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公開番号2025095694
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211878
出願日2023-12-15
発明の名称揚げ菓子及びその製造方法並びに揚げ菓子の食感評価方法
出願人株式会社日清製粉ウェルナ,日清製粉プレミックス株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類A21D 13/60 20170101AFI20250619BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】食感の良好な揚げ菓子を提供すること。揚げ菓子の食感について、再現性があり信頼性の高い評価結果を提供し得る評価方法を提供すること。
【解決手段】本発明の揚げ菓子は、所定の方法により算出した染み出し油脂比率が0.05~0.30であることを特徴とする。本発明の揚げ菓子の製造方法では、製造目的の揚げ菓子の前記染み出し油脂比率が0.05~0.30となるように、ミックスの組成及び/又は生地調製工程における水性液体の添加量を調整する。本発明の揚げ菓子の食感評価方法は、評価対象の揚げ菓子の前記染み出し油脂比率を算出する第1ステップと、算出した該染み出し油脂比率と所定の基準値とを比較し、該揚げ菓子の食感の良否を判定する第2ステップとを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記方法により算出した染み出し油脂比率が0.05~0.30である、揚げ菓子。
<染み出し油脂比率の算出方法>
円盤形、円柱形又は楔形のプランジャーを備えたクリープメーターを用い、評価対象の揚げ菓子を該プランジャーで押圧して破断し、その破断時点で該揚げ菓子から染み出している油脂の質量M1と、該揚げ菓子が破断前に含有していた油脂の質量M0とから、次式により、染み出し油脂比率を算出する。 染み出し油脂比率=M1/M0
評価対象の揚げ菓子は、吸油シートの上に載置し、且つ該揚げ菓子の品温を40~60℃に調整する。揚げ菓子の破断は前記吸油シートの上で行い、揚げ菓子破断後の該吸油シートの質量から、揚げ菓子破断前の該吸油シートの質量を差し引くことで、前記質量M1を算出する。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記揚げ菓子は、α化穀粉類を含むミックスと水性液体との混合物の油ちょう物であり、
前記ミックスにおける前記α化穀粉類の含有量が10~60質量%であり、
前記混合物は、前記ミックス100質量部と前記水性液体50~150質量部とを含む、請求項1に記載の揚げ菓子。
【請求項3】
前記ミックスは、前記α化穀粉類100質量部に対して、蛋白素材を0.1~10質量部及び増粘剤0.02~1質量部含有する、請求項2に記載の揚げ菓子。
【請求項4】
前記蛋白素材は、卵白粉、乳蛋白、大豆蛋白、エンドウ豆、小麦蛋白及び米蛋白から選択される1種以上を含む、請求項3に記載の揚げ菓子。
【請求項5】
前記増粘剤は、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸エステル及びペクチンから選択される1種以上を含む、請求項3又は4に記載の揚げ菓子。
【請求項6】
穀粉類を含むミックスに水性液体を添加して生地を調製する生地調製工程と、該生地を油ちょうする工程とを有する、揚げ菓子の製造方法であって、
製造目的の揚げ菓子の下記方法により算出した染み出し油脂比率が0.05~0.30となるように、前記ミックスの組成及び/又は前記生地調製工程における前記水性液体の添加量を調整する、揚げ菓子の製造方法。
<染み出し油脂比率の算出方法>
円盤形、円柱形又は楔形のプランジャーを備えたクリープメーターを用い、評価対象の揚げ菓子を該プランジャーで押圧して破断し、その破断時点で該揚げ菓子から染み出している油脂の質量M1と、該揚げ菓子が破断前に含有していた油脂の質量M0とから、次式により、染み出し油脂比率を算出する。 染み出し油脂比率=M1/M0
評価対象の揚げ菓子は、吸油シートの上に載置し、且つ該揚げ菓子の品温を40~60℃に調整する。揚げ菓子の破断は前記吸油シートの上で行い、揚げ菓子破断後の該吸油シートの質量から、揚げ菓子破断前の該吸油シートの質量を差し引くことで、前記質量M1を算出する。
【請求項7】
前記ミックスとして、α化穀粉類を10~60質量%含有するミックスを用い、
前記生地調製工程における前記水性液体の添加量を、前記ミックス100質量部に対して50~150質量部に調整する、請求項6に記載の揚げ菓子の製造方法。
【請求項8】
下記方法により、評価対象の揚げ菓子の染み出し油脂比率を算出する第1ステップと、
前記第1ステップで算出した前記染み出し油脂比率と、所定の基準値とを比較し、前記揚げ菓子の食感の良否を判定する第2ステップとを含む、揚げ菓子の食感評価方法。
<染み出し油脂比率の算出方法>
円盤形、円柱形又は楔形のプランジャーを備えたクリープメーターを用い、評価対象の揚げ菓子を該プランジャーで押圧して破断し、その破断時点で該揚げ菓子から染み出している油脂の質量M1と、該揚げ菓子が破断前に含有していた油脂の質量M0とから、次式により、染み出し油脂比率を算出する。 染み出し油脂比率=M1/M0
