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公開番号2025054200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2024152960
出願日2024-09-05
発明の名称複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリング方法及びシステム
出願人国網新疆電力有限公司電力科学研究院,State Grid Xinjiang Electric Power Co.,Ltd.Electric Power Research Institute
代理人個人
主分類E02D 17/20 20060101AFI20250328BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】リアルタイム性が高く、モニタリング範囲が広く、周期が短く、効率が高く、コストが低いInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリング方法及びシステムを提供する。
【解決手段】送電塔変形モニタリングシステムは、地域送電路の各送電塔に設けられ、送電塔位置センサ、送電塔傾斜センサ、送電塔本体センサ及び電線センサを含み、各センサが取得したセンサ情報を第1の通信装置を介して中央サーバーに送信し、中央サーバーは、コンピュータ、第2の通信装置及び合成開口レーダー衛星SARデータ受信装置を含み、前記第2の通信装置は第1の通信装置と双方向通信する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステムであって、
前記モニタリングシステムは、中央サーバーと送電塔変形モニタリング装置を含み、
前記送電塔変形モニタリング装置は、地域送電路の各送電塔に設けられ、送電塔変形モニタリング装置は、送電塔位置センサ、送電塔傾斜センサ、送電塔本体センサ及び電線センサを含み、前記送電塔変形モニタリング装置は、各センサが取得したセンサ情報を第1の通信装置を介して中央サーバーに送信し、
前記中央サーバーは、コンピュータ、第2の通信装置及び合成開口レーダー衛星SARデータ受信装置を含み、前記衛星SARデータ受信装置は、SARが送信する地域送電路エリアの異なる時刻におけるSARのマルチシーンSLC画像情報を受信し、
前記コンピュータは第2の通信装置にさらに接続され、前記第2の通信装置は第1の通信装置と双方向通信することを特徴とする複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記第1の通信装置と第2の通信装置は、有線通信ネットワーク、北斗(BD)ショートメッセージ通信ネットワーク、無線通信ネットワークを含むことを特徴とする請求項1に記載の複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記無線通信ネットワークは、送電塔に設けられた無線通信モジュールと、中央サーバーに設けられた無線通信モジュールと、無線通信コンバージェンス基地局と、を含み、無線通信コンバージェンス基地局を介して各無線通信モジュールを接続して双方向通信ネットワークを構成することを特徴とする請求項2に記載の複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記センサ情報は、送電塔の位置、送電塔の電柱傾斜度、送電塔本体沈下量及び送電線の変位量を含み、
前記送電塔位置センサは、北斗BDSとGPSデュアルモード測位モジュールを含み、
前記送電塔傾斜センサは、ピエゾ抵抗型加速度センサと、静電容量型加速度センサーと、圧電型加速度センサと、共振型加速度センサと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記送電塔変形モニタリング装置は、主制御モジュールと、温度測定モジュールと、電源管理モジュールと、を含み、前記主制御モジュールは、前記センサ情報を受信したうえで、前記温度測定モジュールから供給された温度情報に基づいて前記センサ情報に対して温度補償補正をし、補正後のセンサ情報を第1の通信装置を介して中央サーバーに送信し、
前記電源管理モジュールは、前記送電塔変形モニタリング装置に電力を供給することを特徴とする請求項4に記載の複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記コンピュータは、SARの衛星軌道情報をさらに受信し、
前記コンピュータは、SARのマルチシーンSLC画像情報に対して干渉処理を実行することにより地表変形情報を抽出し、
前記コンピュータは、前記地表変形情報に基づいて送電地域の地質変形警報信号を生成し、
前記コンピュータは、前記送電塔変形モニタリング装置にアップロードされたセンサ情報に基づいて送電塔故障警報信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のモニタリングシステムを実行するための複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリング方法であって、
