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公開番号2024164552
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080122
出願日2023-05-15
発明の名称拡翼掘削機
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E21B 10/32 20060101AFI20241120BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】掘削時の安定性が高い拡翼掘削機を提供する。
【解決手段】ベースマシンと、ベースマシンからワイヤ3にて吊り下げられている拡翼掘削体10と、を有し、直方体状の壁杭の二つの広幅面の少なくとも一方に拡幅部を有する壁杭2の孔壁5を造成する、拡翼掘削機1である。拡翼掘削体10は、平面視において壁杭2の壁厚方向に直交する方向に延在する回動軸14と、孔壁5に反力を取るスタビライザ15と、を有する架構11と、スタビライザ15を孔壁5に対して出没させる出没手段12と、出没手段12を作動させる第一油圧系統と、回動軸14を中心にして壁杭2の壁厚方向に回動可能な拡翼カッタ30と、拡翼カッタ30を回動させる回動駆動手段31と、拡翼カッタ30を回転させる回転駆動手段32と、回動駆動手段31および回転駆動手段32を作動させる第二油圧系統と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベースマシンと、前記ベースマシンからワイヤにて吊り下げられている拡翼掘削体と、を有し、直方体状の壁杭の二つの広幅面の少なくとも一方に拡幅部を有する壁杭の孔壁を造成する、拡翼掘削機であって、
前記拡翼掘削体は、
平面視において前記壁杭の壁厚方向に直交する方向に延在する回動軸と、前記孔壁に反力を取るスタビライザと、を有する架構と、
前記スタビライザを前記孔壁に対して出没させる出没手段と、
前記出没手段を作動させる第一油圧系統と、
前記回動軸を中心にして前記壁杭の壁厚方向に回動可能な拡翼カッタと、
前記拡翼カッタを回動させる回動駆動手段と、
前記拡翼カッタを回転させる回転駆動手段と、
前記回動駆動手段および前記回転駆動手段を作動させる第二油圧系統と、を備えた
ことを特徴とする拡翼掘削機。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記スタビライザの前記孔壁への接触面には、複数の係止穴が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の拡翼掘削機。
【請求項3】
前記拡翼掘削体は、
前記拡翼掘削体の上部に回転可能に設けられたワイヤ固定部と、
前記ワイヤ固定部を前記拡翼掘削体に対して回転させる固定部回転手段と、をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の拡翼掘削機。
【請求項4】
前記ワイヤ固定部の上端部には、カバー部材が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の拡翼掘削機。
【請求項5】
前記架構は、前記拡翼カッタで掘削された土砂を排出する浚渫ポンプを備えていない
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の拡翼掘削機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、拡翼掘削機に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
連続地中壁等の壁杭の支持力を強化する工法として、壁杭の有する二つの広幅面の一方もしくは双方に拡幅部(もしくは、拡底部、拡張部)を形成する工法があり、拡幅部を形成する掘削機として拡翼掘削機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の拡翼掘削機は、ベースマシンと、ベースマシンからワイヤにて吊り下げられている拡翼掘削体と、を有し、直方体状の壁杭の二つの広幅面の少なくとも一方に拡幅部を有する壁杭の孔壁を造成する、拡翼掘削機である。拡翼掘削体は、平面視において壁杭の壁厚に直交する方向に延在する回動軸を有し、孔壁に反力を取るスタビライザを有する架構と、回動軸に対して壁杭の壁厚方向に回動自在な拡翼カッタと、回動軸に対して拡翼カッタを回動させる回動駆動手段と、拡翼カッタを回転させる回転駆動手段と、を有している。拡翼カッタの底面には、複数の掘削ビットが設けられている。なお、特許文献1の拡翼掘削体においては、スタビライザと拡翼カッタは、ともに共用の油圧機構にて駆動されるようになっている。このような拡翼掘削機では、まず油圧機構でスタビライザを広げて孔壁に押し付けた後に、油圧機構で拡翼カッタを駆動させて地盤を掘削する。これにより拡翼カッタによる掘削の反力を、スタビライザを介して孔壁に取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-14816号公報
特開2011-190645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施工場所の上方に障害物がある場合にも対応できるよう、拡翼掘削体の高さ寸法を小さくする低空頭化が要求されている。スタビライザは、拡翼掘削体の上部と下部に設けられていることが多いが、拡翼掘削体の高さ寸法が小さいと、上下のスタビライザの配置間隔が小さくなる。すると、拡翼カッタを広げて掘削する際に、拡翼カッタを支持する拡翼掘削体が回転し易くなり、安定性が低下してしまうという問題があった。
