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公開番号2025090623
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025028739,2023533969
出願日2025-02-26,2021-12-03
発明の名称脳腫瘍の治療のための腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスI型
出願人イムヴィラ・カンパニー・リミテッド,IMMVIRA CO., LIMITED
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/38 20060101AFI20250610BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】脳腫瘍の治療のための医薬組成物の提供。
【解決手段】有効量の改変ゲノムを含む腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスI型と、薬学的に許容される担体とを含む脳腫瘍の治療のための医薬組成物であって、前記改変は、a)γ34.5遺伝子のコピーが機能的なICP34.5タンパク質を発現できないようにするゲノムの末端反復にあるγ34.5遺伝子のコピーの変化と、b)内部逆方向反復領域内の二重コピー遺伝子のそれぞれの1つのコピー及び重複された非コード配列の1つのコピーの欠失を引き起こす、ゲノムの内部逆方向反復領域の欠失とを含み、二重コピー遺伝子は、ICP0、ICP4、ICP34.5、ORF P及びORF Oをコードする遺伝子を含み、且つゲノムのUL及びUS成分の全ての単一コピー遺伝子は、それぞれのタンパク質を発現でき、変化は、γ34.5遺伝子のコピーのコード領域又は調節領域の全部の欠失を含む、医薬組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
改変ゲノムを含む腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスI型(oHSV-1)であって、前記改変は、
a)γ34.5遺伝子のコピーが機能的なICP34.5タンパク質を発現できないようにするゲノムの末端反復にあるγ34.5遺伝子のコピーの変化と、
b)内部逆方向反復領域内の二重コピー遺伝子のそれぞれの1つのコピー及び重複された非コード配列の1つのコピーの欠失を引き起こす、ゲノムの内部逆方向反復領域の欠失とを含み、前記二重コピー遺伝子は、ICP0、ICP4、ICP34.5、ORF P及びORF Oをコードする遺伝子を含み、且つ
ゲノムのU

及びU

成分の両方における全ての単一コピー遺伝子は、それらがそれぞれの機能的なタンパク質を発現できるよう、いずれも無傷であるoHSV-1。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記変化は、γ34.5遺伝子の前記コピーのコード領域又は調節領域の全部又は一部の欠失を含む請求項1に記載のoHSV-1。
【請求項3】
前記重複された非コード配列は、ICP0のイントロン、LATドメイン及び「a」配列を含む請求項1又は2に記載のoHSV-1。
【請求項4】


及びU

成分の両方における全ての単一コピー遺伝子は、U

成分中のU

1~U

56遺伝子及びU

成分中のU

1~U

12遺伝子を含む請求項1又は2に記載のoHSV-1。
【請求項5】
HSV-1はF株、KOS株及び17株からなる群から選ばれる請求項1~4のいずれか一項に記載のoHSV-1。
【請求項6】
HSV-1は、プロトタイプ(P)のゲノム異性体を有する請求項1~5のいずれか一項に記載のoHSV-1。
【請求項7】
前記内部逆方向反復領域の欠失は、F株のゲノム中のヌクレオチド位置117005~132096の切除を引き起こす請求項1~6のいずれか一項に記載のoHSV-1。
【請求項8】
前記内部逆方向反復領域の欠失は、U