前記モニタリング方法は、
送電塔変形モニタリング装置は送電塔に設けられた複数の異なるタイプのセンサを通じて送電塔自体の傾斜角、沈下、変位及び地理的位置をモニタリングし、前記異なるタイプのセンサが出力したセンサ情報は中央サーバーのコンピュータにアップロードされるステップ1と、
中央サーバーのコンピュータは、合成開口レーダー衛星SARが送信する地域送電路エリアの異なる時刻におけるSARのマルチシーンSLC画像情報を受信するステップ2と、
中央サーバーのコンピュータは干渉法を用いて前記SARのマルチシーンSLC画像情報を処理し、送電路地域の地形変形情報を得るステップ3と、
中央サーバーのコンピュータはステップ1のセンサ情報を受信し、各送電塔の地理的位置情報を抽出し、変形が発生した地形の位置を正確に測位するステップ4と、
中央サーバーのコンピュータは、ステップ3の地形変形情報に基づいて、送電塔の傾斜角、沈下、変位情報を合わせて、送電路及び各送電塔に地質災害が発生したかどうかを確定し、地質災害が発生した場合、コンピュータは警報を出すステップ5を、を含むことを特徴とする複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリング方法。
【請求項8】
ステップ3に記載の干渉法を用いて前記SARのマルチシーンSLC画像情報を処理するのは、遠隔測定差分干渉SAR解析法を用いて前記SARのマルチシーンSLC画像情報を処理することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記差分干渉SAR解析法は、2軌道法、3軌道法及び4軌道法を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ1に記載の前記センサ情報をアップロードするのは、北斗衛星のショートメッセージ機能を利用してコンピュータに通信することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地表建物変形検出の技術分野に関し、複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリング方法及びシステムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
中国特許公開CN114111654Aは「D-InSAR技術に基づく送電路付近の地滑りをモニタリングする方法とシステム」を開示し、方法は、数値標高モデルDEMデータとセンチネル-1(Sentinel-1)衛星高精度軌道決定製品を用いてSAR画像に対して初期レジストレーションをしたうえで、何度も繰り返して高精度レジストレーションを行い、そしてレジストレーションした後の画像に対して品質分析を行うステップと、レジストレーション可能なSLCデータを干渉結合して、対応する差分干渉画像を生成するステップと、特異値分解最適化アルゴリズムに基づくD-InSAR技術を用いて前記差分干渉画像を最適化し、設定コヒーレンス係数よりコヒーレンス性が高い点を選択するステップと、差分干渉画像セットに対して品質分析を行い、時系列SAR技術を利用して送電路付近の地滑り地域を含む研究地域の変形結果を取得するステップと、地形や地勢条件、歴史的な地滑り点及び送電路の緯度に基づいて、送電路付近の地滑り地域に対してモニタリング分析を行うステップと、を含む。
【0003】
中国特許公開CN113960596Aは「北斗とPS-InSARに基づく地滑り三次元変形モニタリング方法」を開示し、上昇、下降軌道SARデータとPS-InSAR技術に基づいて目標地滑りを処理し、初歩的な変形モニタリング結果を獲得するステップと、変形モニタリング結果の分布特徴に基づいてグリッド分割を行い、各グリッドにおいてプリセット規則に基づいて受信機を配置するステップと、目標地域に対して持続的なモニタリングを行い、SAR衛星と北斗に基づく同期モニタリングデータを取得するステップと、DEMデータに基づく地形トレンドフィッティング内挿法を用いて、モニタリング時間帯内の地域全体のPS(Permanent Scatter/永久散乱)点の累積面形状変形を取得するステップと、北斗受信機の分布状況と地形要素に基づいて、北斗受信機の変形データの計算グリッドを形成するステップと、変形データに基づいてグリッドを解算し、各所の面形状変形結果に対してデータ融合を行い、各グリッドの3次元変形結果を取得し、グリッド境界に対して平滑化処理を行い、最終的な3次元変形結果を取得するステップと、を含む。
【0004】
合成開口レーダー干渉SAR(SyntheticAperture RadarInterferometry、InSAR)は能動型空間対地上マイクロ波リモートセンシング技術として、雲雨などの条件の影響を受けず、広範囲、低コスト及び高空間分解能で地面の標高又は変形情報を取得でき、過去30年間で急速に発展し、地震変形研究、都市沈下モニタリング、地滑りモニタリング、鉱山変形モニタリング、水利工事安全モニタリングなどの多くの分野に広く応用されている。多くの国と組織が近年、複数のSAR衛星を打ち上げたり打ち上げしようとしたりして、InSAR技術と応用の発展をさらに牽引している。
