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公開番号2024139150
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023049965
出願日2023-03-27
発明の名称半潜水浮体式基礎および半潜水浮体式基礎の構築方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E02D 27/04 20060101AFI20241002BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】PC鋼材が錯綜することを抑制して施工性の向上を図ることを可能とし、かつ、軽量化を可能とした半潜水浮体式基礎と、この半潜水浮体式基礎の構築方法を提案する。
【解決手段】風車11の支柱12を支持するセンターカラム3と、センターカラム3から間隔をあけて配設された3本のサイドカラム4,4,4と、センターカラム3とサイドカラム4とを接続するビーム5とを備える風力発電施設の半潜水浮体式基礎2である。センターカラム3は、鋼製のスラブ31と、スラブ31に立設された円筒状の本体部32とを備えている。ビーム5は、ビーム用PC鋼材51が配設されたプレストレスコンクリート製である。スラブ31は、底面に設けられたスラブ用底鋼板33と、上面に設けられたスラブ用上鋼板34と、ビーム5との接合部に設けられたビーム用PC鋼材51を定着可能な定着用鋼材35とを備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
風車の支柱を支持するセンターカラムと、
前記センターカラムから間隔をあけて配設された複数のサイドカラムと、
前記センターカラムと前記サイドカラムとを接続するビームと、を備える風力発電施設の半潜水浮体式基礎であって、
前記センターカラムは、鋼製のスラブと、前記スラブに立設された円筒状の本体部と、を備えており、
前記ビームは、ビーム用PC鋼材が配設されたプレストレスコンクリート製であり、
前記スラブは、底面に設けられたスラブ用底鋼板と、上面に設けられたスラブ用上鋼板と、前記ビームとの接合部に設けられた前記ビーム用PC鋼材を定着可能な定着用鋼材と、を備えていることを特徴とする、半潜水浮体式基礎。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記本体部は、プレストレスコンクリート製であり、かつ、前記スラブ用上鋼板を貫通し、
前記本体部の下端は、前記スラブ用底鋼板に当接しており、
前記定着用鋼材から前記本体部の外側面に至る骨部材が、前記スラブ用上鋼板の下面および前記スラブ用底鋼板の上面に沿って配設されていて、
前記本体部の内部には、前記本体部の内側面から前記骨部材の延長線に沿って延在するつなぎ材が配設されていて、前記本体部の中心部において前記つなぎ材同士が接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の半潜水浮体式基礎。
【請求項3】
前記サイドカラムは、鋼製のサイドカラムスラブと、前記サイドカラムスラブに立設された円筒状のサイドカラム本体部と、を備えており、
前記サイドカラムスラブは、底面に設けられたサイドカラムスラブ用底鋼板と、上面に設けられたサイドカラムスラブ用上鋼板と、前記ビームとの接合部に設けられた前記ビーム用PC鋼材を定着可能なサイドカラム定着用鋼材と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の半潜水浮体式基礎。
【請求項4】
前記定着用鋼材には、前記ビーム用PC鋼材を挿通可能な挿通孔が形成されており、
前記ビーム用PC鋼材の端部には、前記挿通孔に挿通した前記ビーム用PC鋼材を前記定着用鋼材に係止する係止部材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の半潜水浮体式基礎。
【請求項5】
前記係止部材は、くさび状の部材からなり、
前記定着用鋼材には、前記係止部材と係合する受材が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の半潜水浮体式基礎。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の半潜水浮体式基礎の構築方法であって、
前記ビームを構成するビーム用セグメントを製作するセグメント製作工程と、
前記ビーム用セグメントを所定の位置に配置して前記ビームを形成するビーム形成工程と、
前記ビームの基端部を前記スラブに接続するビーム接続工程と、を備えており、
前記ビーム接続工程では、前記ビーム用PC鋼材を前記定着用鋼材に固定するとともに、前記ビーム用PC鋼材に緊張力を導入することを特徴とする、半潜水浮体式基礎の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水上風力発電施設の半潜水浮体式基礎および半潜水浮体式基礎の構築方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出量削減を目的として、再生可能エネルギーの需要が高まっている。再生可能エネルギーには、例えば、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス等がある。風力発電施設は、風車による騒音や振動が生活環境に影響を及ぼす場合があり、居住空間等への影響を十分に考慮する必要があることから、居住区域から離れた山間部などに設置されることが多い。しかしながら、大型の風車を設置する用地を山間部に確保することは難しく、また、風力発電施設までの交通路の確保や、送電線等の設置等も困難であった。そのため、風力発電施設を海上(水上)に設置することが検討されている。
