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公開番号2025071551
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181811
出願日2023-10-23
発明の名称接合構造、及び接合方法
出願人東京電力ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類B63B 75/00 20200101AFI20250428BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち浮体と風車部を接合する際に生じる運動エネルギーを従来に比してより緩和することができる低コストかつ容易に立起こすことができる接合構造、及び接合方法を提供することである。
【解決手段】本願発明の接合構造は、浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部との接合構造であって、嵌入凸部と嵌入孔、衝撃緩衝材を備えたものである。このうち嵌入凸部は風車部の底部に設けられ、嵌入孔は浮体の頂部に設けられ、衝撃緩衝材は嵌入孔の内周面(あるいは、嵌入凸部の外周面)に取り付けられる。嵌入孔に嵌入凸部を嵌入すると、海中に配置された浮体と、浮体の上方に配置された風車部が接合される。そして、嵌入孔に嵌入凸部を嵌入するときの運動エネルギーが、衝撃緩衝材によって緩和される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部との接合構造であって、
前記風車部の底部に設けられる嵌入凸部と、
前記浮体の頂部に設けられる嵌入孔と、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面に、取り付けられる衝撃緩衝材と、を備え、
前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入すると、海中に配置された前記浮体と、該浮体の上方に配置された前記風車部と、が接合され、
前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合構造。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部との接合構造であって、
前記風車部の底部に設けられる嵌入孔と、
前記浮体の頂部に設けられる嵌入凸部と、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面に、取り付けられる衝撃緩衝材と、を備え、
前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入すると、海中に配置された前記浮体と、該浮体の上方に配置された前記風車部と、が接合され、
前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合構造。
【請求項3】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部との接合構造であって、
前記風車部の底部に設けられる嵌入孔と、
前記嵌入孔の内周面に取り付けられる衝撃緩衝材と、を備え、
前記嵌入孔は、下方に向かって孔径が拡大し、
前記嵌入孔に前記浮体の頂部を嵌入すると、海中に配置された前記浮体と、該浮体の上方に配置された前記風車部と、が接合され、
前記嵌入孔に前記浮体の頂部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合構造。
【請求項4】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部との接合構造であって、
前記浮体の頂部に設けられる嵌入孔と、
前記嵌入孔の内周面に取り付けられる衝撃緩衝材と、を備え、
前記嵌入孔は、上方に向かって孔径が拡大し、
前記嵌入孔に前記風車部の底部を嵌入すると、海中に配置された前記浮体と、該浮体の上方に配置された前記風車部と、が接合され、
前記嵌入孔に前記風車部の底部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合構造。
【請求項5】
複数の筒状又は柱状の前記衝撃緩衝材が、周方向に間隔を設けて取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の接合構造。
【請求項6】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部とを接合する方法であって、
前記風車部の底部には、嵌入凸部が設けられ、
前記浮体に頂部には、嵌入孔が設けられ、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面には、衝撃緩衝材がり付けられ、
鉛直又は略鉛直姿勢であって一部が気中に位置するように、前記浮体を海中に配置する浮体配置工程と、
