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公開番号
2025065482
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2025021028,2021564047
出願日
2025-02-12,2020-12-10
発明の名称
Myclの一過性発現による増殖可能な膵島前駆細胞様細胞の誘導とインスリン陽性細胞への分化誘導
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/12 20060101AFI20250410BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ES/iPS細胞を分化誘導させることにより膵島様インスリン産生細胞の樹立が報告されているが、機能的かつ大量の膵島インスリン陽性細胞の作製技術確立には至っておらず、また拒絶反応や事故免疫反応等の問題も懸念されている。
【解決手段】本発明は、Mycl遺伝子を導入した膵島様細胞、及びMycl遺伝子の一過性発現によって膵島様細胞を増殖誘導し、インスリン産生細胞へ分解誘導する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Mycl遺伝子又はその遺伝子産物を含む、インスリン産生促進剤。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
Mycl遺伝子が、
(1)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸;又は
(2)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつMycl遺伝子が発現誘導された場合に、インスリン産生を促進する活性を有するポリペプチドをコードする核酸
を含む、請求項1に記載のインスリン産生促進剤。
【請求項3】
Mycl遺伝子産物が、
(1)配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;又は
(2)配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%の配列同一性を有し、並びに膵島様細胞を増殖させる効果及び/又はインスリン産生を促進する活性を有するポリペプチド
を含む、請求項1に記載のインスリン産生促進剤。
【請求項4】
Mycl遺伝子又はその遺伝子産物が膵島細胞に導入されている、インスリン産生促進剤。
【請求項5】
Mycl遺伝子が一過的に発現する、請求項1~4のいずれか1項に記載のインスリン産生促進剤。
【請求項6】
膵島細胞が、膵臓から単離された初代膵島細胞、培養膵島細胞、又は幹細胞由来である、請求項4又は5に記載のインスリン産生促進剤。
【請求項7】
幹細胞が、iPS細胞、ES細胞、及び体性幹細胞からなる群から選択される、請求項6に記載のインスリン産生促進剤。
【請求項8】
糖尿病及びそれに関連する疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物であって、
(i)Mycl遺伝子若しくはその遺伝子産物;Mycl遺伝子が組み込まれたベクター;及び/又はMycl遺伝子若しくはその遺伝子産物が導入された又は発現誘導された、膵島細胞;並びに
(ii)薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体を含む、前記医薬組成物。
【請求項9】
糖尿病及びそれに関連する疾患が、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、高血糖症、異脂肪血症、肥満症又は代謝症候群に関連する疾患、障害又は症状から選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
Mycl遺伝子が、
(1)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸;又は
(2)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつMycl遺伝子が発現誘導された場合に、インスリン産生を促進する活性を有するポリペプチドをコードする核酸
を含む、請求項8又は9のいずれかに記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Mycl遺伝子、又は該Mycl遺伝子を導入した膵島様細胞を含むインスリン産生促進剤に関する。また、Mycl遺伝子若しくはその遺伝子産物、又は該Mycl遺伝子を導入した膵島様細胞を含む、糖尿病を予防/治療するための医薬組成物に関する。さらに、本発明は、Mycl遺伝子の一過性発現によって増殖可能な膵島前駆細胞様細胞を誘導し、インスリン産生細胞へ分化誘導する方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
マウス個体内で細胞初期化因子の短時間発現を繰り返すと、膵島細胞が増殖し、耐糖能が改善することが示されている(非特許文献1)。
【0003】
膵島移植は糖尿病疾患に対して膵島組織を移植することで血糖を安定に保たせることを可能とする医療であるが、特に日本においてはドナー不足が深刻な問題となっており、様々なアプローチによる膵島機能再生方法の開発が早急に求められている。近年では、ES/iPS細胞を分化誘導させることにより膵島様インスリン産生細胞の樹立が報告されているが、機能的かつ大量の膵島インスリン陽性細胞の作製技術確立には至っておらず、また拒絶反応や自己免疫反応等の問題も懸念されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Cell, 2016, 167, 1719-1733, e12. doi: 10/1016/j. cell. 2016. 11. 052
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Mycl遺伝子の一過性発現による膵島インスリン産生細胞の増殖技術は、少数のドナー由来の膵島から機能的かつ大量の膵島インスリン産生細胞を樹立できることが期待される。さらに、ES/iPS細胞から膵島インスリン細胞の誘導過程において本技術を適応すれば、幹細胞からのインスリン陽性細胞の効率的な作製が期待できる。本発明は、膵島細胞を対象から取り出し、インビトロで増殖可能な膵島前駆細胞様細胞を誘導した後に、膵島細胞を対象に戻すことを含む、糖尿病を治療するための手段を提供することを目的とする。さらに、本発明は、体内の膵島細胞にMycl遺伝子を一過的に過剰発現させることによる、糖尿病を治療するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、膵島細胞にMycl遺伝子を導入し、該遺伝子を発現させることによって、増殖可能な膵島前駆細胞様細胞を誘導させ得ることを見出した。増殖細胞は、Mycl遺伝子存在下では胎生期の膵島前駆細胞で発現するFev遺伝子、Pax4遺伝子、及びCck遺伝子を発現しながら、同時にソマトスタチンを発現し増殖しているが、Mycl遺伝子発現を停止させると、増殖の停止とともにインスリン陽性細胞に分化する。すなわち、一過的にMycl遺伝子を発現誘導させることにより、増殖可能な膵島前駆細胞様細胞を誘導可能であり、増殖させた膵島前駆細胞様細胞はインスリン陽性細胞に分化させる得ることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]Mycl遺伝子又はその遺伝子産物を含む、インスリン産生促進剤。
