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公開番号2025060224
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170819
出願日2023-09-29
発明の名称熱伝導シート
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】千切れが発生しにくく、かつ熱伝導性に優れる熱伝導シートを提供する。
【解決手段】本発明の熱伝導シートは、架橋樹脂を含む樹脂と、液状物と、所定の体積比率の板状窒化ホウ素粒子とを含み、シート内において板状窒化ホウ素が所定の配向角度で配向してなる、熱伝導シートにおいて、主面内の所定方向及び該方向に垂直な方向のシート強度の比が3.5以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂と板状窒化ホウ素粒子とを含む熱伝導シートであり、
前記熱伝導シートがさらに液状物を含み、
前記樹脂は架橋樹脂を含み、
前記板状窒化ホウ素粒子は前記熱伝導シートの主面に対して60°以上90°以下の配向角度で配向しており、
前記樹脂、前記液状物、及び前記板状窒化ホウ素粒子の合計体積に占める前記板状窒化ホウ素粒子の体積分率が50体積%以上であり、
前記熱伝導シートの主面についてシート強度を測定した場合に前記シート強度が最も高くなる主面内方向をX方向、及び前記X方向に対して垂直な主面内方向をY方向としたとき、前記Y方向のシート強度に対する前記X方向のシート強度の比(前記X方向のシート強度/前記Y方向のシート強度)は3.5以下である、熱伝導シート。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記液状物は、前記架橋樹脂と同一の架橋系で架橋しない、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記液状物が液状樹脂であるとき、前記架橋樹脂及び前記液状樹脂の合計質量に占める前記液状樹脂の質量割合は10質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
前記熱伝導シートの初期厚みをT1(mm)、前記熱伝導シートを温度100℃、1MPaの条件で10秒間加圧した際の厚みである加圧中厚みをT2(mm)、加圧した前記熱伝導シートを除荷してから1分後の厚みである加圧後厚みをT3(mm)として、下記式(1)に従って算出される復元率の値が60%以上である、請求項1に記載の熱伝導シート。
復元率(%)=(T3-T2)÷(T1-T2)×100・・・(1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導シートに関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パワー半導体(IGBTモジュールなど)や集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子デバイスでは、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
【0003】
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。そして、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、熱伝導性が高いシート状の部材(熱伝導シート)を介し、この熱伝導シートに対して所定の圧力をかけることで発熱体と放熱体とを密着させている。
【0004】
熱伝導シートには、高い絶縁性が要求されている。例えば特許文献1では、フッ素樹脂と、窒化ホウ素粒子を含有する熱伝導性フィラーと、を含む熱伝導シートにおいて、かかるシートにおける熱伝導性フィラーの含有割合を30体積%以上75体積%以下とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-203857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、熱伝導シートは、その使用に際して、電子機器の駆動時に発熱体の発熱により高温下にさらされる。さらに、熱伝導シートには、高温下における発熱体及び放熱体といった部材の膨張により、圧力が印加されうる。そして、かかる圧力は、発熱体、すなわち、電子部品等の駆動停止などにより部材が降温して収縮することで除荷されうる。場合によっては、圧力が繰り返し印加されることにより、シートが分離するいわゆる「千切れ」という現象が発生することから、シートには一定の強度、特に千切れを防止できる程度に高い強度が求められる。
【0007】
しかし、シート強度を高めるために樹脂を架橋すると、熱伝導シートの熱伝導性が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、千切れが発生しにくく、かつ熱伝導性に優れる熱伝導シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、架橋樹脂を含む樹脂と、液状物と、所定の体積比率の板状窒化ホウ素粒子とを含み、シート内において板状窒化ホウ素が所定の配向角度で配向してなる、熱伝導シートにおいて、主面内の所定方向及び該方向に垂直な方向のシート強度の比が3.5以下である場合に、千切れが発生しにくく、かつ熱伝導性に優れることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、[1]本発明の熱伝導シートは、樹脂と板状窒化ホウ素粒子とを含む熱伝導シートであり、前記熱伝導シートがさらに液状物を含み、前記樹脂は架橋樹脂を含み、前記板状窒化ホウ素粒子は前記熱伝導シートの主面に対して60°以上90°以下の配向角度で配向しており、前記樹脂、前記液状物、及び前記板状窒化ホウ素粒子の合計体積に占める前記板状窒化ホウ素粒子の体積分率が50体積%以上であり、前記熱伝導シートの主面についてシート強度を測定した場合に前記シート強度が最も高くなる主面内方向をX方向、及び前記X方向に対して垂直な主面内方向をY方向としたとき、前記Y方向のシート強度に対する前記X方向のシート強度の比(前記X方向のシート強度/前記Y方向のシート強度)は3.5以下であることを特徴とする。
かかる本発明の熱伝導シートは、千切れが発生しにくく、同時に熱伝導性に優れる。
なお、本明細書において、板状窒化ホウ素粒子の配向角度、ならびにX方向及びY方向のシート強度は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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