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公開番号2025070273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023180463
出願日2023-10-19
発明の名称磁場強度の推定方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01R 33/24 20060101AFI20250424BHJP(測定;試験)
要約【課題】磁場強度の推定精度を向上できるとともに、作業性を改善できる推定方法を提供する。
【解決手段】磁場強度の推定方法は、第1色中心から放出された第1蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの位置変化量を算出する位置変化量算出ステップと、第2色中心から放出された第2蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの温度変化量を算出する温度変化量算出ステップと、温度変化量を用いて位置変化量を補正する補正ステップと、補正後の位置変化量に基づいて、磁場印加有りの場合の磁場強度を推定する推定ステップと、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1色中心及び第1色中心とは異なる第2色中心を少なくとも有するダイヤモンド素子に励起光を照射するとともにマイクロ波を掃引し、前記ダイヤモンド素子から放出された蛍光のスペクトルを取得し、取得したスペクトルに基づいて磁場強度の推定を行う磁場強度の推定方法であって、
前記第1色中心から放出された第1蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、前記ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの位置変化量を算出する位置変化量算出ステップと、
前記第2色中心から放出された第2蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、前記ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの温度変化量を算出する温度変化量算出ステップと、
前記温度変化量を用いて前記位置変化量を補正する補正ステップと、
補正後の前記位置変化量に基づいて、磁場印加有りの場合の磁場強度を推定する推定ステップと、
を含むことを特徴とする磁場強度の推定方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記第1色中心は、窒素-空孔複合体であり、
前記第2色中心は、炭素以外のIV族-空孔複合体であり、
少なくとも前記第2蛍光のスペクトルは、フォトルミネッセンススペクトルである請求項1に記載の磁場強度の推定方法。
【請求項3】
前記位置変化量算出ステップ及び前記温度変化量算出ステップにおいて、50μT以下の磁場を印加した状態で前記ダイヤモンド素子に前記励起光を照射してから300秒以内に前記第1蛍光及び前記第2蛍光のスペクトルを取得する請求項1又は2に記載の磁場強度の推定方法。
【請求項4】
前記位置変化量算出ステップ及び前記温度変化量算出ステップにおいて、温度変化が推定対象となる磁場の強度の下限値×3.8×10

以上であるときに前記第1蛍光及び前記第2蛍光のスペクトルを取得する請求項1又は2に記載の磁場強度の推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁場強度の推定方法に関し、特にダイヤモンド素子を用いた磁場強度の推定方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド素子は、ダイヤモンドの内部に存在する窒素-空孔複合体(NV中心(Nitrogen Vacancy center))のもつ、環境変化を敏感に検知して量子状態が変わる特性を利用する素子であり、磁場、電場、温度、歪み等の高感度センサとしての応用が期待されている。ダイヤモンド素子には、NV中心のほか、珪素-空孔複合体(SiV中心(Silicon Vacancy center))や、ゲルマニウム-空孔複合体(GeV中心(Germanium Vacancy center))などが存在することもあり、NV中心を含むこれら複合体は、色中心と呼ばれている。
【0003】
ダイヤモンド素子を用いた磁場強度の推定方法としては、例えば下記特許文献1に記載されたように、2つのODMR(光検出磁気共鳴)ピークを用いて、これらのピークの間隔から磁場強度の推定を行うものが知られている。より具体的には、磁場の強度により量子状態の共鳴周波数が変化する性質(ゼーマン効果)を利用し、磁場を印加した状態でNV中心に緑色の励起光を照射するとともにマイクロ波を掃引し、NV中心から放出された赤色の蛍光のスペクトルを取得し、取得したスペクトルのうちの2つのODMRピーク(すなわち、共鳴周波数)に基づいて磁場強度を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-098572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ODMRピークの位置は、温度にも影響されている。しかし、上述の推定方法では、温度による位置変化への影響が考慮されていないため、磁場強度の推定精度が良いとは言い難い。また、上述の推定方法では、推定対象となる磁場の強度が大きい場合、2つのODMRピークの間隔が大きくなり、マイクロ波の掃引範囲も広くなるので、スペクトルの取得などに時間がかかり、作業性の改善余地が残されている。
【0006】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、磁場強度の推定精度を向上できるとともに、作業性を改善できる推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る磁場強度の推定方法は、第1色中心及び第1色中心とは異なる第2色中心を少なくとも有するダイヤモンド素子に励起光を照射するとともにマイクロ波を掃引し、前記ダイヤモンド素子から放出された蛍光のスペクトルを取得し、取得したスペクトルに基づいて磁場強度の推定を行う磁場強度の推定方法であって、前記第1色中心から放出された第1蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、前記ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの位置変化量を算出する位置変化量算出ステップと、前記第2色中心から放出された第2蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて、前記ダイヤモンド素子への磁場印加有りの場合と磁場印加無しの場合における該ピークの温度変化量を算出する温度変化量算出ステップと、前記温度変化量を用いて前記位置変化量を補正する補正ステップと、補正後の前記位置変化量に基づいて、磁場印加有りの場合の磁場強度を推定する推定ステップと、を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明に係る磁場強度の推定方法では、第1色中心から放出された第1蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて該ピークの位置変化量を算出し、第2色中心から放出された第2蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて該ピークの温度変化量を算出する。そして、算出した温度変化量を用いて位置変化量を補正し、補正後の位置変化量に基づいて磁場強度の推定を行う。このようにすることで、温度による影響を排除でき、従来と比べると磁場強度の推定精度を向上することができる。加えて、取得した蛍光のスペクトルのうちの1つのピークを用いて磁場強度の推定を行うので、従来の2つのピークを用いた場合と比べて、マイクロ波の掃引範囲が小さくなり、蛍光スペクトルの取得にかかる時間を短縮することができる。その結果、磁場強度の推定にかかる作業時間を短くすることができるので、作業性を改善することができる。
【0009】
本発明に係る磁場強度の推定方法において、前記第1色中心は、窒素-空孔複合体であり、前記第2色中心は、炭素以外のIV族-空孔複合体であり、少なくとも前記第2蛍光のスペクトルは、フォトルミネッセンススペクトルであることが好ましい。このようにすれば、第1色中心及び第2色中心のそれぞれの特徴を生かし、磁場強度の推定精度を更に高めることができる。
【0010】
また、本発明に係る磁場強度の推定方法において、前記位置変化量算出ステップ及び前記温度変化量算出ステップにおいて、50μT以下の磁場を印加した状態で前記ダイヤモンド素子に前記励起光を照射してから300秒以内に前記第1蛍光及び前記第2蛍光のスペクトルを取得することが好ましい。このようにすれば、温度変化量の補正効果をより発揮することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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