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公開番号2025160034
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2024062991
出願日2024-04-09
発明の名称水質分析装置および発電プラント
出願人四国電力株式会社,株式会社四国総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 15/06 20240101AFI20251015BHJP(測定;試験)
要約【課題】粒径2μm以下の微小粒子を含むサンプル水に含まれる粒子の濃度を、リアルタイムかつ連続して高精度に測定することができる、水質分析装置および発電プラントを提供する。
【解決手段】サンプル水に含まれる粒子の粒径および個数を光学的に計測する計測部と、計測された粒子の粒径および個数に基づいて、サンプル水に含まれる粒子の濃度を算出し、算出した粒子の濃度を、検量線を用いて補正することで、サンプル水に含まれる粒子の濃度の補正値をリアルタイムかつ連続して算出する、演算部と、を有し、検量線は、予め、サンプル水を計測部で計測した粒子の粒径および個数に基づいて算出したサンプル水に含まれる粒子の濃度(A)と、予め、分析対象であるサンプル水をろ過し、当該サンプル水に含まれる粒子を捕集し、捕集した粒子の重量に基づいて算出した当該サンプル水に含まれる粒子の濃度(B)との対応関係に基づいて作成された検量線である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外部からサンプル水を継続して取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の粒径および個数を光学的に連続して計測する計測部と、
前記計測部で計測された前記粒子の粒径および個数に基づいて、前記サンプル水に含まれる粒子の濃度を算出し、算出した前記粒子の濃度を、検量線を用いて補正することで、前記サンプル水に含まれる粒子の濃度の補正値を連続して算出する、演算部と、を有し、
前記検量線は、予め、分析対象であるサンプル水を前記計測部で計測し、前記計測部で計測した粒子の粒径および個数に基づいて算出した当該サンプル水に含まれる粒子の濃度(A)と、予め、分析対象であるサンプル水をろ過し、当該サンプル水に含まれる粒子を捕集し、捕集した粒子の重量に基づいて算出した当該サンプル水に含まれる粒子の濃度(B)との対応関係に基づいて作成された検量線である、水質分析装置。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
サンプル水の流量を調整可能なフローポンプを有し、
前記フローポンプは、ダイヤフラムポンプである、請求項1に記載の水質分析装置。
【請求項3】
装置内部を流れるサンプル水の水圧が一定圧力以上となった場合に、弁を自動で開く、リリーフ弁を有する、請求項1に記載の水質分析装置。
【請求項4】
前記計測部は、光源から光をサンプル水に向けて照射し、サンプル水に含まれる粒子により散乱した散乱光を受信することで、前記粒子の濃度を測定する、請求項1に記載の水質分析装置。
【請求項5】
前記濃度(B)は、複数の日数にわたって、分析対象であるサンプル水をろ過材に通水して捕集した粒子の重量に基づいて算出される、請求項1に記載の水質分析装置。
【請求項6】
ボイラーと、
前記ボイラーに供給される水の一部をサンプル水として取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の濃度を測定する、請求項1ないし5のいずれかに記載の水質分析装置と、を有する、発電プラント。
【請求項7】
ポンプまたはヒーターをさらに有し、
前記ポンプまたは前記ヒーターからボイラーへと供給される水の一部をサンプル水として取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の濃度を測定する、請求項6に記載の発電プラント。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所などの発電プラントのボイラーに給水する水などの水質を分析する水質分析装置およびそれを有する発電プラントに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
火力発電所などの発電プラントにおいては、ボイラーに水を給水し、給水した水をボイラーで水蒸気に変えて、タービンを回転させ、電気を発生させる。また、タービンを回転させた水蒸気は、復水器で冷却されて水に戻り、再度、ボイラーへと給水される。このように、タービンに供給される水は発電プラント1を循環するが、ボイラーなどの機器は鋼材や銅合金などの金属で構成されているため、これら金属由来の腐食生成物が生成され、これら腐食生成物がスケールとしてボイラーの伝熱面に付着し、ボイラーの熱効率低下や管壁温度の上昇などを引き起こす場合がある。このようなリスクを低減するため、ボイラーに供給される水の水質管理として、ボイラーに供給される水に含まれる腐食生成物などの粒子の量を分析し把握する必要がある。
【0003】
このような観点から、火力発電所などの発電プラントでは、起動時および定常運転時における水質管理指標として、全鉄濃度(鉄粒子・鉄コロイド・鉄イオン)を計測分析することが行われている。しかしながら、定常運転時における全鉄濃度は低濃度であるため、全鉄濃度が低濃度である場合も適切に測定できる装置が希求されていた。