[2]Mycl遺伝子が、
(1)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸;又は
(2)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつMycl遺伝子が発現誘導された場合に、インスリン産生を促進する活性を有するポリペプチドをコードする核酸
を含む、[1]に記載のインスリン産生促進剤。
[3]
Mycl遺伝子産物が、
(1)配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;又は
(2)配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%の配列同一性を有し、並びに膵島様細胞を増殖させる効果及び/又はインスリン産生を促進する活性を有するポリペプチド
を含む、[1]に記載のインスリン産生促進剤。
[4]Mycl遺伝子又はその遺伝子産物が膵島細胞に導入されている、インスリン産生促進剤。
[5]Mycl遺伝子が一過的に発現する、[1]~[4]のいずれかに記載のインスリン産生促進剤。
[6]膵島細胞が、膵臓から単離された初代膵島細胞、培養膵島細胞、又は幹細胞由来である、[4]又は[5]に記載のインスリン産生促進剤。
[7]幹細胞が、iPS細胞、ES細胞、及び体性幹細胞からなる群から選択される、[6]に記載のインスリン産生促進剤。
[8]糖尿病及びそれに関連する疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物であって、
(i)Mycl遺伝子若しくはその遺伝子産物;Mycl遺伝子が組み込まれたベクター;及び/又はMycl遺伝子若しくはその遺伝子産物が導入された又は発現誘導された、膵島細胞;並びに
(ii)薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体を含む、前記医薬組成物。
[9]糖尿病及びそれに関連する疾患が、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、高血糖症、異脂肪血症、肥満症又は代謝症候群に関連する疾患、障害又は症状から選択される、[8]に記載の医薬組成物。
[10]Mycl遺伝子が、
(1)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸;又は
(2)配列番号1又は3で表される塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつMycl遺伝子が発現誘導された場合に、インスリン産生を促進する活性を有するポリペプチドをコードする核酸
を含む、[8]又は[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[11]Mycl遺伝子産物が、
(1)配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;又は
(2)配列番号2又は3で表されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%の配列同一性を有し、並びに膵島様細胞を増殖させる効果及び/又はインスリン産生を促進する効果を有するポリペプチド
を含む、[8]又は[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12][1]~[7]のいずれかに記載のインスリン産生促進剤、又は[8]~[11]のいずれかに記載の医薬組成物を含むキット。
[13]Mycl遺伝子を活性化させるための活性剤をさらに含むキット。
[14]Mycl遺伝子を活性化させるための活性剤が、プロモーター、エンハンサー、プロモーターを活性化する酵素又は因子、エンハンサーを活性化する酵素又は因子、核酸タンパク質複合体、及び低分子化合物からなる群から選択される、[13]に記載のキット。
[15]Mycl遺伝子又はその遺伝子産物が導入された膵島細胞。
[16]膵島細胞が、膵臓から単離された初代膵島細胞、培養膵島細胞、又は幹細胞由来である、[15]に記載の膵島様細胞。
[17][16]に記載の膵島様細胞を調製する方法であって、
(a)組換えプラスミド、組換えウイルスベクター、ミニサークル、又はエピソーマルベクターにMycl遺伝子を組み込む工程;及び
(b)工程(a)で得られた組換えプラスミド、組換えウイルスベクター、ミニサークル、又はエピソーマルベクターを膵島細胞に導入する工程
を含む方法。
[18][16]に記載の膵島様細胞を調製する方法であって、Mycl遺伝子をコードするRNA、又はMyclタンパク質を膵島細胞に導入する工程を含む方法。
[19]Mycl遺伝子を発現させる工程を含む、[15]若しくは[16]に記載の膵島様細胞、又は[17]若しくは[18]に記載の方法によって調製された膵島様細胞を増殖させる方法。
[20]Mycl遺伝子の発現が一過的であることを特徴とする、[19]に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外因性又は内因性のMycl遺伝子の発現を制御することによって、インスリン産生が望まれる糖尿病又はその関連疾患を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
Mycl発現を誘導可能なマウスES細胞の樹立を示す。
Mycl過剰発現による膵島の増大を示す。
Mycl過剰発現によるソマトスタチン陽性の膵島細胞様細胞の増生を示す。
Mycl過剰発現によるソマトスタチン陽性の膵島細胞様細胞の増生を示す。
Mycl過剰発現によるソマトスタチン陽性の膵島細胞様細胞の増生を示す。
Mycl過剰発現により増生したソマトスタチン陽性の膵島細胞様細胞は胎生期の膵島前駆細胞に類似する。
Mycl過剰発現による膵島前駆細胞様細胞の増殖誘導とMycl過剰発現停止による増殖停止を示す。
Mycl発現停止による膵島前駆細胞様細胞のインスリン陽性細胞への分化を示す。
Mycl一過性過剰発現による耐糖能の亢進を示す。
単離した膵島における試験管内でのMycl発現の誘導および膵島の増大を示す。
単離した膵島から分散させた細胞における試験管内でのMycl発現誘導と膵島細胞の増殖を示す。
c-Myc遺伝子又はMycn遺伝子発現を誘導可能なマウスES細胞の樹立を示す。
単離した膵島における試験管内でのc-Myc遺伝子又はMycn遺伝子発現による細胞死を示す。
糖尿病マウスモデルにおける治療効果を示す。
Myclは膵島以外に異常増殖を誘導しないことを示す。
老齢マウスにおける膵島増生を示す。
ヒト膵島前駆細胞におけるMcylの発現を示す。
ヒトにおける膵島増生を確認した図を示す。
シングルセル解析によりヒトにおける膵島増生を確認した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、Mycl遺伝子若しくはその遺伝子産物、又は該Mycl遺伝子を導入した膵島様細胞を含むインスリン産生促進剤に関する。これらインスリン産生促進剤を含む、糖尿病を予防/治療するための医薬組成物に関する。本発明を以下に詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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