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公開番号2025087867
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2025037093,2021536193
出願日2025-03-10,2019-12-20
発明の名称子宮内膜症に関連するミトコンドリアDNA欠失
出願人エムディーエヌエー ライフ サイエンシズ インコーポレイテッド
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C12Q 1/68 20180101AFI20250603BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】検体における子宮内膜症を検出、診断または観察するための方法を提供する。
【解決手段】哺乳動物被検体由来の生物学的サンプルにおいて、欠失を有している異常なミトコンドリアDNA(mtDNA)分子を同定する方法であり、欠失は、特定のmtDNAヌクレオチド配列の特定のヌクレオチド間の配列を含み、一旦再環状化されると、mtDNAはジャンクションポイントを含む、方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
哺乳動物被検体由来の生物学的サンプルにおいて、欠失を有している異常なミトコンドリアDNA(mtDNA)分子を同定する方法であり、
前記欠失は、配列番号1の前記mtDNAヌクレオチド配列のヌクレオチド5362~14049;ヌクレオチド8469~13447;ヌクレオチド7992~15730;ヌクレオチド9191~12909;ヌクレオチド9188~12906;ヌクレオチド10367~12829;ヌクレオチド6260~12814;ヌクレオチド7973~9023;ヌクレオチド9086~10313;ヌクレオチド9079~14988;ヌクレオチド7260~15540;ヌクレオチド8431~10841;またはヌクレオチド8984~13833の間のヌクレオチド配列を含み、
一旦再環状化されると、前記mtDNAはジャンクションポイントを含む、方法。

発明の詳細な説明【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、パリ条約に基づいて2018年12月22日に出願された米国特許出願第62/784,403号、及び2019年11月5日に出願された米国特許出願第62/931,173号に対する優先権を主張する。このような先行出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,400 文字)【0002】
〔配列表に関する説明〕
本出願に関連する配列表は、ASCIIフォーマットで本明細書と同時に提出されており、参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルのタイトルは、“Sequence_listing.txt”で、2019年12月17日に作成され、大きさは約119キロバイトである。
【0003】
〔説明の属する技術分野〕
本説明は概して、子宮内膜症を検出/診断および/または観察するための新規バイオマーカーおよび方法に関する。この説明はまた、本主題の方法において有用なユニークな検体および/または試薬に関する。
【0004】
〔背景〕
子宮内膜症は、出産可能年齢の女性の最大5~10%に発生する負担の大きい疾患であり、よくある不妊症の原因である[1~7,58]。この疾患は、子宮外で増殖する子宮内膜組織(上皮細胞および間質)の存在を特徴とする。このような異所性子宮内膜組織は、骨盤腹膜および卵管、卵巣、腸管および膀胱、並びにまれにより遠位の身体部位に認められる[8~11]。子宮内膜症の女性は、高い頻度で非月経時の骨盤部疼痛、有痛性月経痙攣、性交時の疼痛、倦怠感、および不妊症などの消耗性症状に悩まされることが多く[12]、QOLの大幅な低下につながる可能性がある[13]。その高い罹患率および有意な疾病率を考慮すると、子宮内膜症は世界的に非常に重大な経済的損失をもたらし、毎年数百億ユーロと推定される[14]。
【0005】
残念ながら、子宮内膜症の診断は長い過程であることが多く、その結果、治療が遅れることになる。子宮内膜症を診断するための現在の「ゴールドスタンダード」は、腹腔鏡外科手術とそれに続く組織検体の病理組織学的確認である[5,15]。時宜を得た診断を下すことは、報告の遅延[16]および症状の誤った解釈[17]によってさらに困難になり、患者が高価で侵襲的な腹腔鏡処置を受けるのをためらう場合にはさらに遅れ得る。実際、子宮内膜症の診断における遅延は、10年を超える可能性がある[16]。これらの遅延により、大多数の女性が、確定診断が下されるまでに中等度から重度の症状に発展し、その結果、疾病率、治療費、およびQOLの低下の増加を招く可能性がある[14]。したがって、子宮内膜症の早期発見を容易にし、実行可能なリアルタイムの結果を提供することができる、信頼性の高い、非侵襲的な試験が必要である。しかしながら、子宮内膜症を検出するための非侵襲的な方法は、現在利用可能ではない。
【0006】
