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公開番号2025180246
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024087432
出願日2024-05-29
発明の名称有機フッ素化合物の除去率の推定方法、被処理水の処理方法、被処理水の処理装置
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/24 20230101AFI20251204BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】被処理水に含まれる有機フッ素化合物の量をリアルタイムでかつ短時間に推定できる有機フッ素化合物の除去率の推定方法、被処理水の処理方法及び被処理水の処理装置を提供する。
【解決手段】被処理水から被処理水に含まれる有機フッ素化合物を分離する泡沫分離処理方法において、有機フッ素化合物の除去率の傾向を推定する有機フッ素化合物の除去率の推定方法であって、界面活性剤を添加した被処理水に対して気体を送り込んだ際に、被処理水中の界面活性剤の濃度を測定し、前記界面活性剤と前記有機フッ素化合物の関係に基づき、被処理水中の有機フッ素化合物の減少率を予測する予測工程とを有する有機フッ素化合物の除去率の推定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水から、前記被処理水に含まれる有機フッ素化合物を分離する泡沫分離処理方法において、前記有機フッ素化合物の除去率の傾向を推定する有機フッ素化合物の除去率の推定方法であって、
界面活性剤を添加した前記被処理水に対して気体を送り込んだ際に、前記被処理水中の前記界面活性剤の濃度を測定し、前記界面活性剤と前記有機フッ素化合物の関係に基づき、前記被処理水中の前記有機フッ素化合物の減少率を予測する予測工程と、を有する、有機フッ素化合物の除去率の推定方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである、請求項1に記載の有機フッ素化合物の除去率の推定方法。
【請求項3】
被処理水から、前記被処理水に含まれる有機フッ素化合物を分離する被処理水の処理方法であって、
前記被処理水に界面活性剤を添加した後、前記被処理水に気体を送り込んで気泡を生成し、前記気泡の空気-水界面に界面活性剤および有機フッ素化合物を濃縮して泡沫を生成し、前記被処理水の水面の近傍にて前記泡沫を回収する回収工程と、
前記被処理水の前記界面活性剤の濃度を測定し、前記被処理水の前記界面活性剤の濃度がゼロになった際に、前記被処理水に気体を送り込むことを停止する停止工程と、を有する、被処理水の処理方法。
【請求項4】
被処理水から、前記被処理水に含まれる有機フッ素化合物を分離する被処理水の処理装置であって、
被処理水を貯留する貯留手段と、
前記貯留手段内の被処理水に界面活性剤を添加する添加手段と、
界面活性剤を添加した前記貯留手段内の被処理水に気体を送り込んで気泡を生成する気泡生成手段と、
前記気泡の空気-水界面に界面活性剤が濃縮した泡沫を回収する回収手段と、
前記貯留手段内の被処理水の前記界面活性剤の濃度を測定する測定手段と、
前記界面活性剤を添加した前記被処理水に対して気体を送り込んだ際に、前記被処理水中の前記界面活性剤の濃度を測定し、前記界面活性剤と前記有機フッ素化合物の関係に基づき、前記被処理水中の前記有機フッ素化合物の減少率を予測する予測手段と、を備える、被処理水の処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機フッ素化合物の除去率の推定方法、被処理水の処理方法、および被処理水の処理装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
現在、有機フッ素化合物(PFAS)に分類されるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)/ペルフルオロオクタン酸(PFOA)による環境汚染問題が顕在化している。PFOS/PFOAは、泡消火剤等で大量かつ広範囲に使用されていることから、国内外での規制が始まっている。泡消火の原理は燃焼に必要な空気を泡で遮断することである。泡消火剤は、界面活性剤を含んでいる。
【0003】
泡消火剤の主たる成分であるPFOS/PFOAおよび代替物質として使用されてきたPFHxSは、水になじむ性質を持つ「親水基」と油になじむ性質を持つ「疎水基」を有する構造である。これらの成分は、水中では界面活性物質としての挙動を示す。界面活性物質は、空気-水界面に濃縮される性質を持つ。この性質を利用して、水処理分野では、水中に空気を送入し、複数の気泡(空気-水界面)を生成させることで、界面に濃縮された界面活性物質を泡沫として回収する「泡沫分離法(Foam Fractionation)」が用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、原位置浄化井戸内に送気管を設け、地下水中に送気することによって地下水面に泡沫層を形成し、泡沫回収装置によって地上の気液分離槽に回収される仕組みが記載されている。特許文献1に記載の技術では、泡沫分離が適正に行われているかの判断は、原位置浄化井戸内の地下水を直接採取してPFOS/PFOA/PFHxS濃度を直接測定することで行われる。
【0005】
しかし、PFOS/PFOAの測定方法は、環境省水・大気環境局長から通知されている『環水大水発第2005281号、環水大土発第2005282号別表2付表1(令和2年5月28日)』(非特許文献1参照)に従う必要があり、前処理および分析操作が煩雑で測定に数日間(公的分析機関では数週間)を要するのが現状である。
【0006】
また、効果的な泡沫生成と含有する有機フッ素化合物の分離を実現するために「起泡剤」として界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム:以下、「SDS」)を添加することが有効であることが知られている(非特許文献2参照)。
【0007】
また、水処理を連続して行うためには、水質をリアルタイムで観察する必要がある。有機フッ素化合物含有水の処理システムとしては、特許文献2、3に記載の発明が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-50657号公報
米国特許出願公開第2021/0322951号明細書
特開2024-17890号公報
【非特許文献】
【0009】
水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)、環水大水発第2005281号、環水大土発第2005282号、令和2年5月28日
Effect of different co-foaming agents on PFAS removal from the environment by foam fractionation,Water Research (2023),Vol. 230-119532
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のPFOS/PFOAの測定方法では、泡沫分離法を用いた地下水浄化に際して、処理対象とする地下水が界面活性成分をほとんど含んでいないため、直接空気を吹き込んでも地下水面上で安定した泡沫を維持することができなかった。
また、特許文献2、3に記載の発明には、有機フッ素化合物を対象として水処理状況が確認できるような手段は含まれていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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