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公開番号2025062467
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2023171569
出願日2023-10-02
発明の名称被加工物の加工方法
出願人株式会社ディスコ
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類H01L 21/301 20060101AFI20250407BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】レーザー光線を加工予定領域に照射して角質層を形成し、角質層を形成することにより剥離される領域を意図した領域で精密に剥離されるように制御する加工方法を提供する。
【解決手段】方法は、加工予定領域を設定する設定ステップと、加工予定領域を複数の領域に区分する境界又は該加工予定領域とその他の領域を区分する境界を加工する境界加工ステップと、角質層を形成する第一のレーザー光線LB1のエネルギーとパルス間隔の相関関係から相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成ステップと、第一のレーザー光線のパルス間隔を相関関係閾値以下に設定するエネルギー及びパルス間隔設定ステップと、設定ステップ、境界加工ステップ、エネルギー及びパルス間隔設定ステップの実施後に、第一のレーザー光線を加工予定領域に照射して、角質層180を形成する角質層形成ステップと、角質層を、被加工物から剥離する剥離ステップと、を備える。
【選択図】図15
特許請求の範囲【請求項1】
被加工物の加工方法であって、
加工予定領域を設定する設定ステップと、
該加工予定領域を複数の領域に区分する境界又は該加工予定領域とその他の領域を区分する境界を加工する境界加工ステップと、
該加工予定領域に角質層を形成する第一のレーザー光線の1パルス当たりのエネルギーとパルス間隔との相関関係から相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成ステップと、
第一のレーザー光線の1パルス当たりのエネルギーを該相関関係閾値以上に設定すると共に、第一のレーザー光線のパルス間隔を該相関関係閾値以下に設定するエネルギー及びパルス間隔設定ステップと、
該設定ステップ、該境界加工ステップ、エネルギー及びパルス間隔設定ステップの実施後に、該第一のレーザー光線を該加工予定領域に照射して、角質層を形成する角質層形成ステップと、
該角質層を、被加工物から剥離する剥離ステップと、
を備える被加工物の加工方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
該境界加工ステップは、被加工物に対して吸収性を有する波長の第二のレーザー光線を被加工物に照射し、被加工物の該境界に溝を形成する請求項1に記載の被加工物の加工方法。
【請求項3】
該境界加工ステップは、被加工物に対して透過性を有する波長の第三のレーザー光線を被加工物に照射し、被加工物の該境界に対応する内部に改質層と該改質層から伸びるクラックと、を形成する請求項1または2に記載の被加工物の加工方法。
【請求項4】
該境界加工ステップは、被加工物に対して透過性を有する波長の第四のレーザー光線の集光点を被加工物の該境界に対応する位置であって該一方の面から該角質層を形成すべき厚みに相当する深さに位置づけて該第四のレーザー光線を被加工物に照射して被加工物の面方向に沿って延びる該クラックを形成する請求項1又は2に記載の被加工物の加工方法。
【請求項5】
該境界加工ステップは、被加工物に対して透過性を有する波長の第四のレーザー光線の集光点を被加工物の該境界に対応する位置であって該一方の面から該角質層を形成すべき厚みに相当する深さに位置づけて該第四のレーザー光線を被加工物に照射して被加工物の面方向に延びる該クラックを形成する請求項3に記載の被加工物の加工方法。
【請求項6】
該角質層は、該レーザー光線が照射された被加工物の局所に急速に膨張しようとする大きな熱応力が生じ、その大きな熱応力が低温な周辺に拘束されて被加工物の降伏応力を超えることで生じる圧縮塑性ひずみの連鎖によって生成される請求項1に記載の被加工物の加工方法。
【請求項7】
該相関関係閾値は近似式によって特定され、該近似式は、横軸をパルス間隔(μs)とし、縦軸を1パルス当たりのエネルギー(μJ)とした場合、
1パルス当たりのエネルギー=a{b-(パルス間隔/μs-c)