分子バイオマーカーは、ヒトの疾患を測定、検出、および予測するツールとして広く用いられている[18~24]。しかしながら、子宮内膜症特異的バイオマーカーの探索は困難であることが証明されている[25]。いくつかの主要な課題には、標準化されていない、検体採取、分析方法、およびデータ解釈並びにバイオマーカーの特異性の欠如があるが[17]、世界子宮内膜症研究財団(WERF)EPHectプロトコル[26]を含む、生物学的標本の採取および保存の方法と子宮内膜症データの報告とを調和させるために、近年の努力がなされている。血液、組織、および尿からの様々な候補バイオマーカーが報告されているが、臨床使用への転換に成功したものはない。これらの候補の多くは、疾患組織からの生検、月経の特定段階での採取の必要性など、サンプル採取に特有の制限があるか、または炎症によって誘導される調節様式(例えば、遺伝子発現、DNAメチル化)の変化に依存する。炎症によって誘導される調節様式の変化は、他の婦人科の障害と重複する可能性があり[10,17]、偽陽性検出の可能性を増加させ得る。このように、理想的なバイオマーカーは、健康な細胞または体液から検出可能であり、且つ一過性の疾患、炎症が生成する、または周期的な生理学的変化とは独立しているであろう。
【0007】
ミトコンドリアゲノムは、あまり探求されていないバイオマーカーリポジトリを表す。図1に示すとおり、ミトコンドリアゲノムは、電子伝達に不可欠な残りの13個の遺伝子の正確な翻訳を保証する2個のrRNAおよび22個のtRNAを含む24個の遺伝子の相補体をコードする。標的のミトコンドリアDNA(mtDNA)は、高い突然変異頻度、限定されたDNA修復能力、すべての有核細胞に存在すること、および高いコピー数(細胞あたり数千のゲノム)に起因して、診断の観点から魅力的である[27]。その結果、低頻度の突然変異や欠失事象であっても、ヘテロプラズミックなミトコンドリア集団から確実に増幅することができる。実際、mtDNA突然変異は、骨、脳、乳房、肺、結腸直腸、胃、卵巣、前立腺、および子宮内膜組織を含む複数の身体部位にわたるいくつかのがんのバイオマーカーとして十分に記載されている[28~37]。核ゲノムは30億個以上の塩基対を有しているのに対して、ミトコンドリア(mt)ゲノムは比較的小さく、16,569個の核酸塩基対を有している。さらに、一旦受精が起こった卵子内のミトコンドリアのクローン性増殖を考えると、典型的に所与の個体におけるすべてのmtDNAゲノムは、同一である。mtゲノムは、特定の長さの配列に隣接するリピートモチーフが散在する、円形で、イントロンのないDNA分子であるという点でも珍しい。これらのリピート間の配列は、十分に理解されていない状況下で欠失する傾向がある。さらに、このような欠失はしばしば、フランキングリピート配列の一方または両方の少なくとも一部を含んでいる。以下でさらに述べるとおり、一旦欠失を構成する配列が除去されると、残りの「親」mtDNAは再環状化して「大サブリモン(sublimon)」を形成する。同様に、欠失した配列も再環状化して「小サブリモン」を形成することがある。mtゲノム中のリピート数を考えると、多くの欠失の可能性がある。これらの欠失の中で最もよく知られている例の1つは、種々の病態と関連している4977bp「共通欠失(common deletion)」である。前記共通欠失も子宮内膜症のマーカーとして検討されたが[54]、特異性に欠けていることから、このような欠失が本疾患の有効なマーカーとなることは示唆されなかった。ある種のミトコンドリアDNA欠失は、いくつかの特定の状態および加齢に関連する障害と以前から関連している([59]~[64]参照)。mtDNAゲノムのヌクレオチド5371~14058間の8686bpの欠失も発表されているが([65])、疾患の段階や状態との相関は全く認められていない。
【0008】
場合によっては、mtDNAの欠失および他の大規模なmtDNAの再配列が、転写可能な突然変異mtDNA配列を生じ、結果的にミトコンドリア融合転写物を生じることがある。ミトコンドリア融合転写物と疾患の段階との間の関連の例は、例えば、本出願人の以前の出願番号:PCT/CA2006/000652;PCT/CA2007/001711;PCT/CA2009/000351;およびPCT/CA2010/000423に記載されており、これらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
子宮内膜がんの研究中に、子宮内膜におけるMtDNA改変が検出されている[37~40]。しかしながら、これらの研究では、mtDNAゲノム内のコンセンサス領域または子宮内膜の疾患と相関する特定のmtDNA改変は明らかにされなかった。その結果、これらの研究は、mtDNA改変が子宮内膜症の検出のためのバイオマーカーとして使用できるという結論を示唆しなかった。さらに、以前の研究は、ミトコンドリア融合転写物および子宮内膜の疾患または段階の関連を導いていないと考えられる。
【0010】
したがって、公知の方法における少なくとも1つの欠陥に対処する、子宮内膜の疾患および/または状態を検出する正確かつ/またはより有効な手段が必要とされている。
(【0011】以降は省略されています)

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