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公開番号2025079251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191830
出願日2023-11-09
発明の名称船舶の解体方法と解体装置
出願人オオノ開發株式会社
代理人弁理士法人豊栖特許事務所
主分類B63B 85/00 20200101AFI20250514BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】簡単な構造で無理なく安全に超大型船舶を海水から陸揚げして安全に能率よく解体する。
【解決手段】開閉自在なゲート2を設けている第1ドック10と、第1ドック10のドック底面11よりも高い位置に船舶1の持上底面21を配置してなる第2ドック20と、海水を供給する給水ポンプ4と、第2ドック20の海水を排水して船舶1を持上底面21に載せる排水機構5と、船舶1を切断する解体機構30とを有する船舶を解体する方法であって、ゲート2を開いて第1ドック10の内水面レベルを海洋の海水面レベルとして、船舶1を第1ドック10に入渠する入渠工程と、ゲート2を閉じて海水を供給して、内水面レベルを上昇して船舶1を持ち上げる上昇工程と、船舶を浮かせて第2ドック20に移動させる船舶の移動工程と、第2ドック20の海水を排水機構5で排水して、船舶1を持上底面21に載せる排水工程と、船舶1を解体機構30で切断する切断工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
船舶の入口に開閉自在なゲートを設けている第1ドックと、
前記第1ドックに連通され、かつ
前記第1ドックのドック底面よりも高い位置に船舶の持上底面を配置してなる第2ドックと、
前記第1ドックと前記第2ドックに海水を供給する給水ポンプと、
前記第2ドックの海水を排水して、
前記第2ドックを排水状態として船舶を前記持上底面に載せる排水機構と、
前記第2ドックの前記持上底面に載せてなる船舶を切断する解体機構とを有する、
船舶を解体する方法であって、
前記ゲートを開いて前記第1ドックの内水面レベル(WLin)を海洋の海水面レベル(WLout)として、
船舶を前記第1ドックに入渠する船舶の入渠工程と、
前記入渠工程で船舶を前記第1ドックに入渠している状態で、
前記ゲートを閉じて前記第1ドックと前記第2ドックに海水を供給して、
前記第1ドックと前記第2ドックの内水面レベル(WLin)を上昇して船舶を持ち上げる海水の上昇工程と、
前記海水の上昇工程で船舶を持ち上げた状態で、
船舶を海水に浮かせて前記第1ドックから前記第2ドックに移動させる船舶の移動工程と、
前記船舶の移動工程で船舶を前記第2ドックに移動した後、
前記第2ドックの海水を前記排水機構で排水して、
船舶を前記持上底面に載せて前記第2ドックを排水状態とする海水の排水工程と、
排水状態となった前記第2ドックの前記持上底面に載せた船舶を前記解体機構で切断する船舶の切断工程とを含む船舶の解体方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載する船舶の解体方法であって、
前記第1ドックと前記第2ドックを船舶の前後方向に直線状に配置して、
前記移動工程において、
船舶を前後方向に移動して、
前記第1ドックから前記第2ドックに移動する船舶の解体方法。
【請求項3】
請求項1に記載する船舶の解体方法であって、
前記第1ドックと前記第2ドックを隣接して平行姿勢に配置して、
前記移動工程において、
船舶を幅方向に移動して、
前記第1ドックから前記第2ドックに移動する船舶の解体方法。
【請求項4】
請求項1に記載の船舶の解体方法であって、
前記持上底面を、
前記第1ドックとの境界に向かって下り勾配に傾斜させて、
解体される船舶の廃液を前記第1ドックに向かって流下させて外部に排出する船舶の解体方法。
【請求項5】
請求項4に記載の船舶の解体方法であって、
前記第2ドックと前記第1ドックとの境界に、
船舶の廃液の排出溝を設けて、
前記排出溝を介して廃液を排出する船舶の解体方法。
【請求項6】
請求項1に記載の船舶の解体方法であって、
前記第2ドックの前記持上底面を船舶の幅方向に向かって下り勾配に傾斜させて、
前記持上底面の側部または中央部に流下する廃液を排出する船舶の解体方法。
【請求項7】
船舶を入渠する入口にゲートを設けてなる第1ドックと、
前記第1ドックに連結され、かつ
前記第1ドックのドック底面よりも高い位置に持上底面を配置してなる第2ドックと、
