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公開番号2024164901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023080617
出願日2023-05-16
発明の名称発電用掘削方法および発電用掘削装置
出願人個人,個人,個人
代理人個人
主分類E21D 1/06 20060101AFI20241121BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】火山性マグマに依存せず、非火山性地域の地熱資源を発電に利用するにあたり、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機を用いて、懸架部材の劣化・切断といった問題を回避しつつ、深い立坑を掘削する。
【解決手段】深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削するとき、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機と前記懸架部材の間に一体的に接続する発電用掘削装置であって、横方向に地殻を掘削可能な伸縮自在のカッターアームを備え、前記カッターアームが縮んだとき、前記縦型掘削機が前記懸架部材で支えられる第1の状態と、前記カッターアームが伸びたとき、前記カッターアームの先端側が地殻に保持されて前記縦型掘削機が前記カッターアームおよび前記地殻で支えられて前記立坑を掘削する第2の状態と、を設定可能とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削するとき、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機を用いて前記立坑を掘削する発電用掘削方法であって、
前記縦型掘削機と前記懸架部材の間に、横方向に地殻を掘削する伸縮可能なカッターアームを備える接続ボックスを一体的に接続し、
前記カッターアームが縮み、前記懸架部材で前記接続ボックスを介した前記縦型掘削機を支える第1のステップと、
前記カッターアームが伸び、前記カッターアームの先端側が地殻に保持された前記接続ボックスで前記縦型掘削機を支えて前記立坑を掘削する第2のステップと、
を有することを特徴とする発電用掘削方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
上記第2のステップの後、前記カッターアームを縮ませ、前記懸架部材で前記接続ボックスを介した前記縦型掘削機を降下させる第3のステップと、
前記カッターアームが伸び、前記カッターアームの先端側が地殻に保持された前記接続ボックスで前記縦型掘削機を支えて前記立坑を掘削する第4のステップを有することを特徴とする請求項1に記載の発電用掘削方法。
【請求項3】
前記第1のステップにおいて、前記懸架部材で前記接続ボックスを介した前記縦型掘削機を支えて前記立坑を掘削することを特徴とする請求項1または2に記載の発電用掘削方法。
【請求項4】
前記深層地下熱が熱媒と共に流れる熱媒管を中継する蓄熱室、および液体空気を気化することで冷却する設備を備える作業員室および作業設備室の少なくとも一方を各階に形成するための横坑を掘削するステップを更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の発電用掘削方法。
【請求項5】
前記作業員室および作業設備室の少なくとも一方をドーム形状に沿った屋根膜を備えるドーム室とし、
前記ドーム形状に対応するように、前記横坑の一部上面をドーム形状に無人掘削機を用いて掘削することを特徴とする請求項4に記載の発電用掘削方法。
【請求項6】
前記屋根膜を支えるため前記ドーム室の内部を正圧に保つよう前記ドーム室の内部に新鮮空気を取り入れると共に、前記屋根膜から空気を漏出させて前記ドーム形状に沿った前記ドーム室の外側の空気を冷却するために用いられる、新鮮空気を搬入するための第1の立坑と、空気を排出するための第2の立坑とを掘削するステップを更に有することを特徴とする請求項5に記載の発電用掘削方法。
【請求項7】
前記第1の立坑と前記第2の立坑とが、掘削される排土を搬出するためのエレベータを昇降させるエレベータ立坑として兼用されることを特徴とする請求項6に記載の発電用掘削方法。
【請求項8】
前記懸架部材はチェーンであることを特徴とする請求項1または2に記載の発電用掘削方法。
【請求項9】
深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削するとき、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機と前記懸架部材の間に一体的に接続する発電用掘削装置であって、
横方向に地殻を掘削可能な伸縮自在のカッターアームを備え、
前記カッターアームが縮んだとき、前記縦型掘削機が前記懸架部材で支えられる第1の状態と、
前記カッターアームが伸びたとき、前記カッターアームの先端側が地殻に保持されて前記縦型掘削機が前記カッターアームおよび前記地殻で支えられて前記立坑を掘削する第2の状態と、
を設定可能としたことを特徴とする発電用掘削装置。
【請求項10】
請求項9に記載される前記発電用掘削装置であって、前記縦型掘削機と接続し一体化したことを特徴とする発電用掘削装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非火山性地域の地熱資源を利用した発電に用いられる立坑を掘削するのに好都合な、改良された掘削方法および掘削装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な地熱発電は、タービンで電力を得るものとして知られており(特許文献1)、火山系の溶岩マグマが水と接触して発生する高温蒸気を発電所に導き、タービンで電力を得る。このマグマ水蒸気による発電も貴重な自然エネルギーに拠るものであるが、規模が小さく、大規模な電力事業に対して基幹技術とはなり難い。また、マグマが移動することもあるため、長期安定的な発電事業は期待し難い。
