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公開番号2025071997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182472
出願日2023-10-24
発明の名称コンクリート造壁体の構築方法およびコンクリート造壁体
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E04B 2/84 20060101AFI20250430BHJP(建築物)
要約【課題】3Dプリンタを用いて鉄筋コンクリート造の壁体を容易に構築することができ、また、壁体の鉄筋かぶりを適切に設けることができるコンクリート造壁体の構築方法を提供する。
【解決手段】コンクリート造の壁体1の構築方法であって、3Dプリンタ60のノズル62によってセメント系材料を積層して第一壁部10を造形する工程と、第一壁部10の内面側に鉄筋かご30を配置する工程と、第一壁部10の内面に対峙する位置に、ノズル62によってセメント系材料を積層して第二壁部20を造形する工程と、第一壁部10と第二壁部20との間に充填材を充填する工程と、を備えている。第二壁部20を造形する工程では、ノズル62の下端部よりも上部が第一壁部10の内面から離れるようにノズル62を傾斜させる。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
3Dプリンタのノズルから吐出させたセメント系材料を積層して第一壁部を造形する第一壁部造形工程と、
前記第一壁部の内面側に鉄筋を配置する鉄筋設置工程と、
前記第一壁部の内面に対峙する位置に、前記ノズルから吐出させた前記セメント系材料を積層して第二壁部を造形する第二壁部造形工程と、
前記第一壁部と前記第二壁部との間に充填材を充填する充填工程と、を備え、
前記第二壁部造形工程では、前記ノズルの下端部よりも上部が前記第一壁部の内面から離れるように前記ノズルを傾斜させた状態で、前記ノズルの下端部から前記セメント系材料を吐出させて、前記セメント系材料を積層していることを特徴とするコンクリート造壁体の構築方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料の層の上面を、前記第一壁部側から見て水平面に対して10度から30度の間で下向きに傾斜させていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造壁体の構築方法。
【請求項3】
前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第一連結部品を挟み込み、
前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第二連結部品を挟み込むとともに、前記第一連結部品および前記第二連結部品を棒状部品によって連結することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造壁体の構築方法。
【請求項4】
前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第一孔部を形成し、
前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第二孔部を形成するとともに、前記第一孔部および前記第二孔部に棒状部品の両端部をそれぞれ差し込んで組み付けることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造壁体の構築方法。
【請求項5】
前記第一壁部造形工程において、前記第一壁部の横方向の両縁部に、前記第一壁部の内面から突出した側板部をそれぞれ形成し、
前記第二壁部造形工程において、前記第二壁部の横方向の両縁部を、前記両側板部にそれぞれ接続し、
前記充填工程において、前記第一壁部と前記第二壁部とに囲まれた空間に前記充填材を充填することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造壁体の構築方法。
【請求項6】
前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に支持用鉄筋を挟み込んで、前記支持用鉄筋の一端を前記第一壁部の内面側から突出させ、
前記鉄筋設置工程において、前記鉄筋を前記支持用鉄筋に組み付けることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造壁体の構築方法。
【請求項7】
第一壁部と、
前記第一壁部の内面に対峙する位置に配置された第二壁部と、
前記第一壁部と前記第二壁部との間に配置された鉄筋と、
前記第一壁部と前記第二壁部との間に充填された充填材と、を備え、
前記第一壁部および前記第二壁部は、セメント系材料を積層して形成されており、
前記第二壁部では、前記セメント系材料の層の上面を、前記第一壁部側から見て水平面に対して下向きに傾斜した状態で、前記セメント系材料が積層されていることを特徴とするコンクリート造壁体。
【請求項8】
前記第二壁部では、前記セメント系材料の層の上面を、前記第一壁部側から見て水平面に対して10度から30度の間で下向きに傾斜していることを特徴とする請求項7に記載のコンクリート造壁体。
【請求項9】
前記第一壁部の前記セメント系材料の各層の間に棒状部品の一端が挟み込まれているとともに、
前記第二壁部の前記セメント系材料の各層の間に前記棒状部品の他端が挟み込まれていることを特徴とする請求項7に記載のコンクリート造壁体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート造壁体の構築方法およびコンクリート造壁体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート造構造物の構築方法として、3Dプリンタによってセメント系材料を積層して構造物を造形する様々な技術が提案されている。
