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公開番号2024166423
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024164019,2023078099
出願日2024-09-20,2020-01-16
発明の名称水硬性組成物
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C04B 28/02 20060101AFI20241121BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】中性化反応の進行を抑制した水硬性組成物を提供する。
【解決手段】
ポルトランドセメントを含有する水硬性の粉体と、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤とを含む水硬性組成物である。全粉体中におけるポルトランドセメントの配合率は、10質量%以上70質量% 以下である。全粉体量に対して、前記中性化抑制剤を硝酸イオン(NO3 -、式量62)に換算して0.8質量%以上5.0質量%以下含むことが好ましい。水硬性の粉体は、高炉スラグおよびフライアッシュの少なくとも一方をさらに含有することが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポルトランドセメントを含有する水硬性の粉体と、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤とを含み、
全粉体中におけるポルトランドセメントの配合率が10質量%以上70質量%以下であり、
全粉体量に対して、前記中性化抑制剤を硝酸イオン(NO


、式量62)に換算して0.8質量%以上5.0質量%以下含み、
前記粉体は、高炉スラグおよびフライアッシュの少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする水硬性組成物。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
ポルトランドセメントおよび高炉スラグを含有する水硬性の粉体と、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤とを含み、
全粉体中におけるポルトランドセメントの配合率が10質量%以上32.7質量%以下であり、
全粉体量に対して、前記中性化抑制剤を硝酸イオン(NO


、式量62)に換算して0.8質量%以上5.0質量%以下含み、
前記粉体は、シリカフュームおよび無水セッコウの少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする水硬性組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
セメントは、水との水和反応により硬化して硬化体となる。セメントの一部または全部を構成するクリンカー鉱物は、水と反応して強アルカリ性の水酸化カルシウムなどの水和物を生成し、硬化体中の細孔溶液は、強アルカリ性を示す。
硬化体は、大気中に放置しておくと、内部に侵入した二酸化炭素が水酸化カルシウムなどのカルシウム塩と反応して炭酸カルシウムを生成して、細孔溶液が強アルカリ性から中性へと変性する、いわゆる「中性化」が進行する。中性化は、大気と接触する硬化体表面から進行する。セメントを用いて鉄筋コンクリート構造物を構築する場合、中性化が鉄筋コンクリート構造物内部の鉄筋近くまで進行すると、鉄筋を被覆する不動態皮膜を破壊し、鉄筋腐食の一因となる。そして、鉄筋が、腐食前と比べて膨張することにより、硬化体のひび割れ、破壊等を引き起こし、また、腐食により鉄筋の断面欠損が生じ、鉄筋コンクリート構造物の強度が低下する。
【0003】
近年、製造時の二酸化炭素排出量の少ない環境配慮型セメントが提案されている。環境配慮型セメントは、1種又は2種以上のJIS R5210、R5211、R5212、R5213、R5214に規定されるセメント(ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、エコセメント)の混合物のうち20~100%を、スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、二水セッコウ、半水セッコウ、無水セッコウ、石灰石微粉末、消石灰、膨張材、シリカ質混合材、または、カルシウム塩やナトリウム塩に置き換えたものと同等の組成を持つ水硬性組成物であり、環境配慮型セメントを用いたコンクリートを、環境配慮型コンクリートと称する。例えば、特許文献1には、環境配慮型セメントとして、高炉スラグ微粉末と石灰石微粉末とカルシウムイオンを溶出する速度が異なる2種類以上の刺激剤とからなる水硬性組成物が、特許文献2には、環境配慮型コンクリートとして、細骨材、粗骨材、石灰石微粉末、スラグ微粉末、炭酸ナトリウム、化学混和剤を主成分とするスラグ硬化組成物が提案されている。非特許文献1には、環境配慮型コンクリートとして、ポルトランドセメントの20~80%を高炉スラグを主成分とする混和材で置き換えたコンクリートの施工例が報告されている。
しかし、環境配慮型セメントを使用した硬化体や環境配慮型コンクリートは、ポルトランドセメントの使用量が少なく、ポルトランドセメントのみをセメントとして使用した硬化体やコンクリートと比較して中性化が進行しやすいという問題がある。例えば、特許文献1に示される環境配慮型セメントは、高炉セメントを硬化するのに必要な反応刺激剤の選定により、中性化の抑制が可能となったとしているが、この環境配慮型セメントの中性化の速度は、ポルトランドセメントのみをセメントとして使用した硬化体の中性化速度と比較して大きい。
【0004】
中性化を抑制する技術として、セメント量を増やして水セメント比を小さくし、硬化体を緻密にして二酸化炭素を侵入しにくくする方法が知られている。ただし、使用するセメントの量が増加するため、コストが増加してしまう。また、水セメント比が小さいと、流動性が悪く、施工性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-148434号公報
特許第5743650号公報
【非特許文献】
【0006】
陣内浩、加藤雅樹、立山香織、近藤憲二:主要構造部材を環境配慮型コンクリートで構築した建築物の実現とCO2削減効果、コンクリート工学、vol.52,No.6,pp.528-533,2014.6.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中性化反応の進行を抑制した水硬性組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1. ポルトランドセメントを含有する水硬性の粉体と、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤とを含み、全粉体中におけるポルトランドセメントの配合率が10質量%以上70質量%以下であり、全粉体量に対して、前記中性化抑制剤を硝酸イオン(NO


、式量62)に換算して0.8質量%以上5.0質量%以下含み、前記粉体は、高炉スラグおよびフライアッシュの少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする水硬性組成物。
2.ポルトランドセメントおよび高炉スラグを含有する水硬性の粉体と、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤とを含み、全粉体中におけるポルトランドセメントの配合率が10質量%以上32.7質量%以下であり、全粉体量に対して、前記中性化抑制剤を硝酸イオン(NO


、式量62)に換算して0.8質量%以上5.0質量%以下含み、前記粉体は、シリカフュームおよび無水セッコウの少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする水硬性組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水硬性組成物は、硝酸カルシウムを含有する中性化抑制剤を含むことにより、硬化体における中性化の進行を抑制することができる。硬化の際に加える水の一部を硝酸塩化合物の水溶液と置換することにより、または硬化の際に加える水の一部または全部に硝酸塩化合物を溶解することにより、あるいは硝酸塩化合物を固体として添加または混合するだけで、得られる硬化体の中性化を抑制することができる。本発明の水硬性組成物は、中性化を抑制する対象の水硬性組成物に硝酸塩化合物を水溶液または固体の形態で添加するだけでよく、中性化を抑制する対象の水硬性組成物のうち、硝酸塩化合物以外のセメントと混和材の一方または両方からなる粉体の、構成およびそれぞれの量および粉体の合計量を変更することなく、従来の組成のまま中性化を抑制することができる。
【0010】
中性化抑制剤の配合量を、全粉体量に対して、中性化抑制剤を硝酸イオン(NO


、式量62)換算で0.8質量%以上添加することにより、その効果を得ることができる。添加率が高くなると抑制効果も高くなるが、添加率が5.0質量%を超えると、十分な効果が得られるが、添加率の増加に対する中性化速度の低下率が小さくなり、また、高コストとなる。このため、0.8質量%以上5.0質量%以下の範囲で調整することが好ましい。中性化抑制剤の添加により、構造物の要求性能に合わせて中性化の進行を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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