートデバイスによる計測結果を使用することで、任意の地点における震度を、精度よく推定することができる、震度推定システムを提供することが可能となる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記移動判定部は、前記磁気センサによる前記計測結果である磁束密度の時刻歴波形において、前記磁束密度の平均値の地震の前後における変化量が移動判定閾値以上である場合に、前記スマートデバイスが移動したと判定し、前記スマートデバイスが移動したと判定した場合には、前記磁束密度の前記時刻歴波形において、時刻を進めつつ当該時刻を基点として所定の時間間隔内における標準偏差を計算し、前記標準偏差が移動区間判定閾値以上となった場合に、当該時刻を基点とした前記時間間隔の終了時刻を、前記移動区間の開始時刻として設定し、前記標準偏差が前記移動区間判定閾値より小さくなった場合に、当該時刻を基点とした前記時間間隔の開始時刻を、前記移動区間の終了時刻として設定する。
上記のような構成によれば、磁気センサによる計測結果である磁束密度の時刻歴波形において、磁束密度の平均値の地震の前後における変化量を計算する。この変化量が大きければ、地震の前後でスマートデバイスの姿勢が大きく変わったことを意味する。したがって、磁束密度の平均値の地震の前後における変化量を移動判定閾値と比較し、変化量が移動判定閾値以上の場合にスマートデバイスが移動したと判定することで、スマートデバイスが移動したか否かを適切に判定することができる。
スマートデバイスが移動したと判定された場合には、移動区間を更に特定する。スマートデバイスが移動している間においては、磁束密度の値が大きくばらつくため、磁束密度の時刻歴波形において、所定の時間間隔内における標準偏差を計算し、これを閾値と比較することで、移動区間を正確に特定することができる。
より詳細には、磁束密度の時刻歴波形において、時刻を進めつつ当該時刻を基点として所定の時間間隔内における標準偏差を計算する。標準偏差が移動区間判定閾値より小さい状態が続いた後に、ある時刻において標準偏差が移動区間判定閾値以上となった場合は、これまで所定の時間間隔の全域が、時刻歴波形の、磁束密度のばらつきが小さい領域にあった状態から、時刻が進み、当該時刻を基点とした所定の時間間隔のなかでも、当該時間間隔の終了時刻に近い、最も時刻が進んでいる部分が、時刻歴波形の、磁束密度のばらつきが大きくなり始めた領域にさしかかったことで、標準偏差が大きくなり始めた場合であると考えられる。このため、当該時刻を基点とした時間間隔の終了時刻を特定することで、移動区間の開始時刻を正確に特定することができる。
また、標準偏差が、いったん移動区間判定閾値以上となった後に、ある時刻において移動区間判定閾値以下となった場合は、これまで所定の時間間隔の全域が、時刻歴波形の、磁束密度のばらつきが大きい領域にあった状態から、時刻が進み、当該時刻を基点とした所定の時間間隔のなかでも、当該時間間隔の開始時刻に近い、最も時刻が遅れている部分を含む、時間間隔の全体が、時刻歴波形の、磁束密度のばらつきが小さくなった領域へと到達したことで、標準偏差が小さくなった場合であると考えられる。このため、当該時刻を基点とした時間間隔の開始時刻を特定することで、移動区間の終了時刻を正確に特定することができる。
このようにして、スマートデバイスが移動したか否かの判定と、加速度センサで観測された加速度波形の補正対象となる移動区間の計算を、適切に行うことができるため、加速度波形が適切に補正され、結果として、震度の計算精度を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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