成分中の最後の遺伝子の停止コドンからU

成分中の最初の遺伝子のプロモーターまでである請求項6に記載のoHSV-1。
【請求項9】


成分中の最後の遺伝子はU

56遺伝子である請求項8に記載のoHSV-1。
【請求項10】


成分中の最初の遺伝子はU

1遺伝子である請求項8又は9に記載のoHSV-1。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、腫瘍の治療のための腫瘍溶解性ウイルスに関し、特に、脳腫瘍の治療のために遺伝子操作された腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスI型(oHSV-1)に関する。本開示は、さらに、本明細書に開示される組換え腫瘍溶解性ウイルスを用いて脳腫瘍を治療する方法、並びにその医薬組成物及び使用に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
脳の原発性腫瘍は、中枢神経系の様々なタイプの細胞から発生する可能性がある。髄芽腫(Medulloblastoma)は神経細胞の前駆体に由来し、星細胞腫(astrocytoma)はグリア細胞の星状細胞サブセットに由来し、乏突起神経膠腫はグリア細胞の乏突起膠細胞前駆体サブセットに由来する。他のタイプの原発性腫瘍としては、上衣細胞からの上衣腫、及び髄膜を構成する細胞からの髄膜腫など、それぞれ脳の内層及び外層を形成する細胞に由来する。星状細胞に由来する多形性膠芽腫(GBM)は、最も一般的で致命的な原発性脳腫瘍であるため、WHOグレードIV星細胞腫に分類される。
【0003】
悪性多形性膠芽腫(GBM)の現在の治療レジメンは腫瘍切除、そして化学療法及び放射線療法である。GBMの臨床試験では腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス(oHSV)の安全性が証明されているにも関わらず、その有効性は、主に腫瘍切除後のウイルス拡散が不十分であるため最適ではない。多形性膠芽腫(GBM)は、成人で最も一般的な脳腫瘍であり、その分子的理解が大きく進歩しているにも関わらず、依然として治療が最も難しい悪性腫瘍の1つである。GBM腫瘍切除は重要な治療的介入であるが、腫瘍切除後の放射線及びテモゾロミド(temozolomide)化学療法による標準治療は、さほど臨床的利益を提供していない。したがって、腫瘍減量(debulking)後のGBM腫瘍切除腔への直接投与が可能な新規な局所療法の開発が急務となる。
【0004】
臨床的に承認された、化学療法剤BCNUを含有するポリ無水物ウェハースであるGliadelウェハースを切除されたGBMの空洞に局所療法で使用しようとする以前の研究では、治療効果が限られていることが示される。腫瘍切除後にそのような腫瘍残留物を排除できる療法を探し続ける中で、腫瘍溶解性ウイルスは前臨床研究で大きな可能性を示している。これらのウイルスは一般に、腫瘍細胞でしか複製せずそれを殺すよう、遺伝子操作されている。これは、活発に増殖している腫瘍細胞が、増殖していない又はゆっくりと増殖している正常な細胞である脳にうまく適合する方法である。治療用ウイルスの中でも、oHSVは、本質的に神経向性ウイルスであり、その腫瘍溶解効果は特定の宿主細胞受容体、突然変異又は細胞内経路への依存度が低いため、GBMの治療で最も有望な候補の1つである。また、oHSVは、充分に研究されたゲノムと、その腫瘍溶解力をさらに強化するために追加の治療遺伝子を挿入するための大きな遺伝子導入容量を備える。これまでにGBMに対して実施されたI期及びIb期のoHSV臨床試験では、抗腫瘍活性の兆候が示されているが、臨床反応率は最適ではなかった。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、既存のoHSV-1ウイルスと比較して、γ34.5遺伝子の両方のコピー及び逆方向内部反復領域を欠失しているoHSV-1が、非脳腫瘍よりも脳腫瘍に対して予期せぬ優れた抗腫瘍活性を有するという驚くべき事実を見出した。
【0006】
一態様において、本明細書は、改変ゲノムを含む腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスI型(oHSV-1)を提供し、前記改変は、(a)γ34.5遺伝子のコピーが機能的なICP34.5タンパク質を発現できないようにするゲノムの末端反復にあるγ34.5遺伝子のコピーの変化と、(b)内部逆方向反復領域内の二重コピー遺伝子のそれぞれの1つのコピー及び重複された非コード配列の1つのコピーの欠失を引き起こすゲノムの内部逆方向反復領域の欠失とを含み、前記二重コピー遺伝子は、ICP0、ICP4、ICP34.5、ORF P及びORF Oをコードする遺伝子を含み、且つゲノムのU

及びU

成分の両方における全ての単一コピー遺伝子は、それらがそれぞれの機能的なタンパク質を発現できるよう、いずれも無傷である。
【0007】
一部の実施形態において、変化は、γ34.5遺伝子のコピーのコード領域又は調節領域の全部又は一部の欠失を含む。
【0008】
一部の実施形態において、重複された非コード配列は、ICP0のイントロン、LATドメイン及び「a」配列を含む。
【0009】
一部の実施形態において、U

及びU

成分の両方における全ての単一コピー遺伝子は、U

成分中のU

1~U

56遺伝子及びU

成分中のU

1~U

12遺伝子を含む。
【0010】
一部の実施形態において、oHSV-1は、F株、KOS株及び17株からなる群から選ばれる。一部の実施形態において、内部逆方向反復領域の欠失は、F株のゲノム中のヌクレオチド位置117005~132096の切除を引き起こす。
(【0011】以降は省略されています)

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