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公開番号2025175044
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2025147401,2023174011
出願日2025-09-05,2023-10-06
発明の名称荷電粒子システムのための電力消費の低減
出願人エフ イー アイ カンパニ,FEI COMPANY
代理人弁理士法人ITOH
主分類H01J 37/141 20060101AFI20251120BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】先行技術の短所及び不利点を克服するかあるいは少なくとも軽減する。すなわち、待機モードにあるときに荷電粒子光学を備えているシステムの電力消費を低減する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、荷電粒子システムの電力消費を低減するための方法に関するものであり、荷電粒子システムは、少なくとも1つの荷電粒子光学要素と、少なくとも1つの荷電粒子光学要素を冷却するように構成された冷却アセンブリと、を備え、本方法は、荷電粒子システムを待機モードで運転する工程を含み、荷電粒子システムの総電力消費は、荷電粒子システムを動作モードで運転することと比較して、低減される。更に、本発明は、それぞれの荷電粒子システムに関する。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
荷電粒子システムの電力消費を低減するための方法であって、
前記荷電粒子システムは、少なくとも1つの荷電粒子光学要素と、前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素を冷却するように構成された冷却アセンブリと、を備え、
当該方法は、前記荷電粒子システムを待機モードで運転する工程を含み、前記荷電粒子システムの総電力消費が、前記荷電粒子システムを動作モードで運転することと比較して、低減される、
方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素の各々が、それぞれの要素温度を備え、
当該方法は、前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素のうちの少なくとも1つのそれぞれの温度設定点を判定することを更に含み、
前記荷電粒子システムを前記待機モードで運転することは、
前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素の前記冷却を低減及び/又は停止することと、
前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素の前記それぞれの要素温度を前記それぞれの温度設定点に安定化させることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素は、電流駆動され、当該方法は、それぞれの電流を前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素に提供することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれの要素温度を安定化させることは、関連付けられた荷電粒子光学要素にそれぞれの待機電流を提供することを含み、
前記それぞれの待機電流を提供することは、前記関連付けられた荷電粒子光学要素に提供される前記それぞれの待機電流を制御することを含む、
請求項3に記載の、及び請求項2に記載の特徴を有する方法。
【請求項5】
前記関連付けられた荷電粒子光学要素に提供される前記それぞれの待機電流を制御することは、前記荷電粒子システムを前記動作モードで運転することと比較して、平均電流を低減することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記関連付けられた荷電粒子光学要素の前記それぞれの要素温度を安定化させることは、前記関連付けられた荷電粒子光学要素の現在の要素温度を判定することを含み、
前記それぞれの待機電流を制御することは、前記関連付けられた荷電粒子光学要素の前記現在の要素温度を前記それぞれの温度設定点と比較し、前記比較に基づいて、前記提供されたそれぞれの待機電流を調整することを含む、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記関連付けられた荷電粒子光学要素に提供される前記それぞれの待機電流を制御することは、前記関連付けられた荷電粒子光学要素に供給される前記平均電流を低減するように、前記待機電流を変調することを含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記待機モードで運転する前記荷電粒子システムの前記電力消費は、前記荷電粒子システムを前記動作モードで運転することと比較して、少なくとも33%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%低減される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの荷電粒子光学要素は、電磁レンズである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記荷電粒子システムは、荷電粒子ビーム顕微鏡システムである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、荷電粒子光学の分野に関するものであり、具体的には、例えば、荷電粒子ビーム顕微鏡システムで使用される電磁レンズに関する。より具体的には、本発明は、荷電粒子システム及びそれぞれの荷電粒子システムの電力消費を低減するための方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム顕微鏡システムは、マイクロスケール又はナノスケールシステム、例えば、サンプル、の正確な観察、特徴付け、及び/又は製造に広く使用されている。荷電粒子の使用により、これらのシステムは、有利には、光の使用に依存する従来の光学顕微鏡システムよりも高い解像度を提供することができる。実際には、荷電粒子ビーム顕微鏡システムでは、通常、数十pm~数百nmの範囲の解像度を可能にする。かかるシステムは、例えば、電子ビーム顕微鏡又はイオンビーム顕微鏡であり得る。
