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公開番号2023127152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-13
出願番号2022030755
出願日2022-03-01
発明の名称乾燥装置
出願人三菱化工機株式会社
代理人個人
主分類F26B 17/22 20060101AFI20230906BHJP(乾燥)
要約【課題】粉体や粒体などの均一な拡散を図ることにより乾燥効率を向上し、乾燥不足・乾燥ムラを抑え、良品質の商品提供が成し得る乾燥装置を提供する。
【解決手段】鉛直方向で多段状に構成された乾燥部を備え、夫々の乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部18とを含んで構成され、鉛直方向で最上段の乾燥部の上方に、乾燥媒体分散部19を備え、乾燥媒体分散部は、所定位置に複数個の落下孔部26を設けると共に回転可能に配された回転板部20と、回転板部上の乾燥媒体を落下孔部へと案内落下せしめる複数の分散誘導部27と、を含み、夫々の分散誘導部は、回転板部の半径方向で順次長さが異なっている。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含み、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、を含んで構成された乾燥装置であって、
鉛直方向で前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間に乾燥媒体分散部を備え、
前記乾燥媒体分散部は、回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部に対して固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内落下せしめる少なくとも一つの分散誘導部と、を含むことを特徴とする乾燥装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記回転板部と前記掻き取り誘導部は、回転可能に配設された単一の主軸にそれぞれ固定されて回転動作が同期しており、
前記落下孔部は、前記第一乾燥部に存する掻き取り誘導部の延設方向領域を避けて穿設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記回転板部は、円板状に形成されるとともに、板の周方向で内径寄りの所定位置に複数個の落下孔部を設け、
前記分散誘導部は、前記回転板部に対して所定位置にて所定の間隔をあけて固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記落下孔部へと案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部と、を含み、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の半径方向で順次長さが異なっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記回転板部は円板状に形成され、
前記落下孔部は、前記回転板部の内径側に形成されており、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の上面との間に隙間を設けた状態で配設されるとともに、一端側が前記落下孔部の孔上方領域に突き出し配置される長尺ブレードにて構成されており、
前記乾燥媒体受け部から前記回転板上に供給される乾燥媒体の通過軌跡範囲内に、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部が配置され、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、湾曲部と、湾曲部の一端から延設された誘導ブレード部とで構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、直線平板状の誘導ブレード部であることを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記それぞれの誘導ブレード部よりも回転方向で上流側に位置する前記回転板部上面の円周方向仮想線と前記誘導ブレード部とで交差して形成される角が鋭角となるように傾斜状に配設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記分散誘導部は、前記乾燥媒体受け部における均しゲート部の外径寄りの位置から回転板部の内径に向かって順次小径状となる連続した単一の渦巻きブレード状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記主軸の位相を検知して、前記乾燥媒体投入部からの乾燥媒体の供給タイミングを制御する制御機構を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の乾燥装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥装置、特に医薬品などの粉体や粒体の乾燥に用いられる乾燥装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、医薬品・ファインケミカル分野の製造においては、洗浄・濃縮・晶析・ろ過・乾燥等の工程ごとに管理を行うバッチ式生産が基本とされてきた。