非特許文献1には、工場に設置した3Dプリンタによってセメント系材料を積層して枠体を造形し、その枠体を施工現場に設置した鉄筋の周囲に配置して、枠体に囲まれた空間にセメント系材料の充填材を充填することが示されている。
特許文献1には、施工現場に設置した鉄筋の両側に3Dプリンタによって二つの積層体を造形し、両積層体の間にモルタルを充填して壁体を構築することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-93205号公報
【非特許文献】
【0004】
清水建設株式会社,3Dプリンティング技術を活用し、自由曲面形状の大規模コンクリート柱を構築,[令和5年8月29日検索],インターネット<URL:https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2021/2020053.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に示された構造物の構築方法では、枠体を工場から施工現場に運搬する必要があるとともに、施工現場において複数の枠体を接続して組み付ける必要がある。
特許文献1に示された壁体の構築方法では、施工現場に設置された鉄筋に3Dプリンタのノズルが接触しないように、ノズルを鉄筋から大きく離して積層体を造形することになるため、壁体の鉄筋かぶりを適切に設けることが難しく、特に、壁厚さの薄い壁体の構築に不向きである。
本発明は、前記した問題を解決し、3Dプリンタを用いて鉄筋コンクリート造の壁体を容易に構築することができ、また、壁体の鉄筋かぶりを適切に設けることができ、薄い壁厚の壁体も構築可能なコンクリート造壁体の構築方法およびコンクリート造壁体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第一の発明は、コンクリート造壁体の構築方法であって、3Dプリンタのノズルから吐出させたセメント系材料を積層して第一壁部を造形する第一壁部造形工程と、前記第一壁部の内面側に鉄筋を配置する鉄筋設置工程と、前記第一壁部の内面に対峙する位置に、前記ノズルから吐出させた前記セメント系材料を積層して第二壁部を造形する第二壁部造形工程と、前記第一壁部と前記第二壁部との間に充填材を充填する充填工程と、を備えている。前記第二壁部造形工程では、前記ノズルの下端部よりも上部が前記第一壁部の内面から離れるように前記ノズルを傾斜させた状態で、前記ノズルの下端部から前記セメント系材料を吐出させて、前記セメント系材料を積層している。
【0007】
第一発明のコンクリート造壁体の構築方法では、第一壁部、鉄筋、第二壁部の順に3Dプリンタから見て奥から手前に構築していくため、鉄筋コンクリート造の壁体を3Dプリンタによって構築し易い。
また、第一発明のコンクリート造壁体の構築方法では、第一壁部を造形した後に、鉄筋を配置するため、第一壁部と鉄筋との間隔を適切に設定できる。また、第二壁部を造形するときには、ノズルを傾けることで、ノズルと鉄筋との接触を避けつつ、第二壁部と鉄筋との間隔を適切に設定できる。したがって、第一発明のコンクリート造壁体の構築方法では、壁体の鉄筋かぶりを適切に設けることができ、薄い壁厚の壁体も構築可能である。
前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料の層の上面が、前記第一壁部側から見て水平面に対して10度から30度の間で下向きに傾斜するようにノズルを傾けた場合には、セメント系材料を安定して積層できる。
なお、ノズルと鉄筋との接触を避けることができるのであれば、セメント系材料の層の上面の傾斜角度は、第二壁部全体で均一である必要はない。つまり、ノズルの傾斜角度を変化させながらセメント系材料を積層してもよい。
【0008】
前記したコンクリート造壁体の構築方法において、第一壁部と第二壁部との間に充填材を充填する前に、第一壁部と第二壁部とを連結するセパレータを設けることが好ましい。このようにすると、充填材からの圧力によって第一壁部と第二壁部との間隔が変化するのを防ぐことができる。
セパレータが棒状部品の両端部にピーコンと呼ばれる連結部品を連結した構成である場合には、前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第一連結部品を挟み込み、前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第二連結部品を挟み込むとともに、前記第一連結部品および前記第二連結部品を棒状部品によって連結する。
また、セパレータが棒状部品の両端部を壁体の孔部に差し込んで、ナット等の固定部材によって棒状部品の端部を孔部に組み付ける構成である場合には、前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第一孔部を形成し、前記第二壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に第二孔部を形成するとともに、前記第一孔部および前記第二孔部に棒状部品の両端部をそれぞれ差し込んで組み付ける。
【0009】
前記第一壁部造形工程において、前記第一壁部の横方向の両縁部に、前記第一壁部の内面から突出した側板部をそれぞれ形成し、前記第二壁部造形工程において、前記第二壁部の横方向の両縁部を、前記両側板部にそれぞれ接続し、前記充填工程において、前記第一壁部と前記第二壁部とに囲まれた空間に前記充填材を充填してもよい。この構成では、第一壁部と第二壁部との間に充填材を充填し易くなる。
【0010】
前記第一壁部造形工程において、前記セメント系材料を積層する途中で各層の間に支持用鉄筋を挟み込んで、前記支持用鉄筋の一端を前記第一壁部の内面側から突出させてもよい。この構成では、前記鉄筋設置工程において、前記鉄筋を前記支持用鉄筋に組み付けることで、第一壁部の内面側に鉄筋を配置し易くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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