【0003】
従来の光学顕微鏡システムと同様に、荷電粒子ビーム顕微鏡システムは、荷電粒子ビームを操作する(例えば、合焦させる)ための荷電粒子光学、特にレンズ、を必要とする。かかる荷電粒子光学は、一般的には、光学媒体が光線に作用するのと同様に、荷電粒子に電磁場が作用することに基づいている。荷電粒子ビーム顕微鏡システムでは、荷電粒子光学は、特に電磁レンズを備え得る。
【0004】
具体的には、電磁レンズは、電磁石又は単にコイルとも称される少なくとも1つの電磁コイルを備え得る。これらのシステムは、配線抵抗のため、数アンペアほど、例えば、1~20Aの範囲の電流を必要とし、また、システムに相当な熱を導入する。したがって、荷電粒子光学は、システムの異なる構成要素の熱膨張及び熱収縮に起因する熱ドリフトを誘導し得る。したがって、典型的には、システムを熱的に安定化させ、かつ熱ドリフトを回避するために、更には、過熱によってコイル及び/又は他の要素が損傷するのを防止するために、能動冷却が提供される。
【0005】
しかしながら、荷電粒子光学のシステムを利用する室温でのシステムは、システム及び特に荷電粒子光学をオンにした後に安定化させるのに相当な時間かかる。すなわち、システムをオンにした後にシステムが安定になるまでに何時間もかかり得る。更に、システムが安定化する起動時間中に生じるシステムのドリフトによって、以前に行った調整が、システムの状態にもはや適合しなくなる。全体的に、これは、ユーザにはそのシステムが使用不可であることを意味する。したがって、現在の荷電粒子ビーム顕微鏡システムは、典型的には、温度の安定性及び性能を保証するために、24時間、週7日にわたって運転されている。換言すれば、現在、かかるシステムは、オフにすることが実用的ではないので、性能の可用性を保証するために24/7にわたってオンにすることが標準的である。
【0006】
しかしながら、荷電粒子光学を利用する荷電粒子システムにおける、例えば、透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope、TEM)などの荷電粒子ビーム顕微鏡システムにおける電力使用のかなりの部分は、温度安定性及び性能を維持するために、光学システム及び当該光学システムの冷却に起因し得る。換言すれば、温度安定性及び性能は、システムが現在使用中でないとき、すなわち、システムがアイドルモードであるときであっても、高い電力消費という代償を伴う。加えて、性能要求の増加は、一般的には、どちらも光学力及び冷却に影響を及ぼす光学力及び/又は温度安定性の要求の増加につながる。同様に、特定の荷電粒子システムの最大定電力の導入は、システムがアイドル状態であるときの荷電粒子光学の電力使用を増加させ得る。これに関して、最大定電力とは、それぞれの荷電粒子システムの最大加速電圧までの荷電粒子光学要素の正味合焦力とは無関係に電力散逸が一定であるように、荷電粒子光学要素、例えば、荷電粒子光学要素、の複数のコイルを駆動することを指し得、最大加速電圧は、例えば、120kV、200kV、300kV、又は400kvのうちの1つであり得る。
【0007】
一般的には、エネルギーを節約し、温室効果ガス当量を低減し、規則を遵守し、及び/又はコストを削減するために、電力消費を低減する必要性が存在する。しかしながら、上で提供した理由のため、電力を節約するために、単に光学(又はシステム全体)を使用しないときにオフにすることは、許容可能ではない。これは単に、実用的ではなく、システムを使用不可にし得る。
【0008】
上記を鑑みて、先行技術の短所及び不利点を克服するか、又は少なくとも軽減することが目的である。すなわち、本発明の目的は、待機モードにあるときに、荷電粒子光学を備えているシステムの電力消費を低減するための方法及びシステムを提供することである。
【0009】
これらの目的は、本発明によって満たされる。
【発明の概要】
【0010】
第1の実施形態では、本発明は、荷電粒子システムの電力消費を低減するための方法に関し、荷電粒子システムは、少なくとも1つの荷電粒子光学要素と、少なくとも1つの荷電粒子光学要素を冷却するように構成された冷却アセンブリと、を備え、本方法は、荷電粒子システムを待機モードで運転する工程を含み、荷電粒子システムの総電力消費は、荷電粒子システムを動作モードで運転することと比較して、低減される。すなわち、本方法は、荷電粒子システムのための待機モードを提供し、有利には、システムがアイドル状態であるとき、例えば、夜間及び/又は週末に、電力/エネルギーを節約することができるように、通常動作モードと比較して総電力消費が低減される。電力を節約することに加えて、ユーザに対する別の主な利益は、本方法が、電力の節約と、待機モードと動作モードとの間で切り替えるときの熱安定化時間を最小にすることとを組み合わせていることであり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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