で表され、係数a、b、cは、被加工物の種類によって設定される請求項1に記載の被加工物の加工方法。
【請求項8】
被加工物がシリコン(Si)の場合、
a=4、b=1、c=0.9
に設定され、該近似式は、
1パルス当たりのエネルギー=4{1-(パルス間隔/μs-0.9)


で表され、パルス間隔は0.02μs以上0.8μs以下の範囲で設定される請求項7に記載の被加工物の加工方法。
【請求項9】
該角質層形成ステップにおいて使用されるレーザー光線の照射ピッチが10~200nmに設定される請求項1に記載の被加工物の加工方法。
【請求項10】
該レーザー光線のパルス幅は、0.3~100psの範囲で設定される請求項1に記載の被加工物の加工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物の加工方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが、分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削され所望の厚みに形成された後、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
また、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割する際、ウエーハの分割予定ラインを加工予定領域として設定し、該加工予定領域に沿ってウエーハに対し吸収性を有する波長のレーザー光線を照射して分割溝を形成し、個々のデバイスチップに分割することが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-019252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載された技術によれば、レーザー光線の照射によって、ウエーハの表面に、分割の起点となるレーザー加工溝が形成され、ウエーハを個々のデバイスチップに分割することができる。しかし、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してアブレーション加工を実施してレーザー加工溝を形成する場合、アブレーション加工によって大量のデブリが発生してウエーハに付着し、その結果デバイスチップを汚染して、デバイスチップの品質を低下させるという問題がある。
【0006】
ところで、本出願人は、ウエーハの表面に対し、1パルス当たりのエネルギーとパルス間隔との相関関係から板状の被加工物の上面に角質層を形成する相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程と、レーザー光線照射手段から照射されるパルスレーザー光線のパルスエネルギーが該相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔が該相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程と、被加工物に対し該レーザー加工条件に基づきパルスレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成する角質層形成工程と、を含み構成されたレーザー加工方法を提案している(特願2022-055878号、以下「先行技術」という)。
【0007】
上記した先行技術によれば、板状の被加工物において、上記の角質層が形成された領域を容易に除去することが可能になり、研削加工時の生産性を向上させることができることが分かっている。そして、上記した先行技術によれば、容易に被加工物の表面を剥離し除去することが可能であることから、例えば、ウエーハの分割予定ラインに沿って、上記した角質層を形成し、該角質層を除去することによって分割の起点となる溝を形成することが考えられる。
【0008】
しかし、除去すべき分割予定ライン上に設定される加工予定領域に対して、先行技術のレーザー加工条件に基づきレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成して除去するだけでは、該角質層が剥がれて除去される領域を厳密に制御することが困難であり、該角質層を除去する際に、該角質層を形成した領域以外に剥離領域が拡大するおそれがあるという問題がある。より具体的に言えば、例えば、ウエーハの分割予定ラインに沿って該角質層を形成して除去する場合、剥離して除去される領域が分割予定ラインにおいて予め設定された加工予定領域からはみ出して、個々に分割されるデバイスチップの品質を損なう、という問題が生じ得る。
【0009】
上記した問題は、ウエーハの分割予定ラインに沿って角質層を形成して、該角質層を剥離して除去する場合に限定されず、ウエーハの表面の一部を除去する場合、より具体的には、例えばウエーハの外周端に形成された面取り部に沿って環状の加工予定領域を設定し、該環状の加工予定領域において上記した角質層を所望の深さで形成し、環状に形成した該角質層を除去する所謂エッジトリミングを実施する場合や、ウエーハ上に文字や記号等のマーキングを、該角質層を形成し除去することによって形成する場合等においても起こり得る問題である。
【0010】
さらに言えば、例えば、ウエーハの表面全体を加工予定領域として設定し、該表面全体に角質層を形成して除去する場合においては、角質層を形成する最中に、角質層を形成した領域において意図しない範囲で剥がれが生じて、レーザー光線を照射することによる角質層の形成を阻害するおそれがあり、このような加工を行う場合においても、該角質層が剥がれる領域を意図した領域で精密に制御することが望まれている。
(【0011】以降は省略されています)

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