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公開番号
2025061985
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-11
出願番号
2025014135,2021562766
出願日
2025-01-30,2020-12-07
発明の名称
ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体及び該共重合体を含む樹脂組成物
出願人
出光興産株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C08G
64/20 20060101AFI20250404BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】高い透明性を有するポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を得る。
【解決手段】特定のジオールモノマー(a1)と、特定のポリオルガノシロキサン(a2)とを原料モノマーとして用いる、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(a1)で表されるジオールモノマー(a1)と、下記一般式(a2-1)~(a2-3)で示されるいずれかの構造を有するポリオルガノシロキサン(a2)とを原料モノマーとして用いる、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
JPEG
2025061985000029.jpg
61
165
[式中、R
1
~R
4
は同一か又は異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリール基を示す。R
5
及びR
6
は同一か又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、炭素数6~20のアリーレン基、炭素数1~10のアルキレン基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリーレン基を示し、官能基として、-O-、-COO-、-CO-、-S-、-NH-、-NR
111
-を含んでよい。R
7
は炭素数6~20のアリーレン基、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数3~10の分岐アルキレン基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリーレン基を示し、官能基として、-O-、-COO-、-CO-、-S-、-NH-、-NR
111
-を含んでよい。複数のR
8
は同一か又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、炭素数6~20のアリーレン基、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数3~10の分岐アルキレン基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリーレン基を示し、官能基として、-O-、-COO-、-CO-、-S-、-NH-、-NR
111
-を含んでよい。R
111
は炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~10のアリール基を示す。zは0又は1を示す。z1は0又は1を示す。aは2~500の整数を示し、bは5~200の整数を示す。b1は5~200の整数を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。R
10
は炭素数2~40の二価の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3~40の二価の脂環式炭化水素基、又は炭素数6~20の二価の芳香族炭化水素基を示し、置換基によって置換されていてもよい。前記二価の脂肪族炭化水素基、前記二価の脂環式炭化水素基又は前記二価の芳香族炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1つのハロゲン原子を含んでもよい。]
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
前記ジオールモノマー(a1)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン及び1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロドデセンからなる群から選択される芳香族ビスフェノール、又はイソソルビド、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3-プロパンジオール及び1,4-ブタンジオールからなる群から選択される脂肪族ジオールである、請求項1に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項3】
前記一般式(a2-1)~(a2-3)において、aが2以上300以下の整数である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体。
【請求項4】
前記一般式(a2-1)~(a2-3)において、R
1
~R
4
がすべてメチル基を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項5】
前記一般式(a2-1)~(a2-3)において、R
6
がトリメチレン基(-(CH
2
)
3
-)である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項6】
前記一般式(a2-1)~(a2-3)において、R
8
がジメチレン基(-(CH
2
)
2
-)、メチル置換ジメチレン基(-CH
2
CHMe-)、トリメチレン基(-(CH
2
)
3
-)、及びテトラメチレン基(-(CH
2
)
4
-)からなる群の中から選択されるいずれかの構造である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ポリオルガノシロキサン(a2)と、前記ジオールモノマー(a1)と、炭酸エステル化合物とを塩基性触媒下で溶融重合法により反応させる、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項8】
得られるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリオルガノシロキサンブロック(A-1)と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック(A-2)とを含むものである、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
JPEG
2025061985000030.jpg
50
81
[式中、R
1
~R
4
は同一か又は異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリール基を示す。R
6
は、炭素数6~20のアリーレン基、炭素数1~10のアルキレン基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリーレン基を示し、官能基として、-O-、-COO-、-CO-、-S-、-NH-、-NR
111
-を含んでよい。複数のR
8
は同一か又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、炭素数6~20のアリーレン基、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数3~10の分岐アルキレン基又はアルキル基部位の炭素数が1~10であるアルキルアリーレン基を示し、官能基として、-O-、-COO-、-CO-、-S-、-NH-、-NR
111
-を含んでよい。R
111
は炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~10のアリール基を示す。zは0又は1を示す。aは2~500の整数を示し、bは5~200の整数を示す。R
10
は炭素数2~40の二価の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3~40の二価の脂環式炭化水素基、又は炭素数6~20の二価の芳香族炭化水素基を示し、置換基によって置換されていてもよい。前記二価の脂肪族炭化水素基、前記二価の脂環式炭化水素基又は前記二価の芳香族炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1つのハロゲン原子を含んでもよい。yは10~500の整数を示す。]
【請求項9】
前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体における、一般式(1)で示されるポリオルガノシロキサンブロックの含有率が0.1質量%以上60質量%以下である、請求項8に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量(Mv)が5,000以上50,000以下である、請求項8又は9に記載のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体及び該共重合体を含む樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、透明性及び力学物性に優れ、かつ非常に高い耐衝撃性を有するエンジニアリングプラスチックである。ポリカーボネートに、ポリシロキサンを共重合したポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体は、高い透明性を維持したまま、低温耐衝撃性に優れ、耐薬品性にも優れることが知られている。
一般に、ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方法(界面重縮合法)、あるいは芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応させる方法(溶融重合法)が知られている。
【0003】
ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を製造するには、界面重合法が採用されることが多い。例えば、ビスフェノール等のジアリールジオール化合物とホスゲンとを有機溶媒の存在下で反応させて、反応性のクロロホーメート基を有するポリカーボネートオリゴマーを生成させ、該ポリカーボネートオリゴマーの生成と同時に又は逐次的に、さらにポリカーボネートオリゴマーと、ビスフェノール類と、水酸基含有アリール基を両末端に持つポリシロキサンとを、塩化メチレン/水媒体中で接触させて製造することができることが知られる(特許文献1)。一般的に、重合反応において同一原料成分同士が結合したホモカップリング体や、一部原料が重合反応に関与せず未反応原料成分が生じることがある。これらの成分はポリマー主鎖に均一に取り込まれないまま重合体中で存在するため、重合体の透明性や力学物性は著しく低下してしまう。上記界面重合法ではこのような問題が生じる事は少なく、透明性や力学物性に優れるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体が得られる。
【0004】
一方で、界面重合法はカーボネート源として毒性の高いホスゲンを用いる必要がある。加えて、重合反応系には環境負荷の大きな塩化メチレンを溶媒として用いる必要があり、その除去には大型の脱気装置や大きなエネルギーを要し経済的に不利である。この問題を回避するために、界面重合法以外の製造方法、例えば溶融重合法によりポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を製造することが検討されている。
【0005】
特許文献2には、ビスフェノール化合物、炭酸芳香族ジエステル、シラノール末端停止ポリシロキサン及び触媒から溶融重合法によるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造について開示されている。特許文献3には、カーボネート末端停止ポリオルガノシロキサン、ジヒドロキシ芳香族化合物、ジアリールカーボネート及びカーボネートエステル交換触媒の存在下でブロックコポリシロキサンカーボネートを製造する方法を開示する。特許文献4には、ヒドロキシアリールオキシ停止ジメチルシロキサンと、特定重量平均分子量及び特定末端比率(OH末端基とアリール末端基)を有するオリゴカーボネートとを、触媒の存在下にて溶融状態で反応させることを含む、ポリシロキサン/ポリカーボネートブロック共縮合生成物の製造方法を開示する。
【0006】
特許文献5には、特定の触媒存在下、特定の末端構造を有するポリジオルガノシロキサン成分を含むポリジオルガノシロキサン、Siを含まないジフェノール、炭酸ジアリールエステルを溶融重合する、ポリ(ジオルガノシロキサン)/ポリカーボネートブロックコポリマーを製造する方法が開示されている。特許文献6には、固相重合により改質ポリカーボネート樹脂を製造する方法が開示され、出発原料物質としてポリシロキサン化合物を用いることが記載されている。特許文献7~9には、エステル交換法により、ポリシロキサン-ポリカーボネートブロック共縮合物を得る方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015-189953号公報
米国特許第5,227,449号明細書
特開平8-311206号公報
特開平10-251408号公報
特開2008-248262号公報
特表2008-513594号公報
特表2017-505841号公報
特表2016-532734号公報
特表2016-532733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2~7は、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の溶融重合法による製造方法を開示しているが、良好な透明性と力学物性とを有するポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を得るという点では未だ不十分である。
特許文献2にはシラノール末端停止シロキサンを用いて得られるポリマーの透明性に関して何ら教示がなく、かつシラノール末端停止ジメチルシロキサンはその分子量が低くなるほど分子内縮合を起こす傾向がある事が知られている。分子内縮合の結果生成する環状シロキサンは得られるポリカーボネート-ポリシロキサン共重合体に残留し、その透明性や力学物性に悪影響を及ぼすだけでなく、電機・電子分野用途においてリレー接点不良等の悪影響を与える事が懸念される。
【0009】
特許文献3は、ポリマー主鎖に組み込まれるポリジメチルシロキサンの量が増加する事が示されているものの、得られるポリマーの透明性に関する教示はない。また、カーボネート末端停止ポリシロキサンと他の原料との溶融状態での外観が「乳白色」と記載があることから、カーボネート末端停止ポリシロキサンは他の原料と分離しており、依然としてホモカップリングで生成する成分や未反応のカーボネート末端停止ポリシロキサンが共重合体中に残留している事が推察される。これらの成分はポリカーボネート-ポリシロキサン共重合体の透明性や力学物性を著しく低下させる。特許文献3ではシロキサンのポリマー主鎖への組み込み量が多い製造例でさえアルカリ金属系の触媒(水酸化ナトリウム)をビスフェノールAのモル数に対して10×10
-6
倍量も使用しており、過剰量の触媒を使用した場合、残留触媒成分量の増加がポリカーボネート連鎖の加水分解を誘発するため、得られた重合体には実用条件に耐えうる耐熱性や耐候性は備わっていないと推察される。
【0010】
特許文献4に開示された方法は、得られたポリマーの外観について「白色」との記載がある通り、シロキサンと他原料の重合時の均一性は未だ不十分であり、その透明性や力学物性には改善の余地が残ると言える。
(【0011】以降は省略されています)
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