前記ゲートを閉状態として前記第1ドックと前記第2ドックに海水を供給して、
前記第1ドックと第2ドックの内水面レベル(WLin)を海水面レベル(WLout)よりも高くする給水ポンプと、
前記第2ドックを排水状態として、船舶を前記持上底面に載せる排水機構と、
排水状態の前記第2ドックの前記持上底面に載せてなる船舶を切断する解体機構と、
前記ゲートの開閉と、前記給水ポンプ及び前記排水機構の運転を制御する制御機構とを備え、
前記制御機構が、
前記ゲートを開状態として船舶が前記第1ドックに入渠され、
前記ゲートを閉状態、前記給水ポンプを運転状態として、
前記給水ポンプが前記第1ドックと前記第2ドックに海水を供給して、
前記第1ドックと前記第2ドックの内水面レベル(WLin)が海水面レベル(WLout)よりも高く上昇されて、
船舶が海水に浮いて前記第1ドックから前記第2ドックに移動され、
前記制御機構が前記排水機構を運転状態として、
前記第2ドックが船舶を前記持上底面に載せて排水状態とされ、
前記解体機構が、
排水状態の前記第2ドックの前記持上底面に載せられた船舶を解体する船舶の解体装置。
【請求項8】
請求項7に記載する船舶の解体装置であって、
前記第1ドックと前記第2ドックが船舶の前後方向に直線状に配置されてなる船舶の解体装置。
【請求項9】
請求項7に記載する船舶の解体装置であって、
前記第1ドックと前記第2ドックが隣接して平行姿勢に配置されてなる船舶の解体装。
【請求項10】
請求項7に記載する船舶の解体装置であって、
前記第1ドックの全長が300m以上である船舶の解体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大型の船舶を切断して解体する解体方法と解体装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在、老朽化した大型の船舶を解体してするために、労働者の安全を保証し、解体して発生する石綿や重油などの廃棄物による汚染を防止して、能率よく解体できる装置と方法が切望されている。それは、大型船舶が、バングラデッシュ等の低開発国に運ばれて、海の緩慢を利用して満潮時に船舶を海岸の上方に移動して、干潮時に陸揚げして多数の作業者が手間を掛けてトーチなどで切断して解体しているので、作業者の安全は保証されず、また廃棄物による汚染も防止できず、さらに能率よく大型船舶を解体できないからである。この方法による船舶の解体は、作業者の安全性と、環境を汚染する物質の外部放出を防止できず、このことが国際的に課題となっている。
【0003】
船舶の解体方法は、特許文献1に開示されるが、この方法は、以下の工程で大型船舶の解体している。
(1)第1ドックの水密ゲートを開いて大型船舶を海水に浮かせて第1ドックに入渠する。
(2)その後第1ドックの海水を排水し、大型船舶を第1ドックの底板に載せた状態で前後に二つに分割する。
(3)その後、第1ドックの水密ゲートを開いて海水を入れて、分割船舶を海水に浮かせて海水と一緒に第1ドックから分割船舶を排出する。
(4)小さく分割されて小さくなった分割船舶を、上り勾配に傾斜する陸揚底面に載せて海水から引き上げる。
(5)引き上げられた分割船舶を解体する。
【0004】
さらに、特許文献2は、ドックに隣接する埠頭と、ドックに導入可能で船舶を載せて上下に移動させる箱船とを備える解体装置を開示する。箱船は、図5ないし図10に示すように、それ自体の浮力を調整して上下に移動し、上に載せた船舶を解体できる位置に持ち上げる。この解撒装置は、船舶をバングラデシュやインド等に航行され、浜辺に航行されて解体している従来の解体の課題を解消することを目的として開発されたものである。従来の浜辺での解体は、労働者が浜辺の現場で船体を切断して実施されるが、この方法では、船体を世界中から東南アジアまで航行するに高い輸送コストがかかる欠点がある。さらに、労働者による浜辺での解体は、前述した課題、すなわちアスベストや油などの有害な廃棄物が適切に処理されずに廃棄されて、環境を汚染し、労働者と地域環境への課題が解消されず、船舶の浜辺での解体作業において致命的な事故が発生している。
【0005】
浜辺での解体に代わって、船舶を岸壁に係留して、岸壁からクレーン等の解体重機を使用して解体は可能であるが、この解体方法によっても、解体によって発生する廃棄物が海水に投棄されて海水を汚染する課題を解消できない。さらにこの解体方法は、海水に浮かせて船舶を解体する種々の弊害、たとえば安全性の確保や能率的な解体が難しい欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2015-533359号公報
