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公開番号2023066507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-16
出願番号2021177142
出願日2021-10-29
発明の名称繊維強化部材
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 70/88 20060101AFI20230509BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
断面形状が扁平であり内部空間を有した、繊維強化部材の成形と同時に耐雷機能を付与でき、繊維強化樹脂を含むスキン層および内表面に配置された導体からなる、耐雷性に優れる繊維強化部材の提供を可能とする。
【解決手段】
断面形状が扁平な形状であり内部空間を有する繊維強化複合材料からなる基材の内表面の側に導体が配置されていることを特徴とする、繊維強化部材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
断面形状が扁平な形状であり内部空間を有する維強化複合材料からなる基材の内表面の側に導体が配置されていることを特徴とする、繊維強化部材。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記導体が、粒子状あるいはフィルム形状であることを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化部材。
【請求項3】
前記フィルム形状の導体の厚みが10μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の繊維強化部材。
【請求項4】
前記導体と前記繊維強化複合材料の間に保護層が設けられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の繊維強化部材。
【請求項5】
前記保護層を構成する材料の融点をTm1、前記繊維強化複合材料を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、Tm1<Tgであることを特徴とする、請求項4に記載の繊維強化部材。
【請求項6】
前記保護層を構成する材料の融点をTm1、前記繊維強化複合材料を構成する樹脂の融点をTm2としたとき、Tm1<Tm2であることを特徴とする、請求項4に記載の繊維強化部材。
【請求項7】
体積10cm

以上の空間が基材の内部に2つ以上あることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の繊維強化部材。
【請求項8】
長さが150cm未満であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の繊維強化部材。
【請求項9】
導体が前記繊維強化複合材料からなる基材の翼先端に対応する位置及びそこから50mmの範囲の領域の内表面に接しているいることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の繊維強化部材。
【請求項10】
前記前記繊維強化複合材料に用いる繊維が炭素繊維あるいはガラス繊維であることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の繊維強化部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラブレードに用いるに好適な繊維強化部材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、産業の幅広い分野で用いられている。特に、強化繊維に樹脂を含浸した中間材料であるプリプレグを使用した成形品や成形時に強化繊維へ樹脂を含浸した成形品が好適に利用されている。近年、風車や航空機の分野でブレード状の繊維強化複合材料の利用が盛んである。ブレード状の繊維強化複合材料にあっては軽量化のために、内部を中空構造とした構造をとることがあり、そのような繊維強化複合材料は、その軽量性と強靭性を活かして、航空機、船舶等の輸送機関や風力発電分野において利用されている。また、風車翼に耐雷性を付与する技術として、翼根から翼長方向に沿って延在する翼本体と、翼先端を形成する金属製レセプタと、翼長方向に沿って構成された金属箔とを備えられた中空ブレードが提案されている(例えば、特許文献1)。また、上側スキンおよび下側スキンを補強する翼長方向に延在する前側スパーおよび後側スパーと燃料タンクを備え、上側スキン、下側スキン、前側スパーおよび後側スパーの少なくとも一部は繊維で強化された樹脂材料で構成され、翼端から胴体導電性部と接する翼根まで電気的に連続した金属の固定前縁および固定後縁が形成された中空ブレードが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2013/084634号
特開2011-51517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、風車翼の構造が極めて複雑なものとなるとともに、潮風や塵埃や湿分を含んだ空気との接触に伴っての金属部分の腐食によって金属部の電気伝導性が損なわれるおそれが考えられる。また、特許文献2に開示された技術においてもまた、翼の構造が極めて複雑なものとなるとともに、潮風や塵埃や湿分を含んだ空気との接触に伴っての金属部分の腐食によって金属部の電気伝導性が損なわれるおそれが考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、安定的な耐雷機能の付与を行うことができる、断面形状が扁平であり内部空間を有した、繊維強化部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のいずれかの手段を採用するものである。すなわち、
〔1〕断面形状が扁平な形状であり内部空間を有する繊維強化複合材料からなる基材の内表面の側に導体が配置されていることを特徴とする、繊維強化部材。
〔2〕前記導体が、粒子状あるいはフィルム形状であることを特徴とする、〔1〕に記載の繊維強化部材。
〔3〕前記フィルム形状の導体の厚みが10μm以上200μm以下であることを特徴とする、〔2〕に記載の繊維強化部材。
〔4〕前記導体と前記繊維強化複合材料の間に保護層が設けられていることを特徴とする、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔5〕前記保護層を構成する材料の融点をTm1、前記繊維強化複合材料を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、Tm1<Tgであることを特徴とする、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔6〕前記保護層を構成する材料の融点をTm1、前記繊維強化複合材料を構成する樹脂の融点をTm2としたとき、Tm1<Tm2であることを特徴とする、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔7〕体積10cm

以上の空間が基材の内部に2つ以上あることを特徴とする、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔8〕長さが150cm未満であることを特徴とする、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔9〕前記導体が前記繊維強化複合材料からなる基材の翼先端に対応する位置及びそこから50mmの範囲の領域の内表面に接していることを特徴とする、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔10〕前記前記繊維強化複合材料に用いる繊維が炭素繊維あるいはガラス繊維であることを特徴とする、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
〔11〕前記前記繊維強化複合材料の樹脂が不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(レゾール型)、ユリア・メラミン樹脂およびポリイミド樹脂、ならびに、これらの共重合体および変性体からなる群から選ばれる少なくともひとつの樹脂であることを特徴とする、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の繊維強化部材。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐雷性に優れた、断面形状が扁平な形状であり、内部空間の内表面に配置された導体からなる繊維強化部材を提供することができる。また、本発明の繊維強化部材は、その成形と同時に成形体に耐雷性を付与することも可能であり、耐雷性が付与された繊維成形体を簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の繊維強化部材の一例の断面図である。
本発明の繊維強化部材の別な一例の断面図である。
本発明の繊維強化部材の一例の上面図である。
本発明に用いることができる端部補強層の例であり、(a)は巻物構造を示し、(b)は折畳構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、断面形状が扁平な形状であり内部空間を有する繊維強化複合材料からなる基材の内表面の側に導体が配置された繊維強化部材である。図1は、フィルム形状の導体が配置されている例であり、図1に例示するように内表面に導体が配置されることによって、潮風や塵埃や湿分を含む空気との接触が継続しても安定的した耐雷機能を付与できる。また、好ましく、導体は繊維強化部材の翼先端部まで配置されている。
【0010】
また、後述する成形法を用いることで、繊維強化部材の成形と同時に耐雷性を付与することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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