特許ウォッチ

公開番号2025083291
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2024160586
出願日2024-09-18
発明の名称高トルクばらつきヒゲゼンマイのためのバネ式バランス振動子を製造する方法
出願人ニヴァロックス-ファーソシエテアノニム
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 17/06 20060101AFI20250523BHJP(時計)
要約【課題】バランス及びヒゲゼンマイから作られた時計用振動子を製造する方法を提供する。
【解決手段】方法は、複数のバランス2の平均慣性モーメントを測定するステップ、ピン留めされた複数のヒゲゼンマイ3を設けるステップであって、ヒゲゼンマイは、最終的な数のコイルよりもさらに3つのターンまで形成する過剰な数のコイルを有するステップ、余剰により複数のヒゲゼンマイの第1の所定外部切断を行い、ヒゲゼンマイのトルクを測定し、トルクの値に応じて複数のヒゲゼンマイを選別するステップ、ヒゲゼンマイを組み立てるステップであって、中間周波数を有する振動子を形成するように、かつ、所望の振動周波数を達成するために切断されるべき長さを決定するように組み立てるステップ、振動周波数と、理論値の±50°以内の取付点の角度を得るための目標値との双方を達成するように選択された複数のヒゲゼンマイの第2の外部切断を行うステップとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
バランス（２）及びヒゲゼンマイ（３）から作られた時計用振動子（１）を製造する方法であって、
・一バッチの複数のバランス（２）の平均慣性モーメントを測定するステップと、
・ピン留めされた複数のヒゲゼンマイ（３）を設けるステップであって、前記複数のヒゲゼンマイ（３）は、最終的な数のコイルよりもさらに３つのターンまで形成する過剰な数のコイルを有するステップと、
・１つから２つまでのコイルの長さの画定された余剰により前記複数のヒゲゼンマイ（３）の第１の所定外部切断を行い、その後、前記複数のヒゲゼンマイ（３）のトルクを測定し、前記測定されたトルクの値に応じて前記複数のヒゲゼンマイ（３）を選別するステップと、
・前記測定されたトルクが前記複数のバランス（２）に対応する前記複数のヒゲゼンマイ（３）を組み立てて中間周波数を有する振動子を形成するステップと、
・所望の振動周波数と、理論値の±５０°以内の取付点（６）角度（α）を得るための目標値との双方を達成するように選択された前記複数のヒゲゼンマイ（３）の第２の外部切断を行うステップと
を含むことを特徴とする、製造する方法。
続きを表示（約 440 文字）【請求項２】
前記複数のヒゲゼンマイ（３）が金属又は金属合金から作られたブランクから作られることを特徴とする、請求項１に記載の製造する方法。
【請求項３】
前記ブランクが延性材料の表面層によって覆われていることを特徴とする、請求項２に記載の製造する方法。
【請求項４】
前記金属又は金属合金が、チタン、ニオブ、ジルコニウム、又はこれらの金属の組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項２に記載の製造する方法。
【請求項５】
前記複数のヒゲゼンマイ（３）が、前記ブランクを、少なくとも一つの熱処理ステップと交互に、引き抜き及び／又はローラー圧延するステップによって成形され、前記ヒゲゼンマイを巻き取って形成するステップが、最終の熱処理ステップの前に行われる、請求項１に記載の製造する方法。
【請求項６】
前記延性表面層が、ローラー圧延後かつ巻き取り前に除去されることを特徴とする、請求項３に記載の製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、特に時計産業で使用される機械式振動子の一般的な技術分野に関する。詳しくは、本発明は、ヒゲゼンマイ及びテンプ又はバランスを含む振動子を製造する方法に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
機械加工作業は極めて精密かつ再現性が高いにもかかわらず、ほぼ常に、組み立て作業中、又はより頻繁には調整若しくは微調整の作業中、調整を行わなければならない。特に可動部品の場合にアンバランス調整及び慣性調整、振動子の場合に周波数調整を行わなければならない。
【０００３】
特に組み立て段階において、所定コンポーネントのペアリングを完成させなければならない。これらのコンポーネントは、独立的には機械加工公差又は製造公差の範囲内にあるが、部分組み立て品に特有の、又はひとたび設置された組み立て品に特有の、作業上の制約ゆえに、純粋かつ単純に組み立てるということができない。
【０００４】
これは特に時計の調節部材に当てはまり、詳しくはバネ式バランス組み立て品に当てはまる。アンバランス及び慣性の、静的及び動的双方の調整は、個別のコンポーネントの段階ですでに非常にデリケートなようであり、これらの調整作業は、当該コンポーネントが組み立てられると極めて複雑になるようである。動的な調整は特に、実装することが面倒である。バネ式バランスの部分組み立て品を調整するための様々な技法が知られているが、その中で最も一般的に使用されているのは２つである。
【０００５】
「オメガメトリック」システムは、
・正しい取り付け位置ですでに切断されている複数のヒゲゼンマイを、それらのトルクに応じて分類することと、
・複数のバランスをそれらの慣性に応じて分類することと、
・特定の分類から選択されたバランスと、同じく特定の分類から選択されたヒゲゼンマイとをペアリングすることであって、これらの分類は互いに、選択された周波数精度を達成するように互換性があることとからなる。
【０００６】
この方法は、大量のコンポーネント在庫を必要とし、物流上の制約が多い。
【０００７】
代替案が、以下のような「スピロマティック」システムである。
・バランスにおけるピン留めされたヒゲゼンマイを含み、
・このヒゲゼンマイは、バランスの慣性に適合されたトルクを与える長さに切断されている。バランスの慣性とヒゲゼンマイのトルク分散とを良好に制御することにより、この切断点は理論目標値の最大公差±５０°以内に収まる。
【０００８】
この方法は、コレットの出口に対するヒゲゼンマイの取り付け点の高い精度を保証するわけではないので、クロノメーター性能が損なわれ得る。これは特に、ヒゲゼンマイの公称トルク分布が広い場合に当てはまる。
【０００９】
第１の技法は非常に高価であり、第２の技法はクロノメーター性能が平凡である。さらに、これらの技法は、製造プロセスの最後においてヒゲゼンマイのトルクに非常に大きなばらつきが存在する場合に不適切又は適切性不十分である。これにより、バランスとの組み合わせ、及び調整が困難となり、典型的に平凡な振動子のクロノメーター性能が影響を受ける。
【発明の概要】
【００１０】
本発明の目的の一つは、振動子を組み立てるためのコスト効率の高い方法を与えることである。
（【００１１】以降は省略されています）

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