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公開番号2025104758
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222800
出願日2023-12-28
発明の名称冷凍パン生地の劣化抑制剤、それを用いる冷凍パン生地の劣化を抑制する方法、冷凍パン生地の製造方法およびパンの製造方法
出願人Bフードサイエンス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A21D 2/18 20060101AFI20250703BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】 パン生地の長期冷凍保存による劣化を抑制し、冷凍保存可能な期間を延長する技術を提供する。
【解決手段】 下記(ア)および/または(イ)の還元水飴を有効成分とする、冷凍パン生地の劣化抑制剤;(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、(イ)デキストロース当量が10以上35以下の水飴を還元してなる、還元水飴。本発明によれば、冷凍パン生地の劣化を抑制することができる。詳細には、例えば、冷凍パン生地を用いたパンの体積減少や食感の硬化といった品質低下を抑制することができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記(ア)および/または(イ)の還元水飴を有効成分とする、冷凍パン生地の劣化抑制剤;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(イ)デキストロース当量が10以上35以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
下記(ウ)および/または(エ)の還元水飴を有効成分とする、冷凍パン生地の劣化抑制剤;
(ウ)糖組成が、単糖が2~10質量%、二糖が15~55質量%、三糖が15~65質量%、四糖が1~15質量%および五糖以上が1~38質量%である、還元水飴、
(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
【請求項3】
下記(オ)~(キ)から選択されるいずれかの糖アルコールを有効成分とする、冷凍パン生地の劣化抑制剤;
(オ)ソルビトール、
(カ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(キ)デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
【請求項4】
冷凍パン生地を用いて製造されるパンの体積低下を抑制するために用いられることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の剤。
【請求項5】
冷凍パン生地を用いて製造されるパンの硬化を抑制するために用いられることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の剤。
【請求項6】
パン生地を組成する材料に、請求項1~3のいずれかに記載の剤を混合する工程を含む、冷凍パン生地の劣化を抑制する方法。
【請求項7】
パン生地を組成する材料に、請求項1~3のいずれかに記載の剤を混合する工程を含む、冷凍パン生地の製造方法。
【請求項8】
請求項1~3のいずれかに記載の剤を含む冷凍パン生地を解凍して加熱する工程を含む、パンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の糖アルコールを有効成分とする冷凍パン生地の劣化抑制剤、それを用いる冷凍パン生地の劣化を抑制する方法、冷凍パン生地の製造方法およびパンの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
パンは、一般に、生地の仕込みから焼成まで、多くの工程と長い時間をかけて製造される食品である。近年では、より簡易にあるいは短時間で焼き立てのパンを提供するため、パン製造に要する時間や工程の管理を容易にするため、品質の均一性を向上させるため等の理由から、パン生地を冷凍して保管ないし流通させ、適宜、これを解凍・焼成してパンを製造することが行われている。
【0003】
一方で、冷凍パン生地を用いたパンでは、解凍時の生地ダレやパン表面の肌荒れ(いわゆるナシ肌)の発生、焼きムラ、パン内相の劣化、焼成後のパン体積の低下、硬化やボソツキといった食感低下などの品質劣化が生じることが問題になっている。そこで、冷凍パン生地ないしこれを用いるパンの改良技術が研究開発されており、例えば、特許文献1には、アルファ化デンプンと糖アルコールとを併用することで、パン類の冷凍生地の劣化を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表第2002-186408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、冷凍パン生地は、冷凍保存期間が長くなるほど劣化が進む。特に、後述する実施例で示すように、冷凍保存期間が3ヶ月を超えると急激に劣化し、これを用いたパンの体積減少や食感の硬化が生じる。そこで、本願発明者らは、係る劣化を抑制し、冷凍パン生地の賞味期限(冷凍保存可能な期間)を長くすることができれば、食品ロスの低減、生地仕込みや運搬回数の低減等につながり、生産効率の飛躍的な向上を図ることができると考えた。
【0006】
この点、特許文献1に記載の技術では、わずか7日間の冷凍保存後に評価をして、冷凍生地の劣化を抑制できたとしているのみであり、数ヶ月単位の長期間の冷凍保存による劣化を抑制できるか否かは不明である。また、パン表面の焼きムラおよびナシ肌の有無、ならびに、パン内相の気泡跡の均一性および肌理(きめ)の粗さを外観観察で評価しているのみであり、製品の品質上重要なパン体積(膨らみ)の低下や食感の硬化(柔らかさの低下)を抑制できるか否かは不明である。
【0007】
このように、先行技術を鑑みても、冷凍パン生地について数ヶ月単位の長期間の冷凍保存を可能にする技術は、十分に供給されている状況とはいえない。今般、本願発明者らは、係る冷凍保存期間の延長を新たな課題とした。すなわち、本発明は、パン生地の長期冷凍保存による劣化を抑制し、冷凍保存可能な期間を延長する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究の結果、所定の糖アルコール(下記(ア)~(キ))が、パン生地の長期冷凍保存による劣化を効果的に抑制できることを見出した。そこで、これらの知見に基づいて下記の各発明を完成した。
【0009】
(1)本発明に係る冷凍パン生地の劣化抑制剤の第1の態様は、下記(ア)および/または(イ)の還元水飴を有効成分とする;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴(低糖化還元水飴)、
(イ)デキストロース当量が10以上35以下の水飴を還元してなる、還元水飴(低糖化還元水飴)。
【0010】
(2)本発明に係る冷凍パン生地の劣化抑制剤の第2の態様は、下記(ウ)および/または(エ)の還元水飴を有効成分とする;
(ウ)糖組成が、単糖が2~10質量%、二糖が15~55質量%、三糖が15~65質量%、四糖が1~15質量%および五糖以上が1~38質量%である、還元水飴(中糖化還元水飴)、
(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴(中糖化還元水飴)。
(【0011】以降は省略されています)

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