TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025056830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023166319
出願日2023-09-27
発明の名称水性ポリウレタン樹脂分散体
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C08G 18/00 20060101AFI20250401BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】基材上に製膜した場合に、強度及び柔軟性の両方に優れる、水性ポリウレタン樹脂分散体を提供する。
【解決手段】本発明は、酸性基非含有ポリオール(a)由来の構造、ポリイソシアネート(b)由来の構造、酸性基含有ポリオール(c)由来の構造及び鎖延長剤(d)由来の構造を含むポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されてなる水性ポリウレタン樹脂分散体であって、前記酸性基非含有ポリオール(a)は、ポリエーテルポリオールを含み、前記鎖延長剤(d)は、ポリエーテルポリアミンを含み、前記ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の含有割合とウレア結合の含有割合との合計は、固形分基準で7.6~15.0質量%であり、前記ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールの含有割合とポリエーテルポリアミンの含有割合との合計は、固形分基準で75.0~85.0質量%である、水性ポリウレタン樹脂分散体に関する。また、水性ポリウレタン樹脂分散体は、製膜時に使用する有機溶剤の使用量を低減することができるため、SDGs(Sustainable Development Goals。持続可能な開発目標)のGoal7等の達成に貢献し得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸性基非含有ポリオール(a)由来の構造、ポリイソシアネート(b)由来の構造、酸性基含有ポリオール(c)由来の構造及び鎖延長剤(d)由来の構造を含むポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されてなる水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
前記酸性基非含有ポリオール(a)は、ポリエーテルポリオールを含み、
前記鎖延長剤(d)は、ポリエーテルポリアミンを含み、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の含有割合とウレア結合の含有割合との合計は、固形分基準で7.6~15.0質量%であり、
前記ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールの含有割合とポリエーテルポリアミンの含有割合との合計は、固形分基準で75.0~85.0質量%である、水性ポリウレタン樹脂分散体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
ポリエーテルポリオールの数平均分子量が、800~3,500である、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
【請求項3】
ポリエーテルポリアミンが、下記式(1)で示される、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
TIFF
2025056830000005.tif
19
161
〔式中、nは、2~100であり、m及びpは、それぞれ独立して、0又は1~100であり、R

、R

、R

及びR

は、同一又は異なっており、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐状の炭素原子数2~6のアルキレン基である〕
【請求項4】
ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリアミンの含有割合が、0.5~10質量%である、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
【請求項5】
ポリウレタン樹脂の酸価が、10.0~40.0mgKOH/gである、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
【請求項6】
ポリイソシアネート(b)が、脂環式ジイソシアネートである、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む、コーティング材料組成物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を乾燥させて得られる、ポリウレタン樹脂フィルム。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥させて得られる、ポリウレタン樹脂フィルム。
【請求項10】
ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂フィルムであって、前記ポリウレタン樹脂は、酸性基非含有ポリオール(a)由来の構造、ポリイソシアネート(b)由来の構造、酸性基含有ポリオール(c)由来の構造及び鎖延長剤(d)由来の構造を含み、
前記酸性基非含有ポリオール(a)は、ポリエーテルポリオールを含み、
前記鎖延長剤(d)は、ポリエーテルポリアミンを含み、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の含有割合とウレア結合の含有割合との合計は、7.6~15.0質量%であり、
前記ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールの含有割合及びポリエーテルポリアミンの含有割合の合計は、75.0~85.0質量%である、ポリウレタン樹脂フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系媒体中にポリウレタン樹脂を分散させた水性ポリウレタン樹脂分散体に関する。また、本発明は、前記水性ポリウレタン樹脂分散体を含むコーティング材料組成物、及び前記ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥させて得られるポリウレタン樹脂フィルムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
水性ポリウレタン樹脂分散体は、ゴム的性質等を有する塗膜をもたらすことができ、従来の有機溶剤系ポリウレタンと比較して揮発性有機物を減少できる環境対応材料であることから、有機溶剤系ポリウレタンからの置き換えが進んでいる材料である。ポリエーテルポリオールはポリウレタン樹脂の原料となる有用な化合物であり、イソシアネート化合物との反応により、硬質フォーム、軟質フォーム、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラー等に用いられるポリウレタン樹脂を製造することができる。ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタン樹脂より低温柔軟特性に優れることが述べられている(非特許文献1参照)。
【0003】
本発明者らにより、水性ポリウレタン樹脂分散体において、分子内に3つ以上のアミノ基及び/又はイミノ基を有するポリアミンを鎖延長剤に使用することで、低温での引張における弾性率が低く、電着塗膜への密着性が向上することを見出されている(特許文献1参照)。また、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンを鎖延長剤とした水性ポリウレタン樹脂分散体を塗布して得られる塗膜においても、柔軟性を有することが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2015/194672号
国際公開第2006/062165号
【非特許文献】
【0005】
「最新ポリウレタン材料と応用技術」 シーエムシー出版社発行 第1編第2章 第23~32ページ、第2編第2章 第145~155ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載された水性ポリウレタン樹脂分散体を用いて得られる塗膜について、強度及び柔軟性の両立という点で、改善の余地があることが見いだされた。
【0007】
本発明の課題は、基材上に製膜した場合に、強度及び柔軟性の両方に優れる、水性ポリウレタン樹脂分散体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]酸性基非含有ポリオール(a)由来の構造、ポリイソシアネート(b)由来の構造、酸性基含有ポリオール(c)由来の構造及び鎖延長剤(d)由来の構造を含むポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されてなる水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
前記酸性基非含有ポリオール(a)は、ポリエーテルポリオールを含み、
前記鎖延長剤(d)は、ポリエーテルポリアミンを含み、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の含有割合とウレア結合の含有割合との合計は、固形分基準で7.6~15.0質量%であり、
前記ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールの含有割合とポリエーテルポリアミンの含有割合との合計は、固形分基準で75.0~85.0質量%である、水性ポリウレタン樹脂分散体。
[2]ポリエーテルポリオールの数平均分子量が、800~3,500である、[1]に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[3]ポリエーテルポリアミンが、下記式(1)で示される、[1]又は[2]に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
TIFF
2025056830000001.tif
19
161
〔式中、nは、2~100であり、m及びpは、それぞれ独立して、0又は1~100であり、R