WO2007/081198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1による船舶の解体は、入口の水密ゲートを開いて大型船舶を海水と一緒に第1ドックに入渠し、その後第1ドックの水密ゲートを閉じて、第1ドックから海水を排水して大型船舶を第1ドックの底面に載せて、海水に浮く状態として二つに分割し、その後再び水密ゲートを開いて第1ドックに海水を流入して、分割して全長が半分になった分割船舶を海水に浮かせて、第1ドックから引き出し、第1ドックから引き出されて全長が1/2となって海水に浮いている分割船舶を、上り勾配の陸揚底面の上方に移動させた後、分割船舶をワイヤなどで陸揚底面の上に引き上げて解体するので、船舶を陸上に引き上げるのに極めて手間がかかる欠点がある。以上の解体は、分割船舶を上り勾配の陸揚底面に引き上げるが、二分割された大型船舶の分割船舶は相当に大きくて重く、陸揚底面の引き上げに大型の装置と、エネルギーとコストを必要とする課題がある。例えば、世界中を航行している約800隻のVLCC(very large crude carrier)と呼ばれる20万トン以上の大型石油タンカーは、全長が330mのものが多く、2分割した分割船舶の全長が150mを超えるので、これを陸揚底面に引き上げるのが極めて難しく、さらに陸揚底面に引き上げた大型の分割船舶は安全に能率よく解体するのが極めて難しい。さらにまた、二分割して分割船舶は海水に浮かせて第1ドックから陸揚底面に移動させるので、船舶の分割作業には、分割された船舶が海水に浮くことを考慮して切断する必要がある。したがって、船舶の分割に手間と技術を必要とし、簡単で速やかに分割できない欠点がある。さらに困ったことに、船舶を二つに分割、移動する際に生じる廃棄物、排液などが流出し海水を汚染する。陸揚底面に引き上げて分割船舶を解体する場合も、解体時に発生するベストや重油などの廃棄物が下り勾配の陸揚底面から海に流れ込んで海水を汚染する課題の解消が極めて難しい。
【0008】
さらに特許文献2は、ドック内に設けた箱船に船舶を載せて解体位置まで持ち上げている。箱船は、それ自体の浮力を調整して上下に移動して船舶を持ち上げるので、超大型の長くて重い船舶を持ち上げるには、相当に大きく、長く、重い箱船を浮力で上下に移動する構造が要求される。超大型船舶は、船体の全長が300m、横幅が60mもあるので、この船舶を持ち上げるための箱船は、長い全長と広い横幅と、大きい浮力が要求されて、設備コストが相当に高くなる課題を解消できない。
【0009】
本開示は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本開示の目的の一つは、海水汚染による環境破壊を防止して船舶を解体できると共に、簡単な構造で船舶を持ち上げて、船舶を安全に能率よく解体できる船舶の解体方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様に係る船舶の解体方法は、船舶の入口に開閉自在なゲートを設けている第1ドックと、第1ドックに連通され、かつ第1ドックのドック底面よりも高い位置に船舶を持ち上げる持上底面を配置してなる第2ドックと、第1ドックと第2ドックに海水を供給する給水ポンプと、第2ドックの海水を排水して、船舶を持上底面に載せて第2ドックを排水状態とする排水機構と、排水機構で排水されて排水状態となった第2ドックの船舶を切断する解体機構とを使用して船舶を切断して解体する。船舶の解体方法は、ゲートを開いて第1ドックの内水面レベル(WLin)を海洋の海水面レベル(WLout)として、船舶を第1ドックに入渠する船舶の入渠工程と、入渠工程で船舶を第1ドックに入渠している状態で、ゲートを閉じて給水ポンプが第1ドックと第2ドックに海水を供給して、第1ドックと第2ドックの内水面レベル(WLin)を上昇して船舶を持ち上げる海水の上昇工程と、海水の上昇工程で船舶を持ち上げた状態で、船舶を海水に浮かせて第1ドックから第2ドックに移動させる船舶の移動工程と、船舶の移動工程で船舶を第2ドックに移動した後、第2ドックの海水を排水機構で排水して、船舶を持上底面に載せて第2ドックを排水状態とする海水の排水工程と、排水状態となった第2ドックの持上底面に載せた船舶を解体機構で切断する船舶の切断工程とを含んでいる。
(【0011】以降は省略されています)

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