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公開番号2025073172
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023183700
出願日2023-10-26
発明の名称細菌培養装置及び細菌培養方法
出願人アイシン化工株式会社
代理人弁理士法人Vesta国際特許事務所
主分類C12M 1/00 20060101AFI20250502BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の培養効率を向上できること。
【解決手段】細菌培養装置1は、無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の無機培養液11と、無機培養液11中に無機炭素源を含む無機ガスの気泡を発生させる散気部31及びポンプ32からなる気泡発生手段30と、化学繊維の集合体からなり、化学繊維間に空隙を有し、無機培養液11に浸漬され、細菌が付着する担体41とを具備する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の無機培養液と、
前記無機培養液中に前記無機炭素源を含む無機ガスの気泡を発生させる気泡発生手段と、
化学繊維の集合体からなり、前記化学繊維間に空隙を有し、前記無機培養液に浸漬され前記細菌が付着する担体と
を具備することを特徴とする細菌培養装置。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記担体の前記化学繊維は、疎水性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の細菌培養装置。
【請求項3】
前記担体は、その構成材料のポリマーの臨界表面張力が12mN/m以上、60mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の細菌培養装置。
【請求項4】
前記担体は、空隙率が35.0%以上、99.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の細菌培養装置。
【請求項5】
前記担体は、非吸水性であることを特徴とする請求項1に記載の細菌培養装置。
【請求項6】
無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の無機培養液中に、化学繊維の集合体からなり前記化学繊維間に空隙を有する担体を浸漬し、前記無機培養液中に前記無機炭素源を含む無機ガスの気泡を発生させて前記細菌を培養することを特徴とする細菌培養方法。
【請求項7】
前記細菌の培養後に、前記無機培養液及び前記担体から前記細菌を分離し、前記細菌で産生された有機物を回収することを特徴とする請求項6に記載の細菌培養方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌を培養する細菌培養装置及び細菌培養方法に関するもので、特に、細菌の培養効率を向上できる細菌培養装置及び細菌培養方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大気中の二酸化炭素の増大による地球温暖化への影響が懸念されている。特に、化学品、セメント、鉄鋼等の製造工場等では、工業製品の生産過程において燃料の燃焼等により生成される二酸化炭素を含むガスを多く排出し、大気中に放出していることから、地球温暖化問題が深刻化する中で、カーボンニュートラルの実現に向けて、温室効果ガスである二酸化炭素の低減化の要求がますます強くなっている。
そこで、グリーンエネルギーの利用や電化による二酸化炭素の排出削減だけでなく、人工光合成や微生物等により大気や排ガス中に含まれる二酸化炭素を固定することで二酸化炭素を削減する検討も活発化している。中でも、微生物により二酸化炭素を固定化する技術においては、微生物によって二酸化炭素を資源として有用な有機物に転換できる可能性から、大きな注目が集められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、培地中の水素細菌に対し、酸化体と還元体の両形態をとり得る電子媒体物質を介して電子の供給を行いながら、水素と二酸化炭素と水素細菌の最終電子受容体として機能する物質とを与えて培養を行うことにより、水素細菌の代謝を制御して、二酸化炭素固定産物として水素細菌により産生される代謝産物中の有用物質量を増大させる技術を開示する。
特許文献2では、二酸化炭素、水素、酸素、及び窒素を含む混合ガスにて一酸化炭素に耐性のある細菌を二酸化炭素を固定のもと培養し、当該細菌に生分解性プラチックを蓄積生産する技術を開示する。
また、特許文献3においては、炭酸ガスを唯一の炭素源とする独立栄養培地にフルオロカーボンを添加することにより、作業性が安全でしかも細菌の生育を阻害せず、良好な増殖効果を示す水素細菌の培養方法が開示されている。
【0004】
ここで、特許文献1乃至特許文献3に示すように、水素細菌の基質の消費や生産物の生成量等の検証においては、培養液(液体培地)に水素細菌を接種し、培養液の入った容器のヘッドスペース(気相)に炭素源である二酸化炭素を含む混合ガスを封入し、培養液が入った容器を振とう攪拌することで、基質ガスを培養液に溶解させている。このため、細菌の培養効率が低く、大量培養には不向きである。
一方、特許文献4には、基質ガス(気体資源)を培養液(発酵液)内に気泡として直接導入する記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017ー093465号公報
特開2004ー051920号公報
特開平04ー271778号公報
特開2012ー100547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、基質ガスを培養液内に気泡として直接導入しても、供給された基質ガスの多くが気体のまま培養液を通過、浮上していくにすぎず、依然として、基質ガスを細菌が効率よく利用できない問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の培養効率を向上できる細菌培養装置及び細菌培養方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の細菌培養装置は、無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌の無機培養液と、前記無機塩培養液中に前記無機炭素源を含む無機ガスの気泡を発生させる気泡発生手段と、化学繊維の集合体からなり、前記化学繊維間に空隙を有し、前記無機塩培養液に浸漬され前記細菌が付着する担体とを具備するものである。
【0009】
上記無機炭素源を含む無機ガスを栄養源とする細菌は、二酸化炭素または一酸化炭素等の無機炭素源を栄養源とし、無機物(エネルギ源)の酸化反応で生じるエネルギまたは光エネルギを利用して二酸化炭素等の無機炭素を還元することで有機物に変換し、有機炭素の非存在下で生育できる細菌であり、例えば、二酸化炭素を無機炭素源とし、水素、一酸化炭素、硫化水素、硫黄化合物、酸化鉄(II)、亜硝酸、アンモニア等の還元型無機物をエネルギ源として利用して生育する化学合成独立栄養細菌、具体的には、水素細菌(水素酸化細菌、水素資化性細菌)、酢酸生産菌、メタン菌、メタン酸化菌、硝酸菌、亜硝酸菌、硫黄酸化菌、鉄酸化菌、アナモックス菌等や、一酸炭素を無機炭素源とし、水素等の還元型無機物をエネルギ源として利用して生育する一酸化炭素資化性菌や、二酸化炭素を無機炭素源とし、光をエネルギ源として利用して生育する光合成独立栄養細菌等である。
また、上記無機培養液は、水に無機塩が含まれるものであり、好ましくは、アンモニウム塩、硝酸塩等の窒素源を含有する。
【0010】
上記気泡発生手段は、無機培養液中に無機炭素源を含む無機ガスの気泡を生成させることができるものであればよく、例えば、エアーポンプや散気装置等を用いて無機ガスを無機培養液中に放出させることにより無機培養液中に無機ガスの気泡を発生させてもよいし、無機培養液に無機ガスを数気圧で加圧して溶解させ、減圧弁等で急激に大気圧まで減圧することにより加圧環境下で大気圧環境下よりも過剰に溶解した無機ガスを気泡として析出(減圧発泡)させるようにしてもよいし、高速の噴流や旋回流、または、超音波等によって気液外面を混合、振動し、無機培養液中に気相の無機ガスを巻き込み気泡として取り込むことで気泡を発生させてもよい。好ましくは、低コストで気泡を生成できることから、エアーポンプや散気装置等により無機培養液中に無機ガスの気泡を噴出させるものである。
(【0011】以降は省略されています)

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