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公開番号2025179241
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-09
出願番号2025157179,2024093167
出願日2025-09-22,2021-02-15
発明の名称細胞培養プロセス探索方法、細胞培養プロセス探索プログラム、及び細胞培養プロセス探索装置
出願人富士フイルム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/00 20060101AFI20251202BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】最適な培養条件を探索することができる細胞培養プロセス探索方法、細胞培養プロセス探索プログラム、および細胞培養プロセス探索装置を提供する。
【解決手段】細胞培養プロセス探索方法は、複数のプロセス条件を生成するプロセス条件発生工程、生成した各プロセス条件に対して、細胞の培養予測結果を取得する培養結果予測工程であって、この工程は、細胞の仕組みやゲノムスケール代謝モデルを用いた代謝フラックス分析、またはフラックスバランス分析を含むシミュレーション方法を含み、培養予測結果から最適なプロセス条件を見出す、工程、細胞の増殖量や抗体のバイオプロダクション生成量に基づいて最適な培地組成および培養条件を選択する最適化プロセス条件取得工程と、を有し、最適化プロセス条件取得工程は、生成したプロセス条件と培養予測結果を入力し、機械学習により学習済みモデルである回帰モデルを用いて、最適なプロセスを算出する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
細胞を培養する複数のプロセス条件を発生させるプロセス条件発生工程と、
前記プロセス条件発生工程で、発生させた前記複数のプロセス条件の各々に対して、前記細胞の培養予測結果を取得する培養結果予測工程であって、培養する細胞の仕組み、及び、ゲノムスケール代謝モデルを用いた代謝フラックス分析、又は、フラックスバランス分析を含むモデル化アプローチを含む細胞培養シミュレーション方法を含む培養結果予測工程と、
前記培養結果予測工程で得られた前記培養予測結果から、最適なプロセス条件を見出す最適化プロセス条件取得工程であって、細胞の増殖量の多い順に所定の数、または、抗体のバイオプロダクション生成量の多い順に所定の数を選択することで、最適な培地組成及び培養条件を選択する最適化プロセス条件取得工程と、
を有し、
前記最適化プロセス条件取得工程は、
前記プロセス条件発生工程で生成させたプロセス条件、及び、前記培養結果予測工程により取得した前記培養予測結果を入力する入力工程と、
前記入力工程で入力した前記プロセス条件、及び、前記培養予測結果を学習データとし、機械学習により学習済みモデルを作成する作成工程と、
前記学習済みモデルを用いて、最適なプロセスを算出する算出工程と、を有し、
前記学習済みモデルは回帰モデルである細胞培養プロセス探索方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記プロセス条件は、複数の培地組成及び複数の培養条件の少なくともいずれか一方を含む請求項1に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項3】
前記培養条件は、培養方法、培養容器のサイズ及び種類、酸素添加、培地及び栄養素の補充、増殖阻害副産物を含有する培地の除去、及び、目的の生成物の収穫、の少なくとも1つを含む設定条件である請求項2に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項4】
前記培養条件は、小規模プロセスから大規模プロセスへのスケールアップの設計及び操作を含む請求項3に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項5】
前記プロセス条件発生工程で発生させた前記複数のプロセス条件を、マトリックスとして取得する請求項1から4のいずれか1項に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項6】
前記プロセス条件発生工程は、前記プロセス条件の項目の一部を選択し、選択された前記項目に対する数値を決定する請求項1から5のいずれか1項に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項7】
前記プロセス条件発生工程は、前記プロセス条件の項目に対する数値を、任意の数値に基づいて決定する方法、定められた範囲における乱数発生により決定する方法、実験により求めた数値により決定する方法、及び、拡張培地混合戦略に基づいて決定する方法、の少なくともいずれか1つを含む方法で行われる請求項1から6のいずれか1項に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項8】
前記定められた範囲は、生物が、培地成分を取り込む仕組みを数理モデル化した式を利用して設定される請求項7に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項9】