このような観点から、本発明は、掘削時の安定性が高い拡翼掘削機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するための本発明は、ベースマシンと、前記ベースマシンからワイヤにて吊り下げられている拡翼掘削体と、を有し、直方体状の壁杭の二つの広幅面の少なくとも一方に拡幅部を有する壁杭の孔壁を造成する、拡翼掘削機である。前記拡翼掘削体は、平面視において前記壁杭の壁厚方向に直交する方向に延在する回動軸と、前記孔壁に反力を取るスタビライザと、を有する架構と、前記スタビライザを前記孔壁に対して出没させる出没手段と、前記出没手段を作動させる第一油圧系統と、前記回動軸を中心にして前記壁杭の壁厚方向に回動可能な拡翼カッタと、前記拡翼カッタを回動させる回動駆動手段と、前記拡翼カッタを回転させる回転駆動手段と、前記回動駆動手段および前記回転駆動手段を作動させる第二油圧系統と、を備えたことを特徴とする。
従来は、拡翼カッタを回動および回転させる油圧系統と、スタビライザを出没させる油圧系統が同一であったため、拡翼カッタとスタビライザの制御を同時に行うことができなかったが、本発明の拡翼掘削機によれば、拡翼カッタを回動および回転させる油圧系統と、スタビライザを出没させる油圧系統とが別系統であるので、拡翼カッタの回動および回転の制御と、スタビライザの出没の制御とを独立して同時に行うことができる。これによって、拡翼カッタの作動により拡翼掘削体に作用する応力に応じて、拡翼カッタの回動および回転を制御しつつ、スタビライザの出没を制御することができるので、掘削時の安定性を確保することができる。
【0006】
本発明の拡翼掘削機においては、0前記スタビライザの前記孔壁への接触面には、複数の係止穴が形成されているものが好ましい。このような構成によれば、スタビライザの係止穴に孔壁が入り込んで、スタビライザと孔壁との間の摩擦力が大きくなる。これによって、スタビライザの面内方向に拡翼掘削体がずれるのを抑制できる。
本発明の拡翼掘削機においては、前記拡翼掘削体は、前記拡翼掘削体の上部に回転可能に設けられたワイヤ固定部と、前記ワイヤ固定部を前記拡翼掘削体に対して回転させる固定部回転手段と、をさらに備えたものが好ましい。このような構成によれば、拡翼掘削体をワイヤおよびベースマシンに対して回転させることができるので、拡翼掘削体を所望の角度に設置することができ、施工性が向上する。
本発明の拡翼掘削機においては、前記ワイヤ固定部の上端部には、カバー部材が設けられているものが好ましい。このような構成によれば、拡翼掘削体およびワイヤ固定部の上方から土塊が落下しても、カバー部材で止められるので、油圧ホースやその接続部に土塊が衝突するのを防止することができる。
本発明の拡翼掘削機においては、前記架構が、前記拡翼カッタで掘削された土砂を排出する浚渫ポンプを備えていないものが好ましい。このような構成によれば、拡翼掘削体の低空頭化を図れる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の拡翼掘削機によれば、掘削時の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体を示した側面図である。
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体を示した図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体を示した斜視図である。
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体のワイヤ固定部を示した要部拡大斜視図である。
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体の固定部回転手段を示した図であって、(a)はワイヤ固定部が原位置にある状態を示した平面図、(b)はワイヤ固定部が傾斜位置にある状態を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る拡翼掘削機について、添付した図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る拡翼掘削機の拡翼掘削体を示した側面図、図2の(a)は拡翼掘削体を示した平面図、(b)は正面図、図3は拡翼掘削体を示した斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の拡翼掘削機1は、例えば、直方体状の壁杭2の一般部と、この一般部の二つの広幅面の少なくとも一方にある拡幅部と、を有する壁杭2の施工に当たり、直方体状の壁杭2の一般部造成孔D1(もしくはガイド造成孔)から拡幅部造成孔D2を造成する際に適用される掘削機である。一般部造成孔D1の造成は水平多軸型掘削機等の他の一般部掘削機により行われる。なお、造成される壁杭2は、直方体状の壁杭2の一般部の二つの広幅面の双方において、もしくは、二つの広幅面の一方において、壁の延伸方向に間欠的に複数の突起状もしくは節状の拡幅部が形成される形態や、壁の延伸方向に連続する拡幅部が形成される形態などがある。
【0010】
図1に示すように、拡翼掘削機1は、ベースマシン(図示せず)と、拡翼掘削体10とを備えている。
ベースマシンは、地盤Gの地表面において走行可能な例えばクローラクレーンからなり、ブームから吊り下げられているワイヤ3によって拡翼掘削体10を支持する。なお、ベースマシンは、クローラクレーンに限定されるものではなく、走行可能であって、ワイヤ3を介して拡翼掘削体10を掘削孔内にワイヤリングできるトラッククレーン等の他の重機であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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