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公開番号2024136549
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047699
出願日2023-03-24
発明の名称防火性能保持効果を有する木材用塗料
出願人大成建設株式会社,大成ロテック株式会社,株式会社フェクト
代理人個人,個人
主分類C09D 133/00 20060101AFI20240927BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】難燃化処理された木材に対しても白華現象が生じ難く、防火性能を保持しつつ、屋外環境への耐久性にすぐれた有機無機複合塗膜を形成することができる木材用塗料を提供する。
【解決手段】溶剤系アクリル樹脂及びメチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマーを主成分とする塗料組成物と、エポキシ基を有する加水分解性シリコーン化合物を含む硬化剤と、イソシアネート化合物を反応させた鱗片状シリカ粉末と、の混合物から調製されたものを含むことを特徴とする。メチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマーの含有量は、溶剤系アクリル樹脂100質量部に対して10質量部以上60質量部以下であり、硬化剤の添加量は塗料組成物100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
難燃処理薬剤封止効果を有する木材用保護塗料であって、
溶剤系アクリル樹脂及びメチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマーを主成分とする塗料組成物と、
エポキシ基を有する加水分解性シリコーン化合物を含む硬化剤と、
イソシアネート化合物を反応させた鱗片状シリカ粉末と、
の混合物から調製されたものを含むことを特徴とする木材用保護塗料。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記メチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマーの含有量は、前記溶剤系アクリル樹脂100質量部に対して10質量部以上60質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の木材用保護塗料。
【請求項3】
前記硬化剤の添加量は、前記塗料組成物100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の木材用保護塗料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃化処理された木材に対しても白華現象が生じ難く、防火性能を保持しつつ、屋外環境への耐久性にすぐれた有機無機複合塗膜を形成することができる木材用塗料に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
公共建築物等や、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材利用促進法が施行されるなど、建築物への木材の積極的な利用が促進されている。木材を外装木として使用する場合、その耐久性を向上させるために、一般的に塗料による木材表面の被覆が行われている。このような外装木は、延焼のおそれのある部分については何らかの防火対策が必要であり、難燃化処理が求められている。木材の難燃化処理に使用する薬剤は、多くの場合水溶性である。従って、難燃化処理された木材を屋外で使用した場合、風雨によって薬剤が早期に溶脱するので、難燃性効果持続期間が短くなることが問題となっている。また、溶脱した薬剤は、木材表面で析出し、白華現象とよばれる外観不良を引き起こす。
【0003】
このような難燃化処理に使用する薬剤の溶脱を抑制する方法として、木材表面に塗装を行って、表面を被覆することが考えられる。塗装による木材の被覆には、大きく分けて、木材に染み込む「含浸形」、表面に被膜を形成しつつ木材にやや染み込む「半造膜形(薄膜)」、及び、表面に厚膜を形成する「造膜形(厚膜)」のものが知られているが、「造膜形」のものは木目が見えなくなり、木質感が失われるためにあまり好まれていない。さらに、外装木材用塗料としては、紫外線や風雨等に曝されることによる変色、ひび割れ等の経年劣化に対処することが要求されるほか、木材は周囲の湿度との関係により湿気を吸ったり吐いたりすることで伸縮するために寸法が変化するので、この寸法変化に対する追従性も要求される。
【0004】
含浸形塗料であるアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機系塗料の場合、可撓性のコントロールが容易で、クラック発生の恐れは低いが、耐候性に劣るという欠点がある。半造膜形ないし厚膜形の木材保護塗料の場合は、耐候性の観点からシリコーン塗料、フッ素樹脂系塗料又はセラミックやケイ素等の無機物を主成分とする無機系塗料が望ましいが、これらの塗料は、通常は硬質のために木材の動きに追従できず、クラックが発生しやすいという欠点がある。
【0005】
このような有機系の木材用塗料の耐候性に劣るという課題を解決すべく半造膜形ないし造膜形の有機無機複合塗料ないし無機系塗料の開発も多く行われている。たとえば特許文献1(特開2021-102673号公報)には、反応型水性ポリシロキサン-アクリル複合樹脂を主成分とする水性塗料組成物と、加水分解性シリコーン化合物を主成分とする前記水性塗料組成物の硬化剤とを含む有機無機複合塗料において、無機粒子として鱗片状シリカ粉末及びポリカルボジイミドを反応させたスメクタイト粉末を含むものを用い水性外装木材用塗料の発明が開示されている。
【0006】
また、特許文献2(特開2006-159554号公報)には、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、アミノ基含有オルガノアルコキシシランと酸無水物との反応生成物と、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンと、硬化触媒とからなる成分を界面活性剤存在下に水中に乳化分散させたシリコーンエマルジョン組成物を含む塗料組成物の発明が開示されている。
【0007】
また、特許文献3(特開2017-052853号公報)には、ポリエステルポリオールを含有する主剤と、ポリイソシアネートを含有する硬化剤と、を含む2液型木材塗料であって、2以上のイソシアネート基を有する界面活性剤を含有する第1の添加剤と、末端にシラノール基を有する無機化合物を含む第2の添加剤をさらに含む2液型木材塗料の発明が開示されており、第2の添加剤として白雲母などの鱗片形状の珪素化合物を用いることも開示されている([0033]参照)。
【0008】
また、特許文献4(特許第6985638号公報)には、3級アミノ基含有アクリル樹脂及びナノシリカを複合したメチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマーを主成分とする塗料組成物と、エポキシ基を有する加水分解性シリコーン化合物を含む硬化剤とからなり、単一の塗膜でも防腐剤等の木材保存剤の溶脱防止効果が高く、しかも、耐候性、耐久性に優れた有機無機複合塗膜を形成することができる木材用塗料の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2021-102673号公報
特開2006-159554号公報
特開2017-052853号公報
特許第6985638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1~4に開示されている有機無機複合塗料ないし無機系塗料によれば、伸縮性だけでなく、耐候性や耐久性に優れているため、外装木材用塗料として良好な特性を備えている。一方、難燃化処理された木材に対して塗装する場合、水系塗料の多くは難燃化薬剤と反応して結晶化などを引きおこし、正常に塗装できないという課題が存在している。特許文献1及び2に開示されている有機無機複合塗料ないし無機系塗料も、水系塗料であるため、難燃化処理された木材に塗装すると結晶化してしまうので、正常に塗装できない。
(【0011】以降は省略されています)

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