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公開番号
2025158112
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-16
出願番号
2025061222
出願日
2025-04-02
発明の名称
調光素子用シール剤、硬化性樹脂組成物の調光素子用シール剤としての使用、調光素子、及び、合わせガラス
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
G02F
1/1339 20060101AFI20251008BHJP(光学)
要約
【課題】高温環境下においても調光材料を有する調光素子に対して優れた封止性能を有する調光素子用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、硬化性樹脂組成物の該調光素子用シール剤としての使用方法、並びに、該調光素子用シール剤の硬化物を含む調光素子及び合わせガラスを提供することを目的とする。
【解決手段】調光材料を有する調光素子を封止するために用いられる調光素子用シール剤であって、硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有し、前記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含み、前記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であり、前記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が65℃以上である調光素子用シール剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
調光材料を有する調光素子を封止するために用いられる調光素子用シール剤であって、
硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有し、
前記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含み、
前記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であり、
前記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が65℃以上である
ことを特徴とする調光素子用シール剤。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が8.0度以上である請求項1記載の調光素子用シール剤。
【請求項3】
前記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が80℃以上である請求項1又は2記載の調光素子用シール剤。
【請求項4】
前記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が110℃以上である請求項3記載の調光素子用シール剤。
【請求項5】
前記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が120℃以下である請求項1又は2記載の調光素子用シール剤。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル化合物は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む請求項1又は2記載の調光素子用シール剤。
【請求項7】
前記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、エポキシ(メタ)アクリレートを含む請求項6記載の調光素子用シール剤。
【請求項8】
前記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、1分子中に1つ以上の芳香環を有する(メタ)アクリル化合物を含む請求項6記載の調光素子用シール剤。
【請求項9】
前記調光材料は、固体状の調光材料である請求項1又は2記載の調光素子用シール剤。
【請求項10】
前記固体状の調光材料は、PDLCである請求項9記載の調光素子用シール剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光素子用シール剤に関する。また、本発明は、硬化性樹脂組成物の該調光素子用シール剤としての使用方法、並びに、該調光素子用シール剤の硬化物を含む調光素子及び合わせガラスに関する。
続きを表示(約 4,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電圧を印加することにより光の透過率が変化する調光素子は広い用途に用いられており、例えば、建築物や自動車等では、調光素子を含む合わせガラスが用いられている。このような合わせガラスでは、調光材料を透明電極付きフィルムで挟持した調光素子が中間膜及び1対のガラスで挟持されている。
また、調光素子では、通常、調光材料を水分や汚染物質等から保護するためにシール剤が用いられている。例えば、特許文献1には、液晶層を水分、酸、紫外線等から守るために、調光フィルムの周縁部に硬化性樹脂を用いたシール部が塗布形成により設けられることが開示されている。また、特許文献2には、PET等からなるバリア材を、機能素子の積層体の少なくともいくつかの層と溶融接合等することにより素子を封止する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-95084号公報
特表2020-529046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
合わせガラス等において調光素子が中間膜により挟持される場合、調光素子の端部の調光機能が低下することがあった。そのため、調光素子を有する合わせガラスでは、シール剤によるシール部を調光素子と中間膜との間に設ける設計が行われている。一方、近年、調光素子を用いたデバイスには、高温環境下での駆動等における信頼性がますます要求されているものの、従来のシール剤では、高温環境下において充分な封止性能を発揮させることが困難であった。
また、特許文献2に開示されたような封止方法では、加温時に上下基板が溶融するおそれがあった。
本発明は、高温環境下においても調光材料を有する調光素子に対して優れた封止性能を有する調光素子用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、硬化性樹脂組成物の該調光素子用シール剤としての使用方法、並びに、該調光素子用シール剤の硬化物を含む調光素子及び合わせガラスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示1は、調光材料を有する調光素子を封止するために用いられる調光素子用シール剤であって、硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有し、上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含み、上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であり、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が65℃以上である調光素子用シール剤である。
本開示2は、上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が8.0度以上である本開示1の調光素子用シール剤である。
本開示3は、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が80℃以上である本開示1又は2の調光素子用シール剤である。
本開示4は、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が110℃以上である本開示3の調光素子用シール剤である。
本開示5は、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が120℃以下である本開示1、2、3又は4の調光素子用シール剤である。