評価対象の揚げ菓子は、吸油シートの上に載置し、且つ該揚げ菓子の品温を40~60℃に調整する。揚げ菓子の破断は前記吸油シートの上で行い、揚げ菓子破断後の該吸油シートの質量から、揚げ菓子破断前の該吸油シートの質量を差し引くことで、前記質量M1を算出する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーナツ等の揚げ菓子に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
揚げ菓子は、小麦粉等の穀粉類を主体とする生地を油ちょうすることによって製造される食品であり、特有の食感と、油を吸った生地の香ばしい風味とが特徴的で人気がある。揚げ菓子に求められる食感は、揚げ菓子の種類等によって異なるが、例えば、ドーナツ、チュロス等のベーカリー食品に分類される揚げ菓子には、歯切れの良いサクミのある食感が求められることが多い。また近年は、消費者の健康志向の高まりを背景に、油ちょう時の吸油量が少なく、喫食時の油っぽさが低減された揚げ菓子が好まれている。
【0003】
特許文献1には、油ちょう食品において従来問題となっていた油染み(油ちょう時に食品に吸収された油が、製造後に該食品から経時的に染み出す現象)を防止し、油ちょう食品にサクミがありべたつきのない食感を付与し得る方法として、特定体積量のガスを含み且つ所定温度における固形脂含量が特定範囲にある油脂組成物を用いて油ちょうを行うことが記載されている。
【0004】
特許文献2及び3には、吸油量の低減したドーナツの製造方法が記載されている。特許文献2に記載の方法は、食用油脂中にL-シスチン、グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼをそれぞれ特定量含有させた油脂組成物を、穀粉類に添加して生地を調製し、該生地を油ちょうするというものである。特許文献3に記載の方法は、ドーナツ原料として、小麦粉と、糊化開始温度が特定範囲にある澱粉とを用いるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-72106号公報
特開2020-156377号公報
国際公開第2016/046866号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食感の良好な揚げ菓子、具体的には、喫食した際に歯切れが良くサクミがあり且つ油っぽさが低減された揚げ菓子を提供することを課題(第1の課題)とする。
【0007】
また本発明は、揚げ菓子の食感、特に揚げ菓子の喫食時の油っぽさについて、再現性があり信頼性の高い評価結果を提供し得る評価方法を提供することを課題(第2の課題)とする。
従来、揚げ菓子の食感の評価は専ら官能評価によって行われており、典型的には特許文献3に記載されているように、複数の人(パネル)に揚げ菓子を喫食してもらってその食感(例えば、歯切れの良さ、油っぽさ等)を数字又は言葉で評価してもらい、結果を統計的に解析する方法が採用されている。しかしながら、食感には個人差があり、また、食感は外的内的条件の影響を受けやすく、例えば、同一人が同一の揚げ菓子を喫食する場合でも喫食時の環境等によって食感が異なることがあるため、官能評価は評価結果の再現性、信頼性の点で改善の余地がある。揚げ菓子の食感(揚げ菓子の喫食時の油っぽさ)について再現性があり信頼性の高い評価結果を提供し得る技術は、本発明が解決しようとする前記課題(食感の良好な揚げ菓子の提供)と密接に関連するものであるが、斯かる技術は未だ提供されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記方法により算出した染み出し油脂比率が0.05~0.30である、揚げ菓子である。
<染み出し油脂比率の算出方法>
円盤形、円柱形又は楔形のプランジャーを備えたクリープメーターを用い、評価対象の揚げ菓子を該プランジャーで押圧して破断し、その破断時点で該揚げ菓子から染み出している油脂の質量M1と、該揚げ菓子が破断前に含有していた油脂の質量M0とから、次式により、染み出し油脂比率を算出する。 染み出し油脂比率=M1/M0
評価対象の揚げ菓子は、吸油シートの上に載置し、且つ該揚げ菓子の品温を40~60℃に調整する。揚げ菓子の破断は前記吸油シートの上で行い、揚げ菓子破断後の該吸油シートの質量から、揚げ菓子破断前の該吸油シートの質量を差し引くことで、前記質量M1を算出する。
【0009】
また本発明は、穀粉類を含むミックスに水性液体を添加して生地を調製する生地調製工程と、該生地を油ちょうする工程とを有する、揚げ菓子の製造方法であって、製造目的の揚げ菓子の前記方法により算出した染み出し油脂比率が0.05~0.30となるように、前記ミックスの組成及び/又は前記生地調製工程における前記水性液体の添加量を調整する、揚げ菓子の製造方法である。
【0010】
また本発明は、前記方法により、評価対象の揚げ菓子の染み出し油脂比率を算出する第1ステップと、前記第1ステップで算出した前記染み出し油脂比率と、所定の基準値とを比較し、前記揚げ菓子の食感の良否を判定する第2ステップとを含む、揚げ菓子の食感評価方法である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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