TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023145188
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-11
出願番号2022052526
出願日2022-03-28
発明の名称乾燥装置
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人
主分類F26B 13/10 20060101AFI20231003BHJP(乾燥)
要約【課題】基材に付与される張力が通常の搬送時よりも小さくなったとしても基材の破断を防止することができる乾燥装置を提供することを目的としている。
【解決手段】基材をロールツーロールにより所定の張力を付与して搬送する搬送経路上に設けられ、基材を搬送しながら基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、基材の下方および上方から気体を吹き付け、基材を浮揚させるとともに基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥ノズルと、前記乾燥ノズルにより基材が浮揚する状態となる領域である浮揚領域内で、少なくとも基材の幅方向における一対のエッジ近傍を把持し、当該エッジの搬送経路を規定するエッジニップ部と、前記浮揚領域内において基材の下方または上方に設けられ、前記乾燥ノズルによって浮揚させられた状態で付与される張力が前記所定の張力よりも小さくなった基材の所定面と接触するサポート部材と、を備える構成とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
基材をロールツーロールにより所定の張力を付与して搬送する搬送経路上に設けられ、基材を搬送しながら基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、
基材の下方および上方から気体を吹き付け、基材を浮揚させるとともに基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥ノズルと、
前記乾燥ノズルにより基材が浮揚する状態となる領域である浮揚領域内で、少なくとも基材の幅方向における一対のエッジ近傍を把持し、当該エッジの搬送経路を規定するエッジニップ部と、
前記浮揚領域内において基材の下方または上方に設けられ、前記乾燥ノズルによって浮揚させられた状態で付与される張力が前記所定の張力よりも小さくなった基材の所定面と接触するサポート部材と、を備えることを特徴する乾燥装置。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記サポート部材を移動させるサポート部材移動手段と、を備え、
前記サポート部材移動手段は、下方または上方から基材と接近および離れるよう前記サポート部材を移動させることを特徴とする請求項1に記載の乾燥措置。
【請求項3】
前記サポート部材移動手段は、基材の搬送停止時には基材に押し当てるよう前記サポート部材を移動させ、基材の搬送時には基材に接触しないよう前記サポート部材を移動させることを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記エッジニップ部は、基材のエッジ近傍を挟持する複数のニップロールを有しており、
前記サポート部材が、基材の前記搬送経路において各々の前記ニップロールよりも上流または下流における前記ニップロールの近傍に位置するよう配置され、
前記サポート部材は、基材の幅方向に向かって延び、基材のエッジから中央に向かうに従って徐々に直径が増大するクラウン形状に形成されたローラーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記乾燥ノズルは、基材の下方から気体を吹き付ける下側ノズルと、基材の上方から気体を吹き付ける上側ノズルと、を有し、
前記サポート部材は、前記下側ノズルまたは前記上側ノズルと基材を挟んで対向するよう配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記エッジニップ部は、基材の搬送時には基材のエッジ近傍を把持し、基材の搬送停止時には基材のエッジ近傍を把持しないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の乾燥装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の基材を搬送しながら、基材に形成された塗膜を乾燥する乾燥装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池の電池用極板の製造工程の中には、ロールツーロール方式の搬送装置により搬送されるシート状の基材に対して、活物質、バインダー、導電助剤、および溶媒を含む電極材料のスラリーを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を乾燥装置により乾燥する工程がある。
【0003】
一般的なロールツーロール方式の搬送装置は、基材を巻き出す巻出ロールと、基材を巻き取る巻取ロールと、巻出ロールから巻き出された基材が巻取ロールに巻き取られるまでに経由する搬送ロールと、を有している(たとえば、下記特許文献1)。そして、搬送装置は、巻出ロール、巻取ロール、および搬送ロールは、基材に所定の張力を付与しながら搬送している。
【0004】
従来の乾燥装置は、搬送装置による基材の搬送経路上に設けられ、基材が通過する筐体部と、筐体部内に設けられたノズルと、を有している(たとえば、下記特許文献2)。そして、乾燥装置は、ノズルの吹き出し口から基材へ気体を吹き付け、ノズルから吹き付ける気体によって筐体部内の温度を高めて基材上の塗膜を乾燥させると同時に、気体の風圧によって基材を浮揚させている。
【0005】
また、乾燥装置では、装置を一度停止してしまうと、筐体部内の温度を基材に形成された塗膜を乾燥させるために必要な温度に復旧させるまでに時間がかかる。そのため、搬送装置の基材を巻き取る巻取ロールを他の巻取ロールに切り替えるなどの比較的短い時間のメンテナンスを行う場合は、塗膜を乾燥させないときであっても、筐体部内の温度を保つために装置を停止させないことが一般的である。すなわち、ノズルから気体を基材に吹き付けて基材を浮揚させ続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-097917号公報
特開2014-173803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のような乾燥装置では、基材が破断してしまう場合があった。具体的には、乾燥装置の周辺装置において比較的短い時間のメンテナンスを行う場合は、塗膜を乾燥させないときであっても、筐体部内の温度を保つために、乾燥装置はノズルから気体を基材に吹き付けて基材を浮揚させ続けている。そして、巻取ロールの切り替えなどのメンテナンスを行うときは、少なくとも基材に付与される張力が通常の搬送時よりも小さくなる。その結果、ノズルにより吹き付ける気体によって基材が大きく振動し、基材がノズルなどの筐体部内の部材に接触してしまい、破断してしまう場合があった。
【0008】
これに対して、基材の幅方向における一対のエッジをローラー等により挟持することで、基材の振動を抑制することが考えられる。しかし、ローラー等により基材のエッジを挟持された部分に対して、基材の振動による負荷がかかり、この負荷が蓄積して基材のエッジが破断する可能性があたった。
【0009】
本発明は、上記問題を鑑みてされたものであり、基材に付与される張力が通常の搬送時よりも小さくなったとしても基材の破断を防止することができる乾燥装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の乾燥装置は、基材をロールツーロールにより所定の張力を付与して搬送する搬送経路上に設けられ、基材を搬送しながら基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、基材の下方および上方から気体を吹き付け、基材を浮揚させるとともに基材に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥ノズルと、前記乾燥ノズルにより基材が浮揚する状態となる領域である浮揚領域内で、少なくとも基材の幅方向における一対のエッジ近傍を把持し、当該エッジの搬送経路を規定するエッジニップ部と、前記浮揚領域内において基材の下方または上方に設けられ、前記乾燥ノズルによって浮揚させられた状態で付与される張力が前記所定の張力よりも小さくなった基材の所定面と接触するサポート部材と、を備えることを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許