このようなバッチ生産では、次のような課題を有していた。
・一回毎に処理できる量が限られているばかりか、所定量毎に一回一回処理しなければならず作業が煩雑である。
・バッチ生産の場合、一度にまとめて加工生産するものであるが、生産量の調整が難しく需要変動に応じた生産計画に柔軟に対応し難いため、在庫ストックに要するコストが掛かっていた。これは、エネルギー消費量においても課題とするところである。
・各工程ごとに作業員が係わる必要があるため、人的負荷が掛かるばかりか人的エラーが発生する虞があり、かつ時間的ロスも多かった。
・工程終了ごとに生産物を次の工程へと移す必要があり、その際に埃やごみなどの異物が混入してしまう虞もあった。
・処理能力に関しては、複数台設置することで解決し得るかもしれないが、設置場所の確保などにおいても課題があった。
【0003】
特に、医薬品製造においては、「安全」に作られ、かつ「一定の品質」が保たれるように厳しく製造・品質管理される必要があるため、薬事法に基づくGMP(Good Manufacturing Practice:製造管理・品質管理基準)に準拠するのが好ましく、GMPを実現するには、従来のバッチ式生産に代えて、洗浄・濃縮・晶析・ろ過・乾燥等の工程を連続して行う連続生産が好ましい。
そこで、本願の発明者等は、この種の連続生産に適した乾燥装置の開発に従事した。
【0004】
特許文献1には、ケーシング内において、鉛直方向に所定間隔で多段に固定配置された中空円板状の乾燥板部と、乾燥板部の中心を貫通するように設けられた回転主軸と、回転主軸に放射状に取り付けられて同期し、多段に配置された各乾燥板部の上面を摺動する4個の掻き取り部と、乾燥板部の中空内部に加熱媒体を供給する手段と、粉体供給機構により、最上段の乾燥板部上へと粉体(被乾燥物)を順次投入する投入口と、を有し、加熱媒体によって加熱されている乾燥板部上に投入された粉体を、掻き取り部の掻き取り動作により、乾燥板部の中心方向または外周方向に掻き取り移動させた後、順次、下段の乾燥板部上へと落下させる。この乾燥・掻き取り動作を鉛直方向で繰り返し連続して行うことによって粉体の連続乾燥処理を行う竪型の多段乾燥装置が開示されている。
【0005】
このような連続式の乾燥装置によれば、湿潤状態の粉体を連続して乾燥処理することができるため、処理能力の向上及び時間的なロスがなく、かつコンタミ防止も有効に図ることができる。
【0006】
従来の連続式の乾燥装置にあっては、一台の粉体供給機構から最上段の乾燥板部上の一箇所に塊となって粉体が供給され、掻き取り部によって掻き取られながら加熱されている乾燥板部上を移動する。そして、乾燥板部の内径方向若しくは外径方向に移動し、内径端縁若しくは外径端縁から下段の乾燥板部上へと落下する。そして、この工程を多段に配した乾燥板部の枚数分繰り返して乾燥処理を終了する。
【0007】
しかし、常時、乾燥板部の同一箇所に落下して供給される塊状態の粉体は、掻き取り部によって掻き取り移動して下段の乾燥板部へと落下させても分散効果はあまり得られないため、均一に拡散されるまでに時間が掛かり、その結果、乾燥不足や乾燥ムラが発生することが考えられる。
また、粉体供給機構を複数台設置すれば、最上段の乾燥板上の複数の箇所に粉体を供給することができ、多少の分散効果は望めるかもしれないが、粉体供給機構は高価なためコスト高騰を招くこととなる。仮に複数台設置することとなってもコスト的・スペース的には2台が限界であるため、たとえ粉体供給機構を2台に増加したとしても分散効果は然程望めない。
さらに、特許文献1に開示の連続式の乾燥装置では、鉛直方向で回転主軸の上方に粉体供給機構が配されているため、粉体供給機構から投入される粉体は、掻き取り部の上に落下して掻き取り部上に付着してしまうこともあり、このような掻き取り部上に落下し、乾燥不足や乾燥ムラのある粉体が混在してしまうことも考えられるため、品質悪化、歩留まりの低下を招く虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-138297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、粉体や粒体などの均一な拡散を図ることにより乾燥効率を向上し、乾燥不足・乾燥ムラを抑え、良品質の商品提供が成し得る乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、第1の本発明は、湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含み、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、を含んで構成された乾燥装置であって、
鉛直方向で前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間に乾燥媒体分散部を備え、
前記乾燥媒体分散部は、回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部に対して固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内落下せしめる少なくとも一つの分散誘導部と、を含むことを特徴とする乾燥装置としたことである。
(【0011】以降は省略されています)

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