【0003】
これに対し、非火山性地域の地熱資源として深層地下熱を利用し、温度差発電方式またはタービン発電方式で発電することが提案され、深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削する必要がある。このような立坑は、一般に上下方向位置が変更可能となるように懸架部材(チェーン、ワイヤ、ロープ等)で支持可能な縦型掘削機を用いて掘削する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6587118号公報
特開平05‐010085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、深い立坑を掘削するとき、懸架部材が長くなることで懸架部材に過度な力がかかり、懸架部材の劣化・切断といった問題が生ずる。
【0006】
本発明の目的は、火山性マグマに依存せず、非火山性地域の地熱資源を発電に利用するにあたり、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機を用いて、懸架部材の劣化・切断といった問題を回避しつつ、立坑を掘削することができる発電用掘削方法および発電用掘削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る発電用掘削方法は、深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削するとき、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機を用いて前記立坑を掘削する発電用掘削方法であって、前記縦型掘削機と前記懸架部材の間に、横方向に地殻を掘削する伸縮可能なカッターアームを備える接続ボックスを一体的に接続し、前記カッターアームが縮み、前記懸架部材で前記接続ボックスを介した前記縦型掘削機を支える第1のステップと、前記カッターアームが伸び、前記カッターアームの先端側が地殻に保持された前記接続ボックスで前記縦型掘削機を支えて前記立坑を掘削する第2のステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る発電用掘削装置は、深層地殻熱を発電に用いるための立坑を掘削するとき、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機と前記懸架部材の間に一体的に接続する発電用掘削装置であって、横方向に地殻を掘削可能な伸縮自在のカッターアームを備え、前記カッターアームが縮んだとき、前記縦型掘削機が前記懸架部材で支えられる第1の状態と、前記カッターアームが伸びたとき、前記カッターアームの先端側が地殻に保持されて前記縦型掘削機が前記カッターアームおよび前記地殻で支えられて前記立坑を掘削する第2の状態と、を設定可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、火山性マグマに依存せず、非火山性地域の地熱資源を発電に利用するにあたり、上下方向位置が変更可能となるように懸架部材で支持可能な縦型掘削機を用いて、懸架部材の劣化・切断といった問題を回避しつつ、立坑を掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る発電用掘削装置を用いた発電用掘削方法の説明図
本発明の実施形態に係る発電用掘削装置を用いる場合の懸架部材としての鎖の保持に関する説明図
本発明の実施形態に係る発電用掘削方法を用いた発電システムにおける海洋地殻内に設けられる発電所を示す説明図
立坑および横坑の掘削に関する概略図
サテライト立坑がセンター立坑の両側に対称的に掘削される場合の説明図
(a)は熱媒管のサテライト立坑を介した蓄熱室への引き込みと配管ユニットを介した熱媒管の連結を説明する図、(b)は蓄熱室とサテライト立坑の関係図
(a)はセンター立坑とサテライト立坑を連結する連結立坑の説明図、(b)は連結立坑のA-A視図
立坑掘削による排土の排出の説明図
(a)は作業床面に蓄熱室および作業用のドーム室を設けるための横坑の掘削に関する説明図、(b)はドーム室の説明図、(c)はドーム形状に掘削するための無人掘削機の説明図
ドーム室への新鮮空気の取り入れ用の第1の立坑と、ドーム室からの空気排出用の第2の立坑とをエレベータ立坑で兼用する場合の説明図
(a)は発電所階における折り畳んだ熱媒管を蓄熱室へ設置する説明図、(b)は蓄熱室と熱媒管の関係図、(c)は蓄熱室の構造図
熱媒を気体状態で使用する最下層の熱媒管の説明図
(a)は熱媒管の断面構成並びに最下層の構成を示す説明図、(b)は深さ方向で隣り合う階の間における熱媒の流れを示す図
蓄熱室における温度の高い熱媒αと温度の低い熱媒βとの熱の授受を示す図
(a)は発電所階における長い熱媒管の組立場のイメージ図、(b)は熱媒管を束ねる小フランジを用いた熱媒管の地下への搬入を示す図、(c)は小フランジのサイズを示す図
(a)、(b)、(c)はそれぞれ熱媒管、熱媒管ユニット、熱媒管グループのサテライト立坑内配置に関する説明図
(a)、(b)、(c)はそれぞれ配管ユニットの平面図、縦断面図、斜視図
熱電発電素子ユニットをトロッコ上に積載してトンネルに格納するイメージ図
(a)はそれぞれのトンネル内に複数熱電発電素子ユニットを設けたものを積層した巨大発電所のイメージ図、(b)は各階床面における側線の役割を説明する図
(a)は熱電発電素子が2次元状に配置される説図、(b)は素子盤、熱媒管、冷水管の交差状態イメージ図
非火山性の深層地殻熱域からの地殻熱をタービン方式により発電するブロック図
深層地殻熱を用いた発電により水素を生成(製造)するブロック図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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