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公開番号2025082926
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196503
出願日2023-11-20
発明の名称廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法及び該培養液を用いた微細藻類の培養方法
出願人住友大阪セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20250523BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微細藻類の培養液の製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、セメント製造設備から排出されたNOx中のNOを、酸化剤によりNO2に酸化し、次いでNO2を含む該排ガスを水と接触させて該排ガス中のNO2を水に溶解させて硝酸態窒素含有液とする工程、セメント製造設備から排出されたリン及び/又はカリウムを含む脱塩ダストを水で洗浄して分離することで得られたリン及び/又はカリウムを含む脱塩ダスト洗浄水にpH調整材を配合して、沈殿物とpH8~10に調整されたリン及び/又はカリウムを含む水溶液とに分離する工程、該工程で得られたpH8~10に調整されたリン及び/又はカリウムを含む水溶液を、前記工程で得られた硝酸態窒素含有液に配合して、リン及び/又はカリウムを含む水溶液と硝酸態窒素含有液との混合液のpHを5~8に調整して、窒素、リン及び/又はカリウムを含む、微細藻類の培養液を調製する工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セメント製造設備から排出されたNOxを含む排ガスに酸化剤を配合して、該NOx中のNOをNO

に酸化し、次いでNO

を含む該排ガスを水と接触させて該排ガス中のNO

を水に溶解させて硝酸態窒素含有液とする工程(1)、セメント製造設備から排出されたリン及び/又はカリウムを含む脱塩ダストを水で洗浄して分離することで得られたリン及び/又はカリウムを含む脱塩ダスト洗浄水にpH調整材を配合して、沈殿物とpH8~10に調整されたリン及び/又はカリウムを含む水溶液とに分離する工程(2)、該工程(2)で得られたpH8~10に調整されたリン及び/又はカリウムを含む水溶液を、工程(1)で得られた硝酸態窒素含有液に配合して、リン及び/又はカリウムを含む水溶液と硝酸態窒素含有液との混合液のpHを5~8に調整して、窒素、リン及び/又はカリウムを含む、微細藻類の培養液を調製する工程(3)を備えることを特徴とする、廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1記載の廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法において、酸化剤は酸素又はオゾンであることを特徴とする、廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法において、前記排ガスには更にCO

が含まれ、該排ガスと水との前記接触により該排ガス中のCO

をも水に溶解させて、更にCO

が溶解した微細藻類の培養液を調製することを特徴とする、廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の方法により得られた微細藻類の培養液中の硝酸態窒素の窒素、リン及び/又はカリウムを、微細藻類の栄養分として微細藻類の培養に用い、培養された微細藻類を含む培養液を遠心分離し、得られた微細藻類を、セメント製造設備からの排熱を利用して乾燥させて乾燥藻体を得ることを特徴とする、微細藻類の培養方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法により得られた微細藻類の培養液中の硝酸態窒素の窒素、リン及び/又はカリウムを微細藻類の栄養分とするとともに、該培養液中のCO

を微細藻類の光合成に用い、培養された微細藻類を含む培養液を遠心分離し、得られた微細藻類を、セメント製造設備からの排熱を利用して乾燥させて乾燥藻体を得ることを特徴とする、微細藻類の培養方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を利用した微細藻類の培養液の製造方法及び該培養液を用いた藻類の培養方法に関し、特に、セメント製造過程等で発生する排ガスや脱塩ダスト等の廃棄物を有効に利用して、微細藻類の栄養源とする、微細藻類の培養液の製造方法及び該培養液を用いた微細藻類の培養方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、セメント製造過程等において、石炭、重油、リサイクル燃料を燃焼させて発生した排ガスは、セメント原料の乾燥に利用された後、含有される集塵を集塵工程にて回収して系外へ排出等されている。
系外に排出される排ガス中には、二酸化炭素や微量の塩化物の他に、燃料の燃焼等による窒素酸化物(以下「NOx」と表記する)も多く含まれており、NOxは、酸性雨等の環境負荷や、呼吸器系等、人体に悪影響を与えるものとなっており、環境問題の一因になっている。
【0003】
このような問題点を踏まえ、セメント工場等では窒素成分の少ない燃料の選出や、脱硝剤を用いたNOx排出規制などにより、NOx排出量を減らす工夫がされている。
また、地球温暖化に鑑みて、二酸化炭素排出量を軽減することが求められ、カーボンニュートラルへの実現が期待されている。
【0004】
一方、藻類が成長するには、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、二酸化炭素(CO

)等が栄養素として必要である。
セメント工場から排出される排ガス中には、藻類を含む植物の成長に不可欠な栄養素である窒素を含有しており、微細藻類の栄養源としての利用可能性を有している。
更に、セメント工場から排出される排ガス中には、二酸化炭素も含んでおり、該二酸化炭素を藻類の培養に利用できれば、二酸化炭素の削減につながり、カーボンニュートラルの実現に寄与することが可能である。またセメント製造工程において排出される廃棄物を有効に利用するサーキュラーエコノミーの実現も期待される。
【0005】
しかし、セメント製造過程で排出される排ガス中の窒素酸化物は、そのほとんどである約90%が水に不溶の一酸化窒素(NO)であり、水溶性である二酸化窒素(NO

)は約10%程度である。
そのため、セメント製造過程で排出される排ガスをそのまま処理せずに微細藻類の培養に用いても、藻類が窒素(N)を栄養素として取り入れることは難しく、有効ではない。
【0006】
従来の微細藻類の培養方法としては、例えば、特開2022-160029号公報(特許文献1)に、二酸化炭素供給源により二酸化炭素含有ガスを供給し、二酸化炭素回収部により前記二酸化炭素含有ガスに二酸化炭素リーン吸収液を接触させて二酸化炭素リッチ吸収液を得、前記二酸化炭素回収部から前記二酸化炭素リッチ吸収液を藻類培養液に栄養源として供給し、当該藻類培養器で藻類を培養する藻類培養方法が記載されている。
【0007】
また、特開2023-103646号公報(特許文献2)には、微細藻類の培養方法として、排ガスを利用した微細藻類の培養方法であって、前記排ガスから有用成分を分離し、培養液に前記有用成分を供給する分離供給工程と、前記有用成分を分離した後の排ガスを前記培養液の撹拌動力として使用して、前記培養液を撹拌する撹拌工程と、を有する、微細藻類の培養方法が記載されている。
【0008】
更に、特開2023-47761号公報(特許文献3)には、微細藻類の培養方法として、変化する培養環境下で微細藻を培養する培養方法であって、前記培養環境に合わせて、前記微細藻の栄養形式を設定する設定工程と、前記設定工程で設定した前記栄養形式で前記微細藻を培養する培養工程と、を有し、前記設定工程で光独立栄養を設定した場合、前記培養工程では、前記微細藻に二酸化炭素を含むガスと、光と、を供給し、前記設定工程で従属栄養を設定した場合、前記培養工程では、前記微細藻に有機物を供給する、培養方法が記載されている。
【0009】
しかし、これらの従来の微細藻類の培養では、セメント工場等から排出される排ガスを十分に利用したものではなく、またセメント工場等からの廃棄物を有効に再利用するものではなく、十分な環境負荷の低減を図ることはができず、また複数種類の栄養源を有効に微細藻類の培養に利用できる培養システムではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2022-160029号公報
特開2023-103646号公報
特開2023-47761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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