【0005】
しかし、InSARにも固有の制限があり、大気遅延誤差や時空無相関ノイズなどの影響を受けやすく、深刻な場合にはリアル変形信号を混乱させ、InSAR変形結果の誤判定を招く。D-InSAR技術は、同じ地域の異なる時刻をカバーする2シーンまたはマルチシーンSLC画像を用いて、複素共役により干渉信号を得て、最初に地形図作成および3次元地表地形データの取得に用いられた。InSAR干渉信号は、標高に加えて変形にも関係するため、地形位相寄与を除去した上で、差分干渉SAR解析(Differential InSAR、D-InSAR)技術と呼ばれる微小な表現変形情報を取得するために使用することができる。この技術はLanders地震の共震変形場を得て、世界の学者の注目を集めている。しかし、無相関ノイズや大気遅延などの誤差はD-InSAR技術のモニタリングの信頼性を著しく低下させたため、その応用シーンは主に地震、地質構造運動、火山などの変形量級の大きいモニタリングエリアに制限され、精度は一般的にデシメートルからセンチメートル級にしか達成できない。
【0006】
伝統的なD-InSAR技術の限界を克服し、InSAR技術の地表変形精密化モニタリング能力を高めるため、国内外の多くの学者がD-InSAR技術を基礎に一連の時系列InSAR(time-series InSAR、TS-InSAR)技術は、多時相InSAR(multi-temporal InSAR、MT-InSAR)とも呼ばれ、InSAR分野の研究のホットスポットとなっている。
【0007】
北斗衛星測位システムは20年以上の発展建設を経て、現在までに、我が国及び周辺地域で独立した衛星ナビゲーション、測位、タイミング受信、ショートメッセージサービスを提供しており、北斗3号システムは高精度時間と空間基準を確立し、衛星間通信運行管理施設を増加し、地球観測衛星と衛星間通信の共同観測に基づく衛星軌道と時計バイアス測定業務処理を実現し、測位、速度測定、タイミング受信などの世界の基本航法サービス能力を備えている。それと同時に、ショートメッセージ通信、衛星航法補強、国際捜索救助、精密単独測位などのサービスの地上施設建設を展開した。
【0008】
電力業界は国のエネルギー安全と国の経済・民生に関わる重要な主軸産業であり、送電業務の応用シーンについては、北斗技術に基づくオンラインモニタリングが普及・応用され始めているが、具体的な応用効果はさらに改善されなければならず、北斗は電力関連応用には大きな可能性がある。
【0009】
現在、遠隔地の送電線の安全防護は主にビデオモニタリングと手動検査の方式を採用して仕事を展開し、人員の経験に過度に依存して、科学システムの対応方法が不足し、送電線のリアルタイム全面的なオンラインモニタリングを行うことができず、突然の事故に対して適時に警報とリアルタイムモニタリングを行うことができないため、送電線故障をすぐに発見することができず、予防と有効な措置をとる最適なタイミングを失い、送電線故障による経済損失と社会的影響を拡大する。強風、洪水、地質災害などの外在環境の影響、及び施工品質の不合格、地盤の不均一と意外な衝突などの原因により、送電塔に傾斜変形が発生し、電力網の安全に重大な危険をもたらす可能性が高い。現在、一部の送電鉄塔の安全状況は憂慮されているが、手動検査などのモニタリング手段は周期が長く、効率が低いなどの欠点があり、突然の事故による送電塔の傾斜をタイムリーに発見することができず、事態のさらなる拡大をもたらし、さらに電力網の電力供給信頼性に影響を与える可能性が高い。現在、人工を主とする通常のモニタリング手段はすでに広域エネルギーインターネットを背景とする電力網の防災・減災要求を満たすことができず、リアルタイム性が高く、モニタリング範囲が広く、周期が短く、効率が高く、コストが低い総合モニタリング警報手段が必要であり、電力網設備と運行状態データを効率的かつ確実に取得し、インテリジェント化、情報化検査業務の「データインテリジェント駆動」への転換を実現する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的問題を解決するために、本願の第1の態様は、複雑な環境でのInSAR技術を用いた地域送電路変形のモニタリングシステムを提出し、中央サーバーと送電塔変形モニタリング装置を含み、
前記送電塔変形モニタリング装置は、地域送電路の各送電塔に設けられ、送電塔変形モニタリング装置
は、送電塔位置センサ、送電塔傾斜センサ、送電塔本体センサ及び電線センサを含み、前記送電塔変形モニタリング装置は、各センサが取得したセンサ情報を第1の通信装置を介して中央サーバーに送信し、
前記中央サーバーは、コンピュータ、第2の通信装置及び合成開口レーダー衛星SARデータ受信装置を含み、前記衛星SARデータ受信装置は、SARが送信する地域送電路エリアの異なる時刻におけるSARのマルチシーンSLC画像情報を受信し、
前記コンピュータは第2の通信装置にさらに接続され、前記第2の通信装置は第1の通信装置と双方向通信する。
(【0011】以降は省略されています)

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