前記数理モデル化した式は、ミカエリス・メンテン式又はフィックの法則である請求項8に記載の細胞培養プロセス探索方法。
【請求項10】
前記乱数発生による方法は、前記プロセス条件の項目に対する数値を、連続一様乱数、連続正規乱数、離散乱数、又は、二項乱数により発生される数値を用いて決定する請求項7から9のいずれか1項に記載の細胞培養プロセス探索方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養プロセス探索方法、細胞培養プロセス探索プログラム、及び細胞培養プロセス探索装置に係り、特に、動物、植物に由来する細胞、微生物又は酵素の働きを利用して化学製品を生産するバイオプロダクションを生産するのに最適な細胞培養プロセスを探索する細胞培養プロセス探索方法、細胞培養プロセス探索プログラム、及び細胞培養プロセス探索装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
バイオプロダクション生産の培養条件(培地、培養方法、及び期間等)を検討するにあたり、膨大な培養条件の組み合わせの中から数十個の条件を選択して実験すること、及び、この実験を複数回繰り返すことが行われている。数十個の条件を選択する方法として、実験計画法を用いて行う方法が知られている。しかし、実験計画法では膨大な組み合わせがある中で、ごく限られた条件の組み合わせしか探索してない上、実験を繰り返すことで多大なコスト(時間、労力、材料等)がかかっていた。
【0003】
そこで、コンピュータによる最適条件の効率的な探索が行われている。近年、発酵等の代謝制御を行う目的で、代謝回路の解析についての研究が発展している。コンピュータにより、最適な培養条件を探索するためには、代謝回路の構造とともに各々の反応等に関わる定数等を測定することが必要である。しかしながら、細胞内の反応に関わる定数を測定することは一部のモデル生物を除き困難である。部分的に知られている定数を用いて、計算し得る代謝からバイオプロダクション生産の培養条件を検討する方法として、例えば、下記の特許文献1が知られている。
【0004】
一方、反応定数に関する情報を使わずに、代謝反応回路の構造のみから代謝反応量や増殖等の生物挙動を知る方法が開発されている。代謝流束バランス解析(Flux Balance Analysis:FBA)は、代謝に関わる定数が十分測定できない場合でも、代謝反応の構造のみを利用し、質量保存の法則などの基本的制約条件を基に、ターゲットとなる代謝回路の挙動範囲とその特徴を分析する。例えば、下記の非特許文献1には、まず、代謝反応を一連の一次方程式として記述し、この連立方程式の解のベクトル空間を定義し、次に、このベクトル空間を生化学的に意味のある基底に変換し、最後に、線形計画法で与えられた目的関数を最大化する代謝状態を特定することが記載されている。
【0005】
また、FBAに、代謝に影響を与える各種の環境要因や培養時間等を関連付け、最適な代謝回路情報を知る方法として、特許文献2が知られている。FBAを用いて、時間変動を考慮した培養結果を予測する方法、及び、最適な細胞に改変する情報を得る方法として、例えば、特許文献3及び特許文献4が知られている。細胞の代謝情報を培養中の培地組成変化から間接的に推察して、必要な成分を算出し培地を最適化する手法として、特許文献5が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-47994号公報
特開2003-180400号公報
米国特許出願公開第2012/0191434号明細書
米国特許出願公開第2012/0185226号明細書
特表2014-503220号公報
【非特許文献】
【0007】
Shilling, C. and Palsson, B., Proc. Nat. Acad. Sci., 95, 4193-4198, 1988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、微生物又は一部の生物機能等の規模が比較的小さいものに限定されていた。非特許文献1に記載の方法は、培養時間及び培養組成等の培養に関する情報は全く考慮されていなかった。特許文献2から4に記載の方法は、時間変動を考慮した培養予測結果、最適な培養条件及び培地組成を知る方法ではなかった。特許文献5に記載の方法は、実験を行わず、最適な培養条件及び培地組成を探索する方法ではなかった。
【0009】
このように、今までのコンピュータによる最適な細胞培養プロセスの探索においては、培地組成、培養方法、及び、培養期間などを考慮して探索する方法は行われていなかった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、細胞の培養、及び、バイオプロダクション生産に対して、実験を繰り返すことなく、培養過程を俯瞰した最適な培養条件を探索することができる細胞培養プロセス探索方法、細胞培養プロセス探索プログラム、及び細胞培養プロセス探索装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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