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公開番号2025066777
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2025008746,2021553674
出願日2025-01-21,2020-10-28
発明の名称ヌクレオシド誘導体及びその利用
出願人国立大学法人東海国立大学機構,ヤマサ醤油株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C07H 21/04 20060101AFI20250416BHJP(有機化学)
要約【課題】二本鎖RNAなどの二重鎖核酸の構成要素として用いたときに、熱的安定性が高いオリゴヌクレオチド誘導体又はその塩を得ることができるヌクレオシド誘導体又はその塩を提供する。
【解決手段】式(1)で表されるヌクレオシド誘導体又はその塩である。
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式中、R1はアルコキシ基、水素原子又はハロゲン原子を表し、R2及びR4は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、水酸基の保護基、リン酸基、保護されたリン酸基、又は-P(=O)nR5R6を表し、R3は、-(CH2)mNHR7を表し、Bは、プリン-9-イル基、2-オキソ-ピリミジン-1-イル基、置換プリン-9-イル基、又は置換2-オキソ-ピリミジン-1-イル基を表す。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の式(1)で表されるヌクレオシド誘導体又はその塩。
JPEG
2025066777000017.jpg
36
81
式中、R
1
はアルコキシ基、水素原子又はハロゲン原子を表し、R
2
及びR
4
は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、水酸基の保護基、リン酸基、保護されたリン酸基、又は-P(=O)
n

5

6
(nは0又は1を表し、R
5
及びR
6
は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、水酸基、保護された水酸基、メルカプト基、保護されたメルカプト基、アルコキシ基、シアノアルコキシ基、アミノ基、又は置換されたアミノ基のいずれかを表し、ただし、nが1の場合は、R
5
及びR
6
がともに水素原子となることはない)を表し、R
3
は、-(CH
2

m
NHR
7
(mは1~6の整数を表し、R
7
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアミノ基の保護基を表す)を表し、Bは、プリン-9-イル基、2-オキソ-ピリミジン-1-イル基、置換プリン-9-イル基、又は置換2-オキソ-ピリミジン-1-イル基を表す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ヌクレオシド誘導体及びその利用に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
遺伝子変異や遺伝子発現異常が関連していると考えられている癌などの疾患が多数知られている。遺伝子の発現を抑制するsiRNA、アンチセンス核酸などの核酸医薬は、このような疾患に有用であり、優れた医薬品ポテンシャルを有しているといえる。例えば、siRNAは二本鎖RNAであり、細胞質に導入されると、Argonaute2(Ago2)などのタンパク質と相互作用してRISC(RNA-induced silencing complex)と呼ばれる複合体を形成する。その後、RISC中でsiRNAの二本鎖のうちの一方が切断されることで一本鎖化し、成熟体RISCを形成する。このとき、切断されてRISC外に取り除かれる鎖はパッセンジャー鎖、成熟体RISCに残存する鎖はガイド鎖とそれぞれ称される。そして、成熟体RISCのガイド鎖によって相補的な配列のmRNAを認識し、Ago2のエンドヌクレアーゼ活性によって切断、分解することで標的遺伝子の発現を抑制する。
【0003】
一方、siRNAは、細胞膜透過が困難であったり、ヌクレアーゼによる分解を受け易いという問題がある。また、siRNAは、標的選択性は高いものの、標的組織までの選択的輸送が困難であるという問題もある。これらの問題を解決すべく、脂質ナノ粒子(LNP)などの送達用キャリアが検討されている。また、RNAの構成要素であるヌクレオシド誘導体又はその塩の糖部(リボース)に対してアミノメチル基を導入するなどの改変を行う試みも提案されている(非特許文献1~4)。
しかしながら、従来の試みによれば、送達用キャリアに不十分な点があるほか、ヌクレオシド誘導体の糖部(リボース)の改変によっても、十分な細胞膜透過性、リボヌクレアーゼ耐性及び標的組織送達性を満足することはできていない。
【0004】
そこで、ヌクレオシド誘導体及びその塩(以下、「ヌクレオシド誘導体」と略すことがある)の糖部(リボース又はデオキシリボース)に対して4’位にアミノ基などの塩基性を有する置換基を導入するか又は2’位の水酸基をハロゲン原子で置換することにより、リボヌクレアーゼ耐性、細胞膜透過性などの特性を向上させる技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/110678号
【非特許文献】
【0006】
HELVATICA CHIMICA ACTA Vol. 83 (2000) 128-151
The Journal of Organic Chemistry 2012, 77, 3233-3245
Bioorganic & Chemistry letters(1999)2667-2672
The Journal of Organic Chemistry 2013, 78, 9956-9962
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
siRNAにおいて、二本鎖RNAの構成要素であるヌクレオシド誘導体の糖部(リボース又はデオキシリボース)のパッカリングは、二本鎖の形成に影響を与える。一般的に、糖部のパッカリングは、N型(C3’-endo)とS型(C2’-endo)とが存在しており、N型の糖部は一本鎖RNAと高い親和性を有する一方、S型の糖部は一本鎖DNAと高い親和性を有する。そのため、N型の糖部の存在割合を高めることにより、二本鎖RNAの熱的安定性を高めることができる。
しかしながら、糖部(リボース又はデオキシリボース)の4’位にアミノ基などの塩基性を有する置換基を導入すると、この置換基が2’位の基と相互作用し、糖部がN型からS型に偏り易くなるため、二本鎖RNAの熱的安定性が低下することがある。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、二本鎖RNAなどの二重鎖核酸の構成要素として用いたときに、熱的安定性が高いオリゴヌクレオチド誘導体又はその塩を得ることができるヌクレオシド誘導体又はその塩を提供することを目的とする。
また、本発明は、二本鎖RNAなどの二重鎖核酸を形成したときに熱的安定性が高く、siRNAなどの核酸医薬としても十分な遺伝子発現抑制能を有することができるオリゴヌクレオチド誘導体又はその塩を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の問題を解決すべくヌクレオシド誘導体の糖部(リボース又はデオキシリボース)の構造に着目して鋭意研究を行った結果、糖部の4’位に酸素原子を介してアミノアルキル基などの塩基性を有する置換基を導入することで、N型の糖部の存在割合を高め得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の式(1)で表されるヌクレオシド誘導体又はその塩である。
(【0011】以降は省略されています)

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