本開示6は、上記(メタ)アクリル化合物は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む本開示1、2、3、4又は5の調光素子用シール剤である。
本開示7は、上記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、エポキシ(メタ)アクリレートを含む本開示6の調光素子用シール剤である。
本開示8は、上記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、1分子中に1つ以上の芳香環を有する(メタ)アクリル化合物を含む本開示6又は7の調光素子用シール剤である。
本開示9は、上記調光材料は、固体状の調光材料である本開示1、2、3、4、5、6、7又は8の調光素子用シール剤である。
本開示10は、上記固体状の調光材料は、PDLCである本開示9の調光素子用シール剤である。
本開示11は、可塑剤を含む樹脂組成物が周囲に配置された調光素子を封止するために用いられる本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の調光素子用シール剤である。
本開示12は、硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含み、上記硬化性樹脂組成物の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であり、上記硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が65℃以上である硬化性樹脂組成物の調光素子用シール剤としての使用である。
本開示13は、調光材料と、該調光材料を封止する調光素子用シール剤の硬化物とを有する調光素子であって、上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であり、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度が65℃以上である調光素子である。
本開示14は、本開示13の調光素子と、該調光素子を挟持する中間膜と、該中間膜を挟持する1対のガラスとを有する合わせガラスである。
以下に本発明を詳述する。
【0006】
本発明者は、調光素子の端部の調光機能の低下は、中間膜等を構成する樹脂組成物に含まれる可塑剤と調光材料とが接触することによるものであると考え、該可塑剤との相溶性が低く、硬化後のガラス転移温度が特定の温度以上であるシール剤により調光素子の端部を封止することを検討した。その結果、該シール剤は、高温環境下においても優れた封止性能を発揮することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本発明の調光素子用シール剤は、該調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角の下限が7.5度である。上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角が7.5度以上であることにより、本発明の調光素子用シール剤は、可塑剤と調光材料とが接触することによる調光素子の調光機能の低下を抑制することができるものとなる。上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角の好ましい下限は8.0度、より好ましい下限は9.0度である。
また、上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は80度である。
上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角は、7.5度~80度であってもよいし、8.0度~80度であってもよいし、9.0度~80度であってもよい。
なお、上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角は、長さ10cm、幅10cm、厚さ0.3mmの調光素子用シール剤の硬化物について、JIS R 3257:1999に従った静滴法にて、液滴としてトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)を使用し、25℃、50%RHにおいて、接触角計を用いて、滴下量2μL、滴下3秒後の条件で測定することができる。上記接触角計としては、例えば、Drop Master(協和界面科学社製)等を用いることができる。
また、上記接触角及び後述するガラス転移温度を測定する調光素子用シール剤の硬化物は、上記調光素子用シール剤に対して光照射や加熱を行うことにより得ることができる。具体的な硬化方法としては、光硬化型の調光素子用シール剤の場合は波長340nm、照度100mW/cm
2
の光を30秒間照射する方法等が用いられ、熱硬化型の調光素子用シール剤の場合は120℃で60分間加熱する方法等が用いられ、光熱硬化型の調光素子用シール剤の場合はこれら両方の方法が組み合わせて用いられる。上記調光素子用シール剤を光硬化させる場合に照射する光の波長は、後述する光ラジカル重合開始剤の吸収波長等に応じて適宜選択される。
【0008】
上記調光素子用シール剤の硬化物とトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)との接触角を調整する方法としては、例えば、後述する(メタ)アクリル化合物中のアクリル化合物の含有割合を上げる、後述する(メタ)アクリル化合物として水酸基を有する化合物を用いる、(メタ)アクリル化合物として長い炭化水素鎖を有する化合物を用いない又はその含有割合を下げる等の方法が挙げられる。これらは、後述するガラス転移温度とのバランスを調整しながら行われる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
【0009】
本発明の調光素子用シール剤は、該調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度の下限が65℃である。上記硬化物のガラス転移温度が65℃以上であることにより、本発明の調光素子用シール剤は、高温環境下においても優れた封止性能を有するものとなる。高温環境下における封止性の観点からは、上記硬化物のガラス転移温度の好ましい下限は80℃、より好ましい下限は110℃、更に好ましい下限は120℃である。
また、フィルムに対する形状追従性等の観点からは、上記硬化物のガラス転移温度の好ましい上限は180℃、より好ましい上限は160℃、更に好ましい上限は145℃である。更に、フィルム剥がれ防止性の観点からは、上記硬化物のガラス転移温度は120℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。
上記硬化物のガラス転移温度は、65℃~180℃であってもよいし、65℃~160℃であってもよいし、65℃~145℃であってもよいし、65℃~120℃であってもよいし、65℃~110℃であってもよいし、80℃~180℃であってもよいし、80℃~160℃であってもよいし、80℃~145℃であってもよいし、80℃~120℃であってもよいし、80℃~110℃であってもよいし、110℃~180℃であってもよいし、110℃~160℃であってもよいし、110℃~145℃であってもよいし、110℃~120℃であってもよいし、120℃~180℃であってもよいし、120℃~160℃であってもよいし、120℃~145℃であってもよい。
なお、上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、引張モード、試験片幅5mm、厚さ300μm、掴み幅25mm、昇温速度10℃/分、温度範囲-80℃~200℃、周波数10Hzの条件で動的粘弾性を測定した際の、損失正接(tanδ)の極大値の温度として得ることができる。上記動的粘弾性測定装置としては、例えば、DVA-200(IT計測制御社製)等を用いることができる。
【0010】
上記調光素子用シール剤の硬化物のガラス転移温度を調整する方法としては、例えば、後述する(メタ)アクリル化合物中のメタクリル化合物の含有割合を上げる、後述する(メタ)アクリル化合物として橋掛け環構造等の剛直な骨格を有する化合物を用いる、硬化物の架橋密度を高くする等の方法が挙げられる。これらは、上述した接触角とのバランスを調整しながら行われる。
(【0011】以降は省略されています)
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