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公開番号
2025066741
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-23
出願番号
2025002927,2023577980
出願日
2025-01-08,2022-07-14
発明の名称
ヒトインターロイキン-2変異体およびその使用
出願人
ドラコターピン バイオメディスン エルエルシー
代理人
個人
,
個人
主分類
C07K
14/55 20060101AFI20250416BHJP(有機化学)
要約
【課題】ヒトインターロイキン-2変異体およびその使用を提供する。
【解決手段】高親和性受容体IL-2Rα/β/γとの親和性が消失または低下し、中親和性受容体IL-2Rβ/γとの親和性が維持されている、IL-2変異体(またはその誘導体)が提供される。また、IL-2変異体およびヒト抗体フラグメントを含む組換えタンパク質/融合タンパク質も提供される。IL-2変異体の活性は向上しており、野生型ヒトIL-2の活性に近くなる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
成熟野生型ヒトインターロイキン-2(IL-2)と比較してアミノ酸変異を含むヒト
IL-2変異体であって、前記変異は、置換、欠失および付加の少なくとも1つであり、
好ましくは、前記成熟野生型ヒトIL-2は、SEQ ID No.1に示されるとおり
であり、前記変異は、
前記成熟野生型ヒトIL-2の31~45位におけるアミノ酸残基のSEQ ID N
o.11に示す配列への変異、
前記成熟野生型ヒトIL-2の35~41位におけるアミノ酸残基のSEQ ID N
o.12または14に示す配列への変異、
前記成熟野生型ヒトIL-2の35~43位におけるアミノ酸残基のSEQ ID N
o.13に示す配列への変異、
前記成熟野生型ヒトIL-2の31~32位におけるアミノ酸残基のGGへの変異、
前記成熟野生型ヒトIL-2の43~45位におけるアミノ酸残基のGへの変異、
前記成熟野生型ヒトIL-2の125位におけるアミノ酸残基のAへの変異、
任意選択で、前記成熟野生型ヒトIL-2のN末端におけるMの付加
からなる群から選択される、IL-2変異体。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記IL-2変異体は、
SEQ ID No.2~10、SEQ ID No.15、
N末端にMが付加されたSEQ ID No.2~10、およびN末端にMが付加され
たSEQ ID No.15、
からなる群から選択される配列で示されるとおりである、請求項1に記載のIL-2変異
体。
【請求項3】
前記IL-2変異体は、IL-2Rαとの低下した親和性を有し、および/または、
前記IL-2変異体は、IL-2Rβとの変化していないかまたは増加した親和性を有
し、および/または、
前記IL-2変異体は、IL-2Rγとの変化していないかまたは増加した親和性を有
し、
好ましくは、前記IL-2変異体は、IL-2Rα/β/γとの低下した親和性を有し
、およびIL-2Rβ/γとのIL-2変異体の親和性は、維持されるか増加する、
請求項1または2に記載のIL-2変異体。
【請求項4】
PEG化、グリコシル化、アルブミンへの接合、Fcへの接合、ヒドロキシエチル化、
脱O-グリコシル化、
からなる群から選択される修飾を有し、
好ましくは、前記Fcへの接合は、請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変
異体のC末端へのヒトIgG1 Fcの接合を指し、
前記PEG化は、IL-2変異体のN末端でのPEGの結合を指し、
好ましくは、前記PEGは、5kD~80kDの分子量を有し、
より好ましくは、前記PEGは、10kD~20kDの分子量を有し、
請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体を含む、IL-2変異体の誘導体
。
【請求項5】
第1の成分と、
第2の成分と、
を含む接合体であって、
前記第1の成分は、前記第2の成分に、直接的に接合するかまたはリンカーを介して間
接的に接合し、
前記第1の成分は、請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体、または請
求項4に記載のIL-2変異体の誘導体であり、
好ましくは、前記第2の成分は、抗体またはその抗原結合断片であり、
より好ましくは、前記抗体またはその抗原結合断片は、腫瘍抗原を標的とする、
接合体。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体、または請求項4に記載のIL-
2変異体の誘導体、または請求項5に記載の接合体、
薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤
を含有する、医薬組成物。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体、請求項4に記載のIL-2変異
体の誘導体、または請求項5に記載の接合体をコードする核酸分子。
【請求項8】
請求項7に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項9】
請求項8に記載の発現ベクターを含むこと、
請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体を発現すること、
請求項4に記載のIL-2変異体の誘導体を発現すること、
請求項5に記載の接合体を発現すること、
のいずれかを含むまたは発現する、宿主細胞であって、
好ましくは、前記宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であり、
好ましくは、前記宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、哺乳類細胞からなる群から選択さ
れ、
最も好ましくは、前記宿主細胞は、サッカロミケス・セレビシエ細胞または大腸菌細胞
である、
宿主細胞。
【請求項10】
薬剤の調製における、請求項1から3のいずれか一項に記載のIL-2変異体、請求項
4に記載のIL-2変異体の誘導体、請求項5に記載の接合体から選択されるいずれかの
使用であって、
前記薬剤は、増殖性疾患、増殖性疾患の転移、免疫疾患からなる群から選択される疾患
を予防または治療するためのものであり、