これに対して、出願人は、特許文献1において、粒子センサーを用い、プラントの系統水から採取したサンプル水に含まれる粒子の粒径と粒子数を検出し、粒径区分ごとに粒子数を割り出し、粒径区分ごとの粒子数から粒径区分ごとの粒子の総体積を求め、算出した総体積に鉄比重を乗じて粒子区分全体で総和することで、全鉄濃度を高精度に算出する技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5534329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1に記載の水質分析装置では、全鉄濃度をリアルタイムかつ連続して高精度に算出することができたが、特許文献1に記載の方法では、測定可能な鉄粒子の粒径下限値は2μm程度である一方、火力発電所などの発電プラントの定常運転時においては、ボイラーに給水される水やボイラー内を流れる水に含まれる粒子の大部分が粒径2μm以下の微小粒子となる場合があり、このようなサンプル水に含まれる粒子の濃度をリアルタイムかつ連続して高精度に測定することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、粒径2μm以下の微小粒子を含むサンプル水における粒子の濃度を、リアルタイムかつ連続して高精度に測定することができる、水質分析装置および発電プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る水質分析装置は、外部からサンプル水を継続して取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の粒径および個数を光学的に連続して計測する計測部と、前記計測部で計測された前記粒子の粒径および個数に基づいて、前記サンプル水に含まれる粒子の濃度を算出し、算出した粒子の濃度を、検量線を用いて補正することで、前記サンプル水に含まれる粒子の濃度の補正値を連続して算出する、演算部と、を有し、前記検量線は、予め、分析対象であるサンプル水を前記計測部で計測し、前記計測部で計測した粒子の粒径および個数に基づいて算出した当該サンプル水に含まれる粒子の濃度(A)と、予め、分析対象であるサンプル水をろ過し、当該サンプル水に含まれる粒子を捕集し、捕集した粒子の重量に基づいて予め算出した当該サンプル水に含まれる粒子の濃度(B)との対応関係に基づいて作成された検量線である。
上記水質分析装置において、サンプル水の流量を調整可能なフローポンプを有し、前記フローポンプは、ダイヤフラムポンプである構成とすることができる。
上記水質分析装置において、装置内部を流れるサンプル水の水圧が一定圧力以上となった場合に、弁を自動で開く、リリーフ弁を有する構成とすることができる。
上記水質分析装置において、前記計測部は、光源から光をサンプル水に向けて照射し、サンプル水に含まれる粒子により散乱した散乱光を受信することで、前記粒子の濃度を測定する構成とすることができる。
上記水質分析装置において、前記濃度(B)は、複数の日数にわたって、分析対象であるサンプル水をろ過材に通水して捕集した粒子の重量に基づいて算出される構成とすることができる。
本発明に係る発電プラントは、ボイラーと、前記ボイラーに供給される水の一部をサンプル水として取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の濃度を測定する、上記水質分析装置と、を有する。
上記発電プラントにおいて、ポンプまたはヒーターをさらに有し、前記ポンプまたは前記ヒーターからボイラーへと供給される水の一部をサンプル水として取り込み、当該サンプル水に含まれる粒子の濃度を測定する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検量用のサンプル水に含まれる粒子の濃度を光学的に測定した結果と、検量用のサンプル水をろ過して粒子を捕集し、捕集した粒子の重量に基づいて測定した結果との相関関係に基づいて作成した検量線を用いることで、粒径2μm以下の微小粒子を含むサンプル水に含まれる粒子の濃度であっても、リアルタイムかつ連続して高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
発電プラントの水循環システムに、本実施形態に係る水質分析装置を適用した場合の概要図である。
本実施形態に係る水質分析装置を示す構成図である。
本実施形態における検量線の一例を示すグラフである。
JIS B 8224に規定された懸濁物質の測定方法により測定したサンプル水に含まれる粒子の濃度(B:分析値)と、検量線を用いて補正したサンプル水に含まれる粒子の濃度(C:補正後測定値)との関係を示す図である。
補正前のサンプル水に含まれる粒子の濃度(A:測定値)と、発電機の出力との関係性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図に基づいて、本発明に係る水質分析装置の実施形態を説明する。本発明に係る水質分析装置は、分析対象である水または水溶液に含まれる粒子の濃度を、リアルタイムかつ連続して測定する装置であり、特に、分析対象が粒径2μm以下の大きさの微小粒子を含む場合でも、分析対象における粒子の濃度を高精度に測定することができることを特徴とする。なお、本発明において、「リアルタイム」とは、実際の測定時間と測定結果の出力時間との間に数秒~数十秒の遅れを含むものであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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