鉛直又は略鉛直姿勢であって前記浮体の上方となるように、前記風車部を気中に配置する風車部配置工程と、
前記風車部を下降させて前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入することによって、前記浮体と前記風車部を接合する嵌入工程と、を備え、
前記嵌入工程では、前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合方法。
【請求項7】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部とを接合する方法であって、
前記風車部の底部には、嵌入凸部が設けられ、
前記浮体に頂部には、嵌入孔が設けられ、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面には、衝撃緩衝材がり付けられ、
鉛直又は略鉛直姿勢であって一部が気中に位置するように、前記浮体を海中に配置する浮体配置工程と、
鉛直又は略鉛直姿勢であって前記浮体の上方となるように、前記風車部を気中に配置する風車部配置工程と、
前記浮体を上昇させて前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入することによって、前記浮体と前記風車部を接合する嵌入工程と、を備え、
前記嵌入工程では、前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合方法。
【請求項8】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部とを接合する方法であって、
前記風車部の底部には、嵌入孔が設けられ、
前記浮体に頂部には、嵌入凸部が設けられ、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面には、衝撃緩衝材が取り付けられ、
鉛直又は略鉛直姿勢であって一部が気中に位置するように、前記浮体を海中に配置する浮体配置工程と、
鉛直又は略鉛直姿勢であって前記浮体の上方となるように、前記風車部を気中に配置する風車部配置工程と、
前記風車部を下降させて前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入することによって、前記浮体と前記風車部を接合する嵌入工程と、を備え、
前記嵌入工程では、前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの運衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合方法。
【請求項9】
浮体式洋上風力発電施設を構成する浮体と風車部とを接合する方法であって、
前記風車部の底部には、嵌入孔が設けられ、
前記浮体に頂部には、嵌入凸部が設けられ、
前記嵌入孔の内周面、又は前記嵌入凸部の外周面には、衝撃緩衝材が取り付けられ、
鉛直又は略鉛直姿勢であって一部が気中に位置するように、前記浮体を海中に配置する浮体配置工程と、
鉛直又は略鉛直姿勢であって前記浮体の上方となるように、前記風車部を気中に配置する風車部配置工程と、
前記浮体を上昇させて前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入することによって、前記浮体と前記風車部を接合する嵌入工程と、を備え、
前記嵌入工程では、前記嵌入孔に前記嵌入凸部を嵌入するときの運衝撃が、前記衝撃緩衝材によって緩和される、
ことを特徴とする接合方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、洋上風力発電施設に関するものであり、より具体的には、浮体と風車部を接合する際に生じる運動エネルギーを緩和することができる浮体と風車部との接合構造と、浮体と風車部とを接合する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
我が国における電力消費量は、2008年の世界的金融危機の影響により一旦は減少に転じたものの、オイルショックがあった1973年以降継続的に増加しており、特に1973年度から2007年度の間には2.6倍にまで拡大している。その背景には、生活水準の向上に伴うエアコンや電気カーペットといったいわゆる家電製品の普及、あるいはオフィスビルの増加に伴うOA(Office Automation)機器や通信機器の普及などが挙げられる。
【0003】
これまで、このような莫大な量の電力需要を主に支えてきたのは、石油や石炭、天然ガスといったいわゆる化石燃料による発電であった。ところが近年、化石燃料の枯渇化問題や、地球温暖化に伴う環境問題が注目されるようになり、これに応じて発電方式も次第に変化してきた。その結果、電気事業連合会の統計によれば、1980年頃には石油による年間発電量が全体の約46%を占めていたのに対し、2010年になるとその割合は9%まで減少している。代わりに増加したのが全体の約25%強(2010年)を占めている原子力発電である。原子力発電は、従来の発電方式に比べ温室効果ガスの削減効果が顕著であるうえ、低コストで電力を提供できることから、我が国の電力需要にも大きく貢献してきた。