、R

、R

及びR

は、同一又は異なっており、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐状の炭素原子数2~6のアルキレン基である〕
[4]ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリアミンの含有割合が、0.5~10質量%である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[5]ポリウレタン樹脂の酸価が、10.0~40.0mgKOH/gである、[1]~[4]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[6]ポリイソシアネート(b)が、脂環式ジイソシアネートである、[1]~[5]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[7][1]~[6]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む、コーティング材料組成物。
[8][1]~[6]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を乾燥させて得られる、ポリウレタン樹脂フィルム。
[9][1]~[6]のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥させて得られる、ポリウレタン樹脂フィルム。
[10]ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂フィルムであって、前記ポリウレタン樹脂は、酸性基非含有ポリオール(a)由来の構造、ポリイソシアネート(b)由来の構造、酸性基含有ポリオール(c)由来の構造及び鎖延長剤(d)由来の構造を含み、
前記酸性基非含有ポリオール(a)は、ポリエーテルポリオールを含み、
前記鎖延長剤(d)は、ポリエーテルポリアミンを含み、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の含有割合とウレア結合の含有割合との合計は、7.6~15.0質量%であり、
前記ポリウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールの含有割合及びポリエーテルポリアミンの含有割合の合計は、75.0~85.0質量%である、ポリウレタン樹脂フィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、基材上に製膜した場合に、強度と柔軟性の両方に優れる、水性ポリウレタン樹脂分散体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東レ株式会社
多孔質構造体
7日前
ベック株式会社
硬化性組成物
25日前
AGC株式会社
組成物
1か月前
ベック株式会社
硬化性組成物
25日前
東ソー株式会社
ハロゲン含有ポリマー
今日
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
5日前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸溶液
13日前
三洋化成工業株式会社
徐放材用組成物
18日前
東ソー株式会社
ゴム組成物及び加硫ゴム
7日前
AGC株式会社
液状組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂の製造方法
1か月前
東レ株式会社
構造部材およびその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリオレフィン系樹脂組成物
1か月前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シート
28日前
住友精化株式会社
吸水性樹脂粒子の製造方法
5日前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法
1か月前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
花王株式会社
複合粒子の製造方法
1か月前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
株式会社シマノ
屋外使用可能部品
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリ尿素およびその製造方法
6日前
恵和株式会社
樹脂組成物及びシート
1か月前
田岡化学工業株式会社
一液型エポキシ樹脂組成物
29日前
遠東新世紀股分有限公司
防水透湿膜
6日前
東ソー株式会社
光学薄膜及び光学薄膜の製造方法
13日前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂組成物の製造方法
1か月前
JNC株式会社
ウレア誘導体の重合体を含むゲル
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムとその製造方法
19日前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
8日前
積水化学工業株式会社
硬化性樹脂組成物
8日前
東ソー株式会社
ポリウレタンフォームのアミン臭低減
28日前
東ソー株式会社
クロロスルホン化プロピレン系重合体
19日前
日本化薬株式会社
硬化性樹脂組成物およびその硬化物
29日前
東レ株式会社
ナイロン6樹脂組成物およびその製造方法
1か月前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物
27日前
続きを見る