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公開番号2025093896
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2024216175
出願日2024-12-11
発明の名称未分化の多能性幹細胞を選択的に除去する方法
出願人佛教慈濟醫療財團法人,BUDDHIST TZU CHI MEDICAL FOUNDATION
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/10 20060101AFI20250617BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、未分化の多能性幹細胞を選択的に除去する方法を提供する。
【解決手段】前記方法は、幹細胞の分化を誘導した後、有効量のフタリド系化合物を施して未分化の幹細胞を除去することを含む。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
未分化の多能性幹細胞を選択的に除去する方法であって、
多能性幹細胞を収集すること、
収集された前記多能性幹細胞の分化を誘導して、分化された細胞を有する細胞群を得ること(ここで、前記細胞群は、未分化の収集された前記多能性幹細胞をさらに含む。)、および
前記細胞群に有効量のフタリド系化合物を施して、未分化の収集された多能性幹細胞を選択的に除去すること
を含む方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記フタリド系化合物が、n-ブテニルフタリド、メチルフタリド、7-メチルフタリド、エチルフタリド、n-プロペニルフタリド、n-ブチルフタリド、3-ブロモフタリド、5-ブロモフタリド、5-クロロフタリド、6-クロロフタリド、3,4-ジクロロフタリド、テトラクロロフタリド、3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチルフタリド、3-メチル-3-(1-ナフチル)フタリド、3-(5-フルオロ-1-ナフチル)フタリド、4-アミノ-3-ヒドロキシフタリド、5-カルボキシフタリド、5-シアノフタリド、7-メトキシフタリド、7-ヒドロキシ-6-メトキシフタリド、3-(1,2-ジメチル-3-インドリル)フタリド、フェノールフタレイン、リグスチリドおよびセダノリドからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分化された細胞が、少能性幹細胞、単能性幹細胞および体細胞からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞群における分化された細胞が、体細胞を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記細胞群の中に体細胞を有させた後に、前記有効量のフタリド系化合物が施される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有効量のフタリド系化合物の濃度が、10μM~1000μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記有効量のフタリド系化合物の濃度が、50μM~800μMである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記有効量のフタリド系化合物での処理時間が、1~6日間である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多能性幹細胞が、胚性幹細胞または人工多能性幹細胞である、請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、幹細胞の培養方法に関し、特に、未分化の幹細胞を選択的に除去する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
幹細胞(stem cell)とは、自己再生(self-renew)能および分化能を有する細胞を指す。その分化能の高い方から低い方へのものとして、一般的には、全能性(totipotent)幹細胞、多能性(pluripotent)幹細胞、少能性(oligopotent)幹細胞および単能性(unipotent)幹細胞に分類される。
【0003】
多能性幹細胞とは、まだ分化しておらず、自己再生能力を有し、人体の3種類の胚葉層(germ layers)細胞に分化できる原始細胞を指す。その由来によって、胚性幹細胞(embryonic stem cells)および人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)に分類されることができる。そのうち、胚性幹細胞は、ヒト胚盤胞期胚の内細胞塊に由来し、様々な体細胞に分化することができる。さらに、特定の遺伝子、タンパク質を体細胞に送達して強制的に発現させるか化学的な小分子を使用することで、細胞の再プログラミング(reprogramming)により人工多能性幹細胞を生成させ、それが胚性幹細胞と類似する性質および分化能を有する。
【0004】
多能性幹細胞は、様々な体細胞に分化する能力を有し、in vitroで大量に培養して増殖することができ、特定の体細胞、器官および組織に誘導することができる。多能性幹細胞のin vitro細胞分化過程は、胚発育を模倣することができ、我々にヒト発育の過程をより理解させることができる。疾患研究に適用する際、患者の多能性幹細胞は様々な病巣細胞に転換することができ、疾患の知られていない過程、発症機序を研究することに役立ち、薬物開発および精密医療に適用される。
【0005】
多能性幹細胞と比べて、少能性幹細胞は、分化能が低いものの、依然として体細胞に分化する能力を有する。少能性幹細胞は、成体から分離することで得ることができ、通常見られるタイプとしては、臍帯間葉系幹細胞、臍帯血間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、羊水間葉系幹細胞、骨髄間葉系幹細胞および脂肪間葉系幹細胞などの間葉系幹細胞である。
【0006】
多くの学者は、上記の多能性幹細胞および多能性幹細胞を様々な疾患の細胞移植治療に適用しようとしている。現在は、分化された神経系細胞、神経膠細胞、眼細胞、心筋細胞、血球細胞、膵島細胞および間葉系幹細胞などをパーキンソン病、脊髄損傷、黄斑部病変、角膜移植、心筋梗塞、腫瘍免疫治療、糖尿病および自己免疫疾患に適用することが期待され、そのうちの多くは臨床試験に入っている。
【0007】
幹細胞を移植に適用する場合、特定の体細胞分化を行う過程において、未分化の多能性幹細胞が残っていると、生体に移植した後に奇形腫(teratoma)が発生する可能性があり、発癌リスクを向上させる。移植細胞群における未分化の多能性幹細胞を除去するために、現在の方法では、主にフローサイトメトリーによる選別によって、多能性幹細胞特異的表面抗原を有する細胞を排除するか、または特定の体細胞表面抗原を有する細胞を採取することで、未分化の多能性幹細胞の残留を回避する。この方法では、未分化の多能性幹細胞の残留を解消することができるが、その費やす時間、費用および人件費が高く、また、いくつかの特定の体細胞を選別した後の遺伝子、細胞特性および細胞健康度等は変化する可能性がある。近年、ケルセチン(Quercetin)による早期処理により、未分化の多能性幹細胞の残存を低減できることが報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、幹細胞を臨床細胞移植治療に適用するリスクを低減してその適用の安全性を向上させるために、本分野では、未分化の多能性幹細胞を選択的に除去する方法を開発する必要が依然としてある。これは、未分化の多能性幹細胞の発癌性を軽減するための重要かつ肝要な発展の重点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、未分化の多能性幹細胞を選択的に除去する方法であって、多能性幹細胞を収集すること、収集された前記多能性幹細胞の分化を誘導して、分化された細胞を有する細胞群を得ること(ここで、前記細胞群は、未分化の収集された前記多能性幹細胞をさらに含む。)、および前記細胞群に有効量のフタリド系化合物を施して、未分化の収集された多能性幹細胞を選択的に除去することを含む方法に関する。
【0010】
本開示の一つの態様では、前記フタリド系化合物は、n-ブテニルフタリド、メチルフタリド、7-メチルフタリド、エチルフタリド、n-プロペニルフタリド、n-ブチルフタリド、3-ブロモフタリド、5-ブロモフタリド、5-クロロフタリド、6-クロロフタリド、3,4-ジクロロフタリド、テトラクロロフタリド、3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチルフタリド、3-メチル-3-(1-ナフチル)フタリド、3-(5-フルオロ-1-ナフチル)フタリド、4-アミノ-3-ヒドロキシフタリド、5-カルボキシフタリド、5-シアノフタリド、7-メトキシフタリド、7-ヒドロキシ-6-メトキシフタリド、3-(1,2-ジメチル-3-インドリル)フタリド、フェノールフタレイン、リグスチリドおよびセダノリドからなる群から選択される少なくとも一つである。本開示の別の態様では、前記フタリド系化合物は、n-ブテニルフタリド、n-ブチルフタリド、テトラクロロフタリドおよびフェノールフタレインを含む。本開示の別の態様では、前記フタリド系化合物は、n-ブテニルフタリドである。
(【0011】以降は省略されています)

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