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公開番号
2024137074
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2023048440
出願日
2023-03-24
発明の名称
沈下量評価方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
E02D
1/02 20060101AFI20240927BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】地盤改良体の沈下量を適切に評価することができ、不同沈下対策工としての地盤改良の設計に反映することを可能とした沈下量評価方法を提案する。
【解決手段】構造物を支持する地盤を地盤改良してなる改良体の沈下評価方法であって、改良体の初期剛性と極限圧縮応力値とにより規定される圧縮応力と圧縮ひずみとの関係の関数を規定するステップと、関数を利用して構造物から改良体に作用する荷重度に応じた変形係数を求めるステップと、荷重度と変形係数とに基づいて改良体の圧縮量を評価するステップとを実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
構造物を支持する地盤を地盤改良してなる改良体の沈下評価方法であって、
前記改良体の初期剛性と極限圧縮応力値とにより規定される圧縮応力と圧縮ひずみとの関係の関数を規定するステップと、
前記関数を利用して、前記構造物から前記改良体に作用する荷重度に応じた変形係数を求めるステップと、
前記変形係数と前記荷重度に基づいて前記改良体の圧縮量を評価するステップと、を実行することを特徴とする、沈下評価方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記関数は、式1から導き出される双曲線関数であることを特徴とする、請求項1に記載の沈下評価方法。
σ=ε/(a+b×ε) ・・・式1
1/a:初期変形係数E
0
1/b:極限値q
u
【請求項3】
前記極限圧縮応力値は、設計基準強度であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の沈下評価方法。
【請求項4】
前記地盤から採取した試料土と固化材とを混合してなる供試体または築造後の前記改良体から採取した供試体に対して一軸圧縮試験または三軸圧縮試験を行い、前記極限圧縮応力値を計測することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の沈下評価方法。
【請求項5】
前記構造物の柱位置毎に支配面積を規定し、前記柱位置毎の荷重度を求めるステップと、
前記支配面積に対応する地盤の支持力を算定するステップと、
前記支持力から求まる許容値を前記荷重度が上回る箇所を地盤改良の対象範囲に設定するステップと、をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の沈下評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良体の沈下量評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
直接基礎の支持地盤は、構造物の荷重によって沈下する。地盤に生じる沈下量は、一定ではなく、不同沈下が発生する。地盤に不同沈下が生じると構造物に付加応力が発生するため、不同沈下量が許容値以下になるような地盤改良を行うか、付加応力に耐え得る構造にする必要がある。例えば、特許文献1では、地盤改良による不同沈下を予測し、不同沈下の分布に応じて改良体を形成する地盤改良方法が開示されている。
改良地盤を設計する際には、非特許文献1に記載された算出方法により沈下量を算出するのが一般的である。非特許文献1には、改良地盤頭部における即時沈下量の算出方法として、改良地盤の圧縮量と下部地盤の沈下量を合計する方法が示されている。実務上、改良体の変形係数として一軸圧縮強さの50%到達時の変形係数E50が使用されることが多く、非特許文献1の算出方法では、一軸圧縮強さと変形係数の関係の平均勾配としておよそ180であるとしている。ただし、E50はおよそ5×10
-3
程度のかなり大きなひずみに対応する値であり、沈下量は大きめの評価となる。全面改良を行う場合には安全側の評価として妥当であるといえるが、1つの建物に対して部分的に改良を行った場合には改良部分の沈下量が未改良部分の沈下量を上回るような不自然な予測結果となることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭63-114717号公報
【非特許文献】
【0004】
国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所監修、「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針-セメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法-」、一般財団法人日本建築センター、一般財団法人ベターリビング、2018年11月30日、p.113
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、地盤改良体の沈下量を適切に評価することができ、不同沈下対策工としての地盤改良の設計に反映することを可能とした沈下量評価方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、構造物を支持する地盤を地盤改良してなる改良体の沈下評価方法であって、前記改良体の初期剛性と極限圧縮応力値とにより規定される圧縮応力と圧縮ひずみとの関係の関数を規定するステップと、前記関数を利用して前記構造物から前記改良体に作用する荷重度に応じた変形係数を求めるステップと、前記変形係数と前記荷重度とに基づいて前記改良体の圧縮量を評価するステップとを実行するものである。
かかる沈下評価方法によれば、荷重度に応じた改良体の圧縮量を算出できる。そのため、部分的に地盤改良を行う場合であっても、位置毎の沈下量を算出することができ、これを地盤改良の設計や基礎の設計に利用することで、不同沈下を低減できる。また、沈下予測精度が向上するため、計画時に合理的で経済的な基礎形式を選択できる。
【0007】
前記関数は、式1から導き出される双曲線関数であるのが望ましい。
σ=ε/(a+b×ε) ・・・式1
1/a:初期変形係数E
0
1/b:極限値q
u
【0008】
また、前記極限圧縮応力値は、設計基準強度を使用してもよいし、現地地盤から採取した試料土と固化材とを混合してなる供試体または築造後の前記改良体から採取した供試体に対して一軸圧縮試験または三軸圧縮試験を行った計測値を使用してもよい。
なお、前記構造物の柱位置毎に支配面積を規定し、前記柱位置毎の荷重度を求めるステップと、前記支配面積に対応する地盤の支持力を算定するステップと、前記支持力から求まる許容値を前記荷重度が上回る箇所を地盤改良の対象範囲に設定するステップとをさらに備えていれば、柱位置に対応する地盤改良計画や基礎構造の設計に活用できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の沈下量評価方法によれば、荷重度に応じた変形係数を用いることで、改良体の圧縮量を合理的に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態に係る沈下量評価方法の手順を示すフローチャートである。
(a)は双曲線関数の例を示すグラフ、(b)は(a)の双曲線関数を参照して作成した極限値qu=1200kN/m
2
で計算した場合の双曲線関数である。
沈下解析モデルを示す平面図である。
実施例および比較例1,2の沈下量の比較結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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