水上に構造物を構築する場合において、基礎構造として浮体構造物を採用する場合がある。浮体基礎構造としては、セミサブマージブル型、スパー型、パージ型、TLP型等がある。このうち、セミサブマージブル型基礎(半潜水浮体式基礎)は、センターカラムと、センターカラムの周囲に間隔をあけて配設された複数本のサイドカラムと、センターカラムとサイドカラムとを連結するビーム(ポンツーン)とを備えてなり、波や風に対して優れた安定性能を有していることから、比較的実績が多い。
【0003】
半潜水浮体式基礎は、鋼製部材を主体に構成されることが多い。一方、半潜水浮体式基礎をコンクリートにより構築すれば、コストダウンを図ることができる。例えば、特許文献1には、主な構造要素をコンクリート製とした半潜水浮体式基礎が開示されている。
コンクリート製の半潜水浮体式基礎は、筒状の鉄筋コンクリート製プレキャストブロックからなるカラムと、箱型の鉄筋コンクリート製プレキャストブロックからなるビームとをPC鋼材でポストテンションにより一体化して製作されるのが一般的である。
一方、カラムには主として上下方向にPC鋼材が配置されており、ビームには横方向に配置されていて、カラムとビームとの接合部では、上下方向のPC鋼材と横方向のPC鋼材とが錯綜し、複雑な配置になっている。そのため、PC鋼材の配置に手間がかかる。また、カラムとビームとの接合部では、錯綜するPC鋼材を配置するために、スラブや側壁の部材厚を大きくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2015-513046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、PC鋼材が錯綜することを抑制して施工性の向上を図ることを可能とし、かつ、軽量化を可能とした半潜水浮体式基礎と、この半潜水浮体式基礎の構築方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明は、風車の支柱を支持するセンターカラムと、前記センターカラムから間隔をあけて配設された複数のサイドカラムと、前記センターカラムと前記サイドカラムとを接続するビームとを備える風力発電施設の半潜水浮体式基礎である。前記センターカラムは、鋼製のスラブと、前記スラブに立設された円筒状の本体部とを備えている。また、前記ビームは、ビーム用PC鋼材が配設されたプレストレスコンクリート製である。そして、前記スラブは、底面に設けられたスラブ用底鋼板と、上面に設けられたスラブ用上鋼板と、前記ビームとの接合部に設けられた前記ビーム用PC鋼材を定着可能な定着用鋼材と、を備えている。
また、本発明の半潜水浮体式基礎の構築方法は、前記ビームを構成するビーム用セグメントを製作するセグメント製作工程と、前記ビーム用セグメントを所定の位置に配置して前記ビームを形成するビーム形成工程と、前記ビームの基端部を前記スラブに接続するビーム接続工程とを備えており、前記ビーム接続工程では、前記ビーム用PC鋼材を前記定着用鋼材に固定するとともに前記ビーム用PC鋼材に緊張力を導入する。
かかる半潜水浮体式基礎および半潜水浮体式基礎の構築方法によれば、センターカラムのスラブを鋼製にすることで、コンクリート製にする場合比べて軽量化が可能になるとともに、コンクリート数量の低減も可能となる。また、ビームのPC鋼材を、スラブの定着用鋼材に定着するので、センターカラムにおいて上下方向のPC鋼材と横方向のPC鋼材が錯綜することを抑制できる。そのため、施工時の手間を低減できる。
【0007】
前記本体部が、プレストレスコンクリート製であり、かつ、前記スラブ用上鋼板を貫通し、前記本体部の下端が前記スラブ用底鋼板に当接している場合には、前記定着用鋼材から前記本体部の外側面に至る骨部材が前記スラブ用上鋼板の下面および前記スラブ用底鋼板の上面に沿って配設されていて、さらに、前記本体部の内部には、前記本体部の内側面から前記骨部材の延長線に沿って延在するつなぎ材が配設されていて、前記本体部の中心部において前記つなぎ材同士が接合されているのが望ましい。こうすることで、センターカラムの本体部がコンクリート製であっても、本体部とスラブ(底鋼板および上鋼板)との連続化(一体化)が図られるため、終局限界状態や疲労限界状態において所要の強度が得られる。
【0008】
前記サイドカラムは、鋼製のサイドカラムスラブと、前記サイドカラムスラブに立設された円筒状のサイドカラム本体部とを備えており、前記サイドカラムスラブは、底面に設けられたサイドカラムスラブ用底鋼板と、上面に設けられたサイドカラムスラブ用上鋼板と、前記ビームとの接合部に設けられた前記ビーム用PC鋼材を定着可能なサイドカラム定着用鋼材とを備えているのが望ましい。こうすることで、サイドカラムにおいても、スラブを鋼製にすることで軽量化を図ることができるとともに、ビーム用PC鋼材をサイドカラム定着用鋼材に定着することでPC鋼材が錯綜することを抑制できる。
【0009】
前記定着用鋼材には、前記ビーム用PC鋼材を挿通可能な挿通孔が形成されており、前記ビーム用PC鋼材の端部には、前記挿通孔に挿通した前記ビーム用PC鋼材を前記定着用鋼材に形成する係止部材が設けられていることが好ましい。この場合の前記係止部材は、ビーム用PC鋼材に螺着された部材であってもよいし、くさび状の部材であってもよい。なお、係止部材がくさび状の部材の場合には、定着用鋼材に前記係止部材と係合する受材を設ける。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半潜水浮体式基礎とこの半潜水浮体式基礎の構築方法によれば、PC鋼材が錯綜することを抑制して施工性の向上を図ることを可能とし、かつ、軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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