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公開番号2025176456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2024082628
出願日2024-05-21
発明の名称光学素子の製造方法及び光学素子
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類G02B 5/18 20060101AFI20251127BHJP(光学)
要約【課題】高視野角のヘッドマウントディスプレイ向け瞳拡張光学素子の製造方法及び光学素子を提供すること。
【解決手段】粒子207を含有している高屈折率樹脂を用いて、微細構造104aを含むパターン部104と、平坦面105とを備え、パターン部が平坦面よりも低い位置に形成され、かつ平坦面とパターン部の境界部が傾斜面106で、平坦面と傾斜面の間の傾斜角θが0.17°以上0.5°以下であるインプリント原盤101を使用することで高粘度かつ脆い高屈折樹脂を用いた瞳拡張光学素子においても、パターン欠損の発生しにくい光学素子を提供可能とする。
【選択図】図1B
特許請求の範囲【請求項1】
微細構造を含むパターン部と、平坦面を備え、
前記パターン部は前記平坦面よりも低い位置に形成され、かつ前記平坦面と前記パターン部の境界部が傾斜面で接続されており、
前記傾斜面の前記パターン部の底面に対する傾斜角θは0.17°以上0.5°以下であるインプリント原盤を使用し、
屈折率1.7以上の粒子を含有している紫外線硬化樹脂を用いて、前記インプリント原盤の前記パターン部の形状を転写する、光学素子の製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記インプリント原盤として、前記パターン部の最も構造高さが大きい部分の高さをHとしたときに、前記傾斜面の最大高さhがH以上、2H以下であるインプリント原盤を使用する請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記インプリント原盤として、前記傾斜面の幅はH×117以上、H×333以下であるインプリント原盤を使用する請求項1~2のいずれか1つに記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記紫外線硬化樹脂として、溶剤除去後に30wt%以上80wt%以下の前記粒子が含まれた高屈折率樹脂を使用する請求項1~2のいずれか1つに記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記インプリント原盤を使用してインプリントにより中間モールドを作製し、
前記転写のため、前記中間モールドを用いてインプリントにより回折格子であるインプリント素子を作製するとき、
基材に前記紫外線硬化樹脂を塗布し、
前記前記紫外線硬化樹脂に対して前記中間モールドを前記基材の端からローラで押し付けることで、前記インプリント原盤の前記パターン部の前記微細構造により前記中間モールドに形成されている微細構造部内に前記紫外線硬化樹脂を充填させ、
紫外線光源から紫外線を前記紫外線硬化樹脂に照射して硬化したのち前記紫外線硬化樹脂から前記中間モールドを離型することで、前記基材上の前記紫外線硬化樹脂に前記インプリント原盤の前記パターン部の形状を転写する、
請求項1~2のいずれか1つに記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
請求項1~2のいずれか1つの製造方法により製造した光学素子。
【請求項7】
請求項5の製造方法により製造した光学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばヘッドアップディスプレイ(HUD)、又はヘッドマウントディスプレイ(HMD)用途に用いられる光回折格子用途のための微細構造を有する光学素子の製造方法及び、それを用いた光学素子に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、視認可能な画像を生成するための回折格子ユニットが用いられる。回折格子ユニットは、画像源からの画像を導波路に繋ぐインカップリング格子(in-coupling grating)と、ユーザーが最終的に視認可能な画像を生成するアウトカップリング格子(out-coupling grating)で構成され、これら回折格子ユニットは広い視野角で認識できるように設計され、瞳拡張光学素子として用いられる。
【0003】
これら回折格子に用いられる微細凹凸形状を、枠部としての凸部で囲まれたパターン部に形成する方法としては、シリコンウエハにドライエッチングによりパターンを形成する方法が挙げられる。さらに、大量の回折格子を生産する場合には、これを原盤として用いてインプリントにより中間モールドを作製し、さらにこの中間モールドを用いてインプリントにより回折格子であるインプリント素子を形成する。
【0004】
前記微細凹凸形状は1マイクロメートル以下のピッチ、かつアスペクト比(凹凸の深さ/凹凸幅)が1.5以上で形成されており、凹凸形状に外力が加えられることで容易に破損する。そのため、先行例として特許文献1のように、枠部としての凸部で囲まれたパターン部の微細凹凸形状を、凸部の平面(すなわち基準平面)よりも低い位置に形成することで、微細凹凸形状に外力が加わらないようにする方法が行われている。
【0005】
一方でヘッドマウントディスプレイにおいては、眼前により広範囲に映像を投影するために視野角の拡大が要求されている。これを実現する方法としては、視野角の映像を伝達するために素子に使用する光学材料の高屈折率化が必須であり、具体的には視野角50°以上を実現するためには屈折率nd1.7以上の樹脂が必要となる(特許文献2)。素子形成に用いられるナノインプリントの紫外線硬化樹脂は、高屈折率化を求める場合、樹脂内にTiO

又はZrO

の高屈折率粒子を含有させることで屈折率nd1.8以上を実現することができる反面、以下2点の留意事項がある。1つ目として重合前の液体状態の粘度が非常に高いこと、2つ目として重合後の固体状態で脆いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023―148806号公報
US2022/0128817A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのうちの重合前の液体状態の粘度が非常に高いことについては、有機溶剤を混合することにより粘度を下げることでスピンコートなどの塗工時における課題は解決するものの、その後に前述した中間モールドを押し付けてインプリントをする際に気泡の排出又は最終製品におけるパターンの全体の平面度に影響を及ぼしてしまい、特許文献1で用いた原盤を用いても、成形後のインプリント素子において、パターン部が基準平面よりも高い位置に形成されてしまうことで微細凹凸形状に外力が加わりやすくなる課題がある。
【0008】
以上から、高視野角のヘッドマウントディスプレイを実現する瞳拡張光学素子を実現するためには上記課題解決が必要であるといえる。
【0009】
本発明の目的は、高屈折率粒子を含有した脆い高屈折率樹脂を用いた場合においても、パターン部を囲む枠部としての凸部の平面である基準平面よりも高い位置にパターン部が形成されず、微細凹凸形状に外力が加わらないようにすることができる、高視野角のヘッドマウントディスプレイ向け瞳拡張光学素子などの光学素子の製造方法及び光学素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の一態様にかかる、光学素子の製造方法は、微細構造を含むパターン部と、平坦面を備え、
前記パターン部は前記平坦面よりも低い位置に形成され、かつ前記平坦面と前記パターン部の境界部が傾斜面で接続されており、
前記傾斜面の前記パターン部の底面に対する傾斜角θは0.17°以上0.5°以下であるインプリント原盤を使用し、
屈折率1.7以上の粒子を含有している紫外線硬化樹脂を用いて、前記インプリント原盤の前記パターン部の形状を転写する。
(【0011】以降は省略されています)

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