特許ウォッチ

公開番号2025086334
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2024194316
出願日2024-11-06
発明の名称スタッドホルダー、規制部材、および時計ムーブメント
出願人ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 17/34 20060101AFI20250530BHJP(時計)
要約【課題】時計ムーブメントの規制部材のためのスタッドホルダーに関する。
【解決手段】規制部材10は、慣性質量、例えばバランス23と、自身に数回巻かれたストリップ2を含むヒゲゼンマイ25と、バランスコック22とを含み、スタッドホルダー1は、バランスコックにマウントされるように意図された本体31と、本体に第1の方向にマウントされたスタッド34とを含み、特徴が、スタッドホルダーがスタッドから延びるアーム5を含み、アームが本体の下において第2の方向に向けられ、第2の方向は、スタッドホルダーが規制部材にマウントされたときに、スタッドによって保持されたヒゲゼンマイの下を少なくとも部分的に通過するように、第1の方向と非ゼロ角度を形成することにある。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
時計ムーブメントの規制部材（１０）のためのスタッドホルダーであって、前記規制部材（１０）は、慣性質量、例えばバランス（２３）と、自身に数回巻かれたストリップ（２）を含むヒゲゼンマイ（２５）と、バランスコック（２２）とを含み、前記スタッドホルダー（１）は、前記バランスコック（４２）にマウントされるように意図された本体（３１）と、前記本体（３１）に第１の方向にマウントされたスタッド（３４）とを含み、特徴が、前記スタッドホルダー（１）が、前記スタッド（３４）から延びるアーム（５）を含み、前記アーム（５）が前記本体（３１）の下において第２の方向に向けられ、前記第２の方向は、前記スタッドホルダー（１）が前記規制部材（１０）にマウントされたときに、前記スタッド（３４）によって保持されたヒゲゼンマイ（２５）の下を少なくとも部分的に通過するように、前記第１の方向と非ゼロ角度を形成することにある、スタッドホルダー。
続きを表示（約 770 文字）【請求項２】
前記第２の方向が前記第１の方向に対して実質的に垂直であることを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項３】
前記スタッド（３４）が、前記ストリップ（２）の外端（３）を受容するように意図されたノッチ（８）を含むことを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項４】
前記ノッチ（８）が内壁（６）および外壁（７）を含み、前記アーム（５）が前記内壁（６）から延びることを特徴とする、請求項３に記載のスタッドホルダー。
【請求項５】
前記アーム（５）が、前記規制部材（１０）の軸に向かって径方向に配向されることを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項６】
前記本体（３１）が、前記スタッド（３４）がマウントされた径方向部材（３３）を含むことを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項７】
前記アーム（５）が長手方向に細長いことを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項８】
前記アーム（５）が実質的に平坦なタブの形状を有することを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項９】
前記アーム（５）が、前記ヒゲゼンマイ（２５）が伸長位置にある場合、好ましくは収縮位置にある場合、前記ヒゲゼンマイ（２５）の中心に向かって少なくとも前記ヒゲゼンマイ（２５）の最後から２番目のコイル（９）を超えて延びるように意図されることを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
【請求項１０】
前記内壁（６）が前記外壁（７）よりも長いことを特徴とする、請求項１に記載のスタッドホルダー。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、時計製造の分野に関し、詳しくは、駆動エネルギーの規制が規制部材によって行われる機械式時計製造の分野に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【０００２】
本発明は、具体的には、詰まり防止アームが設けられたスタッドを含む時計規制部材のためのスタッドホルダー、ならびにそのようなスタッドホルダーを含む規制部材、およびそのような規制部材を含む時計ムーブメントに関する。
【背景技術】
【０００３】
機械式時計の大半において、針（例えば分針および時針）を回転させるのに必要なエネルギーは、香箱において蓄積され、その後、ヒゲゼンマイと称される渦巻状に巻かれたストリップの形態にあるバネと組み合わされたバランスと称されるフライホイールを含むバネ式バランスシステムによって運ばれる。
【０００４】
バランスの回転は、ガンギ車の歯に係合する２つのパレットが設けられた、低振幅の振動により駆動されるパレットレバーを含む脱進機構によって維持され、その振動がカウントされる。このようにしてガンギ車が係合すると、ガンギ車はステップ状に回転し、その回転の周波数はパレットレバーの振動の周波数によって決定される。パレットレバー自体はバネ式バランスの振動の周波数に設定される。
【０００５】
ヒゲゼンマイの内端は、バランスと一体となって回転するスタッフに取り付けられ、ヒゲゼンマイの外端は、それ自体が静止コックに剛性接続されたスタッドホルダーにマウントされたスタッドに取り付けられる。スタッドは通常、２つの壁によって境界が決められたノッチを含む。ヒゲゼンマイの外端は、例えば接着剤によってノッチに保持される。
【０００６】
しかしながら、衝撃の事象において、ヒゲゼンマイの、一以上の外側コイルがスタッドの下を通過し、スタッドの後ろに詰まる可能性がある。
【０００７】
これは、バランスが振動するとき、ヒゲゼンマイの動作平面において、ヒゲゼンマイが縮んだ状態から伸びた状態へ、またはその逆へと移行するからである。その結果、衝撃が生じると、ヒゲゼンマイは動作平面に対して横方向に変形し、スタッドの下を通る一以上の外側コイルを有し得る。その結果、バランスの振動が、この詰まりによって妨げられ、規制部材の速度が乱れ、または完全に停止してしまう。
【０００８】
この現象を回避するため、スタッドの端部が実質的に円錐状になっているスタッドホルダーが存在する。スタッドまわりで一以上のコイルが通過して詰まった後、コイルが円錐に沿ってスライドし、スタッドの下を通過して戻るようになっている。調整部材の速度の乱れは、ヒゲゼンマイがその正常位置に戻るまで続く。
【０００９】
他のスタッドホルダーは、スタッドの下をコイルが通過するのを防止するべく、ヒゲゼンマイ側に長い壁を有するスタッドを含む。しかしながら、この壁はバランスのすぐ近くに存在しなければならないため、衝撃時にバランスがこの壁にぶつかり、ひいては他の乱れが生じるリスクがもたらされる。
【００１０】
それにもかかわらず、これらのスタッドホルダーは、この問題を完全に取り除くことができず、または新たな問題を引き起こすので、満足のいくものではない。
【発明の概要】
（【００１１】以降は省略されています）

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