【0004】
また、温室効果ガスの排出を抑制することができるという点において、再生可能エネルギーによる発電方式も採用されるようになり、2020年には年間発電量が全体の約12%を占めるようになった(電気事業連合会)。この再生可能エネルギーは、太陽光や風力、地熱、中小水力、木質バイオマスといった文字どおり再生することができるエネルギーであり、温室効果ガスの排出を抑え、また国内で生産できることから、有望な低炭素エネルギーとして期待されている。
【0005】
再生可能エネルギーのうち風力を利用した発電方式は、電気エネルギーの変換効率が高いという特長を備えている。一般に、太陽光発電の変換効率は約20%、木質バイオマス発電は約20%、地熱発電は10~20%とされているのに対して、風力発電は20~40%とされているように、他の発電方法よりも高効率でエネルギーを電気に変換できる。また、太陽光発電とは異なり昼夜問わず発電することができることも風力発電の特長である。このような特長を備えていることもあって、風力発電は既にヨーロッパで主要な発電方法として多用されており、我が国でも「エネルギーミックス」の取り組みにおいて2030年には電源構成のうち1.7%を担うことを目指している。
【0006】
風力発電はその設置場所によって陸上風力発電と洋上風力発電に大別され、このうち陸上風力発電は洋上風力発電に比べ設置が容易であり、したがってそのコストも抑えることができるといった特長を備えている。一方、洋上風力発電は、陸上風力発電が抱える騒音問題が生ずることがなく、また転倒等による被害リスクも回避でき、なにより陸上に比して大きな風力を安定的に得ることができるという特長を備えている。世界第6位の排他的経済水域を持つ我が国は、洋上風力発電にとって適地であり、将来的には再生可能エネルギーの有望な産出地となり得ると考えられる。
【0007】
また洋上風力発電は、その設置場所によって異なる形式が採用され、50m以浅の海域では着床式洋上風力発電が適しており、50m以深の海域では浮体式洋上風力発電が適しているとされている。このうち浮体式洋上風力発電は、海水に浮かべる浮体を利用するものであり、係留索で繋がれた浮体上に発電機構を設置し、この発電機構によって発電する方式である。なお浮体形式には、バージ型、セミサブ型、スパー型、緊張係留型(TLP:Tension Leg Platform)などが挙げられる。このうちスパー型の洋上風力発電施設は、そのスパー型浮体の構造がそれほど複雑でないため製造に係る手間を軽減することができるうえ、スパー型浮体が軽量であるためその材料費も抑えることができ、浮体製造コストの面では有利と考えられている。
【0008】
図11は、スパー型の洋上風力発電施設を模式的に示す側面図である。この図に示すようにスパー型の洋上風力発電施設は、海中に浮かべるスパー型浮体と、その上に設置されるタワーやローター、ナセルなど(以下、これらを総称して「風車部」という。)を含んで構成される。タワーはローターやナセルを支持する構造体であり、さらにスパー型浮体がタワーの基礎として機能している。そしてブレード(羽根)とハブからなるローターによって風を動力に変換し、増速機や発電機、変圧器などを含むナセルによって動力を電気に変換して、電力ケーブル(ダイナミックケーブルと海底ケーブル)を通じて陸域まで送電する。なおスパー型浮体は、カテナリー(懸垂線)形状とされた係留索の自重によって係留されるのが一般的である。
【0009】
スパー型浮体を構成する本体部分は、断面寸法に比して軸(以下、「柱軸」という。)方向寸法が大きい長尺体であって、内部が中空の管状を呈している。そして図11にも示すように、運用時におけるスパー型浮体はその柱軸方向が略鉛直(鉛直含む)となる状態(以下、「直立状態」という。)とされる。通常、このスパー型浮体はドライドックなど陸域で製作されることから、運用海域(ウィンドファーム海域:WF海域)まで海上輸送する必要があるが、北欧など一部では直立状態のままスパー型浮体を輸送する例はあるものの、陸域周辺の水深が浅い我が国においては柱軸方向が略水平となる状態でスパー型浮体を輸送している。
【0010】
一方、風車部はスパー型浮体とは別に製作されて静穏域まで輸送され、そこでスパー型浮体に設置される。このとき、図12に示すようにスパー型浮体はあらかじめ直立状態とされ、同様に直立状態とされた風車部を起重機船などによって徐々に吊り降し、そしてスパー型浮体と風車部を接合する。スパー型浮体と風車部を接合するにあたっては、スパー型浮体の頂部に設けられたフランジと、風車部の底部に設けられたフランジを当接し、フランジのボルト孔を合わせたうえでボルト接合するのが主流である。また、風車部に設けられるガイド管をスパー型浮体のガイド孔に挿通することによって、ボルト孔の位置合わせを行っている。
(【0011】以降は省略されています)

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