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公開番号2025181386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024089349
出願日2024-05-31
発明の名称陰イオン吸着体の製造方法、陰イオン吸着方法
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01J 20/30 20060101AFI20251204BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】陰イオン吸着体の製造時の二酸化炭素の発生を抑制することできる陰イオン吸着体の製造方法、および、陰イオン吸着体の製造方法で得られた陰イオン吸着体を用いた陰イオン吸着方法を提供する。
【解決手段】重晶石と高炉スラグとを含む混合物を調製する工程と、前記混合物を焼成し、水溶性のバリウム塩を得る工程と、を有する、陰イオン吸着体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重晶石と高炉スラグとを含む混合物を調製する工程と、
前記混合物を焼成し、水溶性のバリウム塩を得る工程と、を有する、陰イオン吸着体の製造方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記混合物における、前記重晶石1質量部に対する前記高炉スラグの含有量が0.1質量部以上50質量部以下である、請求項1に記載の陰イオン吸着体の製造方法。
【請求項3】
前記混合物の焼成温度が800℃以上1200℃以下である、請求項1に記載の陰イオン吸着体の製造方法。
【請求項4】
前記混合物の焼成を不活性ガス雰囲気下で行う、請求項1に記載の陰イオン吸着体の製造方法。
【請求項5】
無機化合物の陰イオンを含む溶液を、請求項1~4のいずれか1項に記載の陰イオン吸着体の製造方法で得らえた水溶性のバリウム塩を有する陰イオン吸着体に接触させることにより、前記陰イオンを前記バリウム塩に吸着させる、陰イオン吸着方法。
【請求項6】
前記陰イオンは、無機化合物のオキソ酸イオンである、請求項5に記載の陰イオン吸着方法。
【請求項7】
前記陰イオンは、セレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンである、請求項6に記載の陰イオン吸着方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、陰イオン吸着体の製造方法、および陰イオン吸着方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
建設工事等では、自然由来の重金属を含む汚染土(以下、「重金属汚染土」と言う。)が大量に発生する。そのため、より簡易で安価な重金属汚染土の処理方法が求められている。掘削工事等で大量に発生する重金属汚染土は、セメントや酸化マグネシウム等の不溶化剤が混合されて、重金属の溶出量が抑制された上で、ベントナイト等の遮水層で封じ込められている。このようにして、重金属汚染土は、雨水との接触を避ける処理が施されている。
【0003】
重金属の不溶化処理において、鉛やクロム等の陽イオンの状態で存在する重金属は、土壌に吸着しやすく、比較的、不溶化処理が容易である。一方、ヒ素やセレン等の陰イオンの状態で存在する重金属は、土壌への吸着量が少なく、不溶化処理が難しい。なかでも、セレンは、主に6価のセレン酸SeO

2-
と4価の亜セレン酸SeO

2-
の様態で存在し、酸化型である前者の溶解度がより高く、非常に不溶化が難しい物質である。セレンを不溶化するためには、重金属汚染土に対して不溶化剤を過剰量添加する必要がある。そのため、不溶化処理後の重金属汚染土は、容量が増大してしまったり、必要以上に固化したりしてしまう。重金属汚染土の容量の増大は、処分場の容量を圧迫する。また、重金属汚染土の固化は、運搬や施工を難しくする。また、セレン酸SeO

2-
は還元されるとより溶解度が低い亜セレン酸SeO

2-
となるため溶出が抑制される。そのため、多くの酸化鉄や亜硫酸等は還元剤によって亜セレン酸をセレン酸にすることで溶出量を抑制しているが、長期間環境に暴露されると酸素と接触して酸化されて再び亜セレン酸となり、溶出量が増加する懸念がある。
【0004】
酸化還元状態に左右されずにセレンを不溶化する方法としては、セレン含有物に、バリウム塩を混合する方法が挙げられる。この方法では、溶解したバリウム塩から発生するバリウムイオンが、土壌中に存在する硫酸イオンと反応して難溶性の硫酸バリウムを形成する。その硫酸バリウムの結晶中にセレン酸を取り込むことで、pHや酸化還元電位の変化に対して安定にセレンを不溶化できる。バリウムイオンを用いて、セレン汚染土やセレン汚染廃水を不溶化する方法としては、例えば、特開文献1に記載された発明が知られている。
【0005】
しかしながら、溶解性のバリウム塩は高価である。そのため、汚染土や汚染廃水の浄化のために、溶解性のバリウム塩を大量に用いることは難しい。溶解性のバリウム塩である炭酸バリウムを安価に製造する方法としては、例えば、特開文献2に記載された発明が知られている。この方法では、炭酸バリウムの材料である硫化バリウムを得るために、重晶石(硫酸バリウムの結晶)にカーボンを加えて還元焼成する。この操作によって硫酸バリウムに含まれる酸素がカーボンに移行し、可溶性の硫化バリウムが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-234306号公報
特許第6011481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の発明では、硫酸バリウムに含まれる酸素がカーボンに移行し、可溶性の硫化バリウムが生成する時、カーボンが酸化することで二酸化炭素が発生する。二酸化炭素は地球温暖化ガスであるため、排出量を削減することが望まれている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、陰イオン吸着体の製造時の二酸化炭素の発生を抑制することできる陰イオン吸着体の製造方法、および、陰イオン吸着体の製造方法で得られた陰イオン吸着体を用いた陰イオン吸着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]重晶石と高炉スラグとを含む混合物を調製する工程と、
前記混合物を焼成し、水溶性のバリウム塩を得る工程と、を有する、陰イオン吸着体の製造方法。
[2]前記混合物における、前記重晶石1質量部に対する前記高炉スラグの含有量が0.1質量部以上50質量部以下である、[1]に記載の陰イオン吸着体の製造方法。
[3]前記混合物の焼成温度が800℃以上1200℃以下である、[1]または[2]に記載の陰イオン吸着体の製造方法。
[4]前記混合物の焼成を不活性ガス雰囲気下で行う、[1]~[3]のいずれかに記載の陰イオン吸着体の製造方法。
[5]無機化合物の陰イオンを含む溶液を、[1]~[4]のいずれかに記載の陰イオン吸着体の製造方法で得らえた水溶性のバリウム塩を有する陰イオン吸着体に接触させることにより、前記陰イオンを前記バリウム塩に吸着させる、陰イオン吸着方法。
[6]前記陰イオンは、無機化合物のオキソ酸イオンである、[5]に記載の陰イオン吸着方法。
[7]前記陰イオンは、セレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンである、[6]に記載の陰イオン吸着方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、陰イオン吸着体の製造時の二酸化炭素の発生を抑制することできる陰イオン吸着体の製造方法、および、陰イオン吸着体の製造方法で得られた陰イオン吸着体を用いた陰イオン吸着方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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