好ましくは、前記増殖性疾患は、腫瘍または癌であり、
好ましくは、前記免疫疾患は、糖尿病、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマ
トーデス、湿疹、喘息、自己免疫疾患および臓器移植後の自己免疫反応からなる群から選
択され、
好ましくは、前記腫瘍または癌は、上皮細胞癌、内皮細胞癌、扁平上皮癌、パピローマ
ウイルスによる癌、腺癌、黒色腫、肉腫、奇形腫、肺癌、転移性肺癌、リンパ腫および転
移性腎細胞癌腫からなる群から選択される、
使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月30日に出願された特許出願(出願番号202110868
4095)および2022年6月1日に出願された特許出願(202210621425
9)の優先権を主張する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【0002】
本開示は、1つ以上のアミノ酸変異を有するヒトインターロイキン-2(IL-2)変異
体(variant)またはその誘導体に関する。IL-2変異体またはその誘導体は、
高親和性受容体(IL-2Rα/β/γ)との消失または低下した親和性を有し、中親和
性受容体(IL-2Rβ/γ)との親和性を維持する。本開示はまた、ヒトIL-2変異
体、コードポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、医薬組成物、を含む免疫接合体、そ
れらの調製方法、治療方法および使用に関する。
【技術背景】
【0003】
ヒトインターロイキン-2(IL-2)は、T細胞増殖因子(TCGF)としても知ら
れる。IL-2遺伝子は、第4染色体(4q27)上に位置し、合計約7kbの配列を含
む。IL-2は、約133個のアミノ酸から構成され、約15kDの分子量を有する。D
oris Morganら、1976年および1977年は、活性化されたT細胞の培養
液がT細胞の増殖を促進し得ることをそれぞれ発見した。培養液中の刺激因子は精製され
、IL-2と同定された。
【0004】
第1のin vitro細胞実験では、T細胞がTCRおよびCD28によって活性化
された後、IL-2を分泌し、細胞表面にIL-2受容体(IL-2R)を発現し得るこ
とが示された。IL-2のIL-2Rへの結合は、T細胞の増殖およびT細胞への影響を
引き起こし得る。IL-2は、T細胞免疫応答において中心的な役割を果たす分子である
。in vivo実験では、IL-2またはその受容体をノックアウトした後、動物は自
己免疫を発症することが判明した。IL-2はエフェクター細胞(T細胞およびNK細胞
など)だけでなく制御性T細胞も活性化し、それによって自己に対する過剰な免疫を抑制
する。
【0005】
IL-2は、IL-2Rを通じて作用する。IL-2Rは、IL-2Rα(つまりCD
25)、IL-2Rβ(つまりCD122)、およびIL-2Rγ(つまりCD132)
の3つのサブユニットからなる。3つのサブユニットは、3つの形態の受容体を形成し得
、高親和性受容体は、すべての3つのサブユニットのIL-2Rα/β/γを備え、中親
和性受容体は、IL-2Rβ/γを備え、低親和性受容体は、IL-2Rαを備える。I
L-2RβおよびIL-2Rγは、IL-2による下流シグナル伝達経路の活性化に必要
である。IL-2がIL-2RβおよびIL-2Rγに同時に結合するとき、2つの受容
体サブユニットは、ヘテロ二量体を形成して細胞内STAT5をリン酸化し、これは、核
に入り、それによって対応する遺伝子の転写および発現を引き起こす。IL-2Rαは、
シグナル伝達には必要ないが、IL-2RβおよびIL-2RγへのIL-2の結合を促
進し得る。
【0006】
IL-2Rγは、すべての免疫細胞で発現される。IL-2Rβは、CD8+T細胞、
NK細胞、制御性T細胞で発現し、発現レベルは、T細胞の活性化後に増加する。IL-
2Rαは、制御性T細胞で持続的に高発現し、活性化されたCD8+T細胞で一時的に発
現し、その後発現レベルが下方制御される。
【0007】
IL-2は、主に活性化T細胞、特にCD4+ヘルパーT細胞によって合成される。T
細胞の増殖および分化を刺激し、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の産生と末梢血リンパ
球の細胞傷害性細胞とリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞への分化を誘導し、T細
胞によるサイトカインおよび細胞溶解性分子の発現を促進し、B細胞の増殖および分化、
およびB細胞による免疫グロブリン合成を促進し、ならびにナチュラルキラー(NK)細
胞の産生、増殖、活性化を刺激する。in vivoでリンパ球集団を拡大しこれらの細
胞のエフェクター機能を向上するIL-2の能力は、その抗腫瘍効果につながり、IL-
2免疫療法は、特定の転移性癌患者に対する治療選択肢となる。現在、高用量のIL-2
は、転移性腎細胞癌および悪性黒色腫の治療に承認されている。
【0008】
国際公開第2009/135615号に開示されるIL-2変異体は、20位、88位
、または126位に変異を有する。国際公開第2012/062228号に開示されるI
L-2変異体は、38位、42位、45位、62位、68位、または88位の少なくとも
1つに変異を有する。米国特許第8906356号明細書に開示されるIL-2変異体は
、91位および126位に変異を有する。米国特許第9732134号明細書に開示され
るIL-2変異体は、15位、16位、22位、84位、88位または95位の少なくと
も1つに変異を有する。米国特許7803361号明細書および米国特許8124066
号明細書に開示されるIL-2変異体は、変異R38Wを含む。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、1つ以上のアミノ酸変異を有するIL-2変異体(またはその誘導体)、そ
の接合体に関し、さらにはIL-2変異体の使用および調製方法にも関する。
【0010】
(IL-2変異体またはその誘導体)
第1の態様では、本開示は、成熟野生型ヒトIL-2(SEQ ID No.1)と比
較して1つ以上のアミノ酸変異を含むIL-2変異